「20年前のマトリックスファンのためだけの作品。マトリックス初見にとっては観る価値なし。」マトリックス レザレクションズ Bachさんの映画レビュー(感想・評価)
20年前のマトリックスファンのためだけの作品。マトリックス初見にとっては観る価値なし。
初代マトリックスの点数をつけるなら間違いなく満点だが。。。
ストーリーとしてはよくまとまっていて、過去の設定やキャラクターを劣化させすぎることはなく、蛇足とは言わないがマトリックスファンのための映画という枠は破ることができない作品。マトリックスを観たことがない人が見る価値は一切ないが、ファンなら観ても後悔はしない作品としてこの点数。(過去作観た人4点、観てない人0点)
初代マトリックスの世界で魅せられたような未知の感動は特になく、懐かしい映像と設定、懐古感あるアクションを楽しむだけの作品となっている。同窓会に参加するような感覚の作品。同窓会独特の哀しさとして、過去映像からネオのかっこよさ、スミスの圧倒的悪役感が流れるたびに、キアヌ含めての旧キャストの加齢、新しいキャストの華の無さが目立つ。
メッセージとしての対立でなく対話という部分を否定するような演出が入るのは、現代社会でもよく見られるようになった世の中を皮肉ってるようにも感じる。最近の売れてる作品はデータ分析の傾向から全て同じ作品になっているというような皮肉も出てくる。共に共感はするが、それを圧倒的に主張するようなエネルギーが作品にはない。
初代マトリックスは、当たり前に過ぎていく現実世界が、実はロボットの支配により作られた仮想世界であり、その上その支配された事実を知った上で仮想世界での安寧を求める人がいるという、フィクションなのに圧倒的なリアリティを感じさせる全く新しい作品だった。本作は初代マトリックスにあったオリジナリティがあまりに弱い。
出来の良い同人作品気分として観るといいだろうが、2、3に比べてだいぶマシな4という感じで結局のところ初代だけでいい。もう一度観ることは私は二度とないだろう。