「激突!!バットマンVSアメリカの闇」THE BATMAN ザ・バットマン keytonさんの映画レビュー(感想・評価)
激突!!バットマンVSアメリカの闇
「なぜ今になってバットマン?」と思った人たちは結構いるんじゃないでしょうか。ホアキン・フェニックス版「ジョーカー」がヒットしたのはわかるけどバットマンまでリブートするのは安直すぎないかとPVを見るたびに思いながら、ついに初日に鑑賞してきました。
かなり長い上映時間でしたが、充実した映画体験でした。この理由なら☆四つなんですけど、☆五つにした理由はアメリカの闇を連想させるような演出が最大手でした。
人間ドラマよりも政治的な内容が多く、リアリティにあふれる所が個人的には好きでした。
ウォーターゲート事件やケネディ暗殺事件、ホワイトハウス襲撃を彷彿させるような、政治家・エリート公務員等の組織的スキャンダルを、バットマンの世界観に組み込む演出はありそうでなかった発想でした。
また、ブルース演じるロバート・パティンソンもイケメンで若者らしさも醸し出していて、孤独なアンチヒーローを見事に表現していました。心から信用しているのはアルフレッドのみというのもシンプルで強烈。
最後には浮いたコスプレ男からヒーローに転身する光景はとても清々しかった。闇は消えないけど希望は必ずある、そんなラストでした。
吹き替え版は3月15日に鑑賞してきました。櫻井さんの冷徹でダークな演技や、ファイルーズ愛さんの甘くて男心をくすぐる声色で、違和感ゼロでした。今作の吹き替え版は当たりだと思います。
そして、特筆すべきはリドラーの声を当てた石田彰さんの声の使い方が面白かった。最初は声を加工していて、石田さんかどうかもわからなかった。しかし、物語が進むにつれて声がクリアになっていき、狂気に満ちた演技は一見の価値はあると思います。
バットマンの知識がなくても十分楽しめる作品になっていますが、不殺、銃を使わないポリシーの所以を知っておくとより楽しめると思います。
現在、Dolby Cinema→プレミアシアター(吹き替え)→IMAXGTレーザーの計三回観賞しましたが、印象深かったのはDolby Cinemaでした。黒のコントラストが綺麗で、「黒光りの極み」みたいな映像が堪能できます。