ドリームプランのレビュー・感想・評価
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目標達成の為にブレない信念で戦うお父さん
この映画の主人公は米国ではウイリアムズ姉妹の父親としてかなり有名な人物であろうと思うが、テニスはあまり見ないので全く知らなかった。
自身で競技経験がなかったり、多少かじった程度の父親が独学で子供を指導し、世界チャンピオンに育て上げるという話は日本ではボクシングやスノーボードなどで例を見る事ができるが、個人的には父親が指導しなくても同じ結果であっただろうと思っている。
理由は当人達の才能が結果に一番大きく影響する要素であり、また指導者を心底信頼しやり切る事ができるか否かが10代の競技者が成果を出せる大きなポイントだと考えるからである。
映画を観るまではそれらの父親達と同じタイプかなと思っていたが、この父親の違うところはまず1人の社会人として子供達にしっかりと勉強することを課している点である。
根底には自身の差別や貧困の経験があるからなのだが、指導者である前に親としての責任を全うしようとしているところが良いと思った。
次に家族全員が父親を中心に皆仲が良いという点である。
父親がブレない信念を持って自分達の為に必死に戦ってくれていることを皆が理解しているためで、それだけでも子供達の優秀さと母親の賢さがビシビシと伝わってくる。
さらに世界レベルで活躍する多くの選手が白人という競技へ何の躊躇もなく入って行けるメンタルの強さである。(もちろん女子アスリートではテニスプレーヤーが収入ランキングのトップである事が1番のモチベーションだったとは思うが)
この姉妹の活躍が大坂なおみ始め白人以外の選手達に門戸を大きく広げるキッカケになった事からその功績は非常に大きいと思った。
一方でものの言い方、厚かましさ、奥さんや他人に対する信頼やリスペクトの欠如、契約履行への意識が希薄である事などから周囲の反感を買うのだが、最終的には子供達の圧倒的な実力により結果オーライとなり、アンチ派の溜飲を下げる事になる。
どこまでが真実でどこまでが脚色なのかはわからないが、最後に流れた実際の映像を見るとミニバンや着ているものから全体の雰囲気など大筋は相当寄せており、結果は分かってはいるものの半ドキュメンタリー映画として非常に面白く観ることができた。
父には腹たつところが、
「良き父親・指導者」の話ではない。
なぜ内容を誤解してしまうような邦題をつけるのか理解に苦しむ。
ビッグマウスで奔放で傲慢な父親をメディアが揶揄した「King Richard」って原題はまさにピッタリだと思うし。
お話としては「名伯楽のコーチング論」といった類いのものでは決してなく、むしろ父親の暴走に「正しい選択と自立」をする物語。
主人公のリチャードはもちろん娘たちへの愛情には溢れているが、彼の指導は一方で、自身がそれまで生きてきた差別社会や自分を蔑んで来た人々に対して、娘を利用して復讐しているだけだと、ちゃんと奥さんに看破されている。
その辺り、アフリカ系アメリカ人のただの恨み節にならないフェアで批評的な視線はすごく良かった。
そういう意味で、彼の暴走を肯定することから始まる様な邦題は、どうにもしっくり来ない気がするし、観ていて違和感が先行してしまう。
逆にそうじゃない視点で観ると、子供たちがしっかり自立していく姿をしっかり見届けることができて、ラストがよりグッとくる。
現実として、彼がまず気をかけたビーナスよりも、セレナの方が残した記録としてはものすごいってのも、若干皮肉ではある。
そしてそれを表現する子供たちと奥さんの演技が素晴らしい。
一歩間違えると極端な悪作になりかねないが…
今年50本目(合計323本目/今月(2022年2月度)22本目)。
史実を元にしているので(ラストあたり、当時の動画が流れる)、あることないこと書けない状況です。
テニスをテーマにしているというのは、ネタバレでも何でもないはずです。
