「>2, >3, <1 (2より3よりは上だが、1に満たない数字が4)」マトリックス レザレクションズ あらP★さんの映画レビュー(感想・評価)
>2, >3, <1 (2より3よりは上だが、1に満たない数字が4)
鑑賞に先立って三部作を観返してから臨んだ。一作目は、現実が未来の機械に見せられている夢であるという設定と、バレットタイムによる映像表現が斬新でエポックメーキングな作品だったが、続く二作目三作目は凡庸であった印象で、事実、見返したBDも廉価版で買った2と3は永らくシュリンクラップすら破っていなかった。最初劇場で観て、TVでも何度か観た記憶があるのだが、ストーリーを忘れていた。今回改めて見直しても感想は同じで、登場人物達のゴールが見えない、機械を打倒して人間社会を取り戻す?電池になっている人達を犠牲にして?機械が無くなって人間は生き残れるの?といった疑問への答えは無く、ただただ反乱軍が無事で良かったジ・エンド、というモヤモヤ感だけが残った。だから、4作目となる本作は、鑑賞前から不安であった。
だがしかし、ファンとしては観に行って良かった。1作目には及ばないものの、2や3よりは面白かった。
前3作で提示された、「厳しい現実と楽しい夢の世界と、どちらが幸せか」というテーマ、ここをもっと突き詰めれば三部作も全体的に良くなったと思うのだが、本作はそれを違う切り口で見せている。何より、「完結したはずの三部作の上に、さらに何を作ろうとしているの?」という観客の疑問を、自虐的に登場人物達に語り合わせているあたりが、ファンとしては非常に面白かった。
ただ、特に後半、三部作の2と3のように、ストーリーも映像的にも面白くない格闘映画になってしまい退屈だった。
このシリーズは、一作目で完結していて、2以降は余録なのだなぁ。あれ以上、面白くなる要素が見当たらない。ファンから搾り取るには、ディズニースターウォーズみたいに、余録を作り続けるのもいいかもしれないけど。