問題は結局のところ他の方も書かれている通り、「父親の取った「ドリームプラン」が極端すぎる」ため、一歩間違えると親権濫用と思われても仕方がなく、本作品では「結果的に」サクセスストーリーになっただけであり、本映画をみて「素人が」「じゃ、うちの息子・娘も同じようにしつけるか」となると、日本基準では「親権の濫用」で一発レッドかイエローか…というところです(暴力的シーンはないものの、思想の強制が極端にひどいため、日本のように領土の狭い国では「お隣で変な喧嘩を毎日やってる」と行政に相談されると、それまで)。
一方で、テニスを扱う映画であるため、その内容自体は史実通りで字幕なども極めて正確ですが(テニスプレイヤーの伊達公子さんも監修されていますので、きわめて正確)、何でも良いのでテニスの最低限のルールを理解しないとセリフの一部が理解不能になります。またその上で、当時の人種差別問題や男女同権思想といった問題が二重三重に隠れているのであり、これを全部把握したのが「ドリームプラン」といえばそりゃそうですが、日本ではなじみがないので(=男女同権思想も、日本は不完全で、「正しい意味での」男女同権思想(フェミニズム思想)も、完全に達成はされていない)、かなり見かけに反して難易度の高い映画です。
結局のところ、他の方も書かれているように「これをサクセスストーリーと解して、日本で同じことをやると一発レッドかイエローが飛んできかねない」のであり、また現在の日本(2021~2022)と当時(主人公らがまだジュニア選手権で戦っていたころ)では「親権に関する考え方」も違うので(時代も違えば国も違う)、「じゃ、真似してうちの息子・娘にやろうか」と思い始める人が出てくると、こりゃこれで危険かなぁ…というところはあります。とはいえ、あることないこと書けないので、ここの減点幅はかなり微妙です。
また、この「ドリームプラン」も、中にはチェスがどうだの数学がどうだのという話まで出てくるので(数学の話は出るだけだが、チェスの話は深くはないが掘り下げられる)、一体「何の趣旨の映画か?」というのが微妙かな…というところです。
とはいえ、普通にみれば「(結果的に成功した)サクセスストーリー」「男女同権思想・人種差別反対思想」と見るのが妥当であり、その点に対する配慮は「一応はある」ので、まぁ評価は難しいです。
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(減点0.2) 結局、上記で述べているところが大半にあり、「じゃ、うちの息子・娘に同じ思想で挑もうか」となれば日本の現在の人権思想ではアウトであり、その配慮は明確に足りないのでは…と思えます。。
(減点0.1) これも他の方も指摘されていましたが、日本では「ドリームプラン」(Dream Plan)「夢をかなえるための計画」、程度)ですが、海外版の現タイトルは全く異なり、原作の原題からは「ドリームプラン」の「ド」の字も出てこないので(結果的に、この成功した父親を称賛するといえるタイトルになっている)、ここも(日本で公開するときを考えたとき)どうなのか…というところです。
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ただ、何にせよ、テニスに関してはごく最低限のルールを知らないと本当に理解不能に陥るので、youtubeでもニコニコ動画でも良いので「ルールの基礎」くらいは把握しておくのは必至かな、と思えます。
King Richerdまさしく!
原題は、キングリチャード。
そう、ビーナス、セリーナ ウィリアムズを育てた、テニス未経験のお父さんだ。ウィルスミスが演じる。
カルフォルニア州コンプトンは、ギャングも多い犯罪都市だ。そこから脱したい!テニスプレイヤーにする計画を立てる。ビジネスの世界とスポーツの世界。アメリカだな。初めて彼女たちを観た時、うっそ!黒人だぜ!って、そっかこんなプランがあったんだって納得。
テニスは、マルチナヒンギスなどの白人のスポーツ。
しかし、熱血なスポーツでもある。ビーナス、セリーナのパワフルなプレイに魅了される。
シンデレラから謙虚さやマナーを学ばせるのもユニークだ。よかった
いい作品である!
癖の強いお父さんでした!!
セリーナ・ウィリアムズとヴィーナス・ウィリアムズさん達は、なんとなくスポーツニュースとかで名前聞いたことあるかな?くらいにしか知らないのですが、予告編が気になって見てみました。
ウィル・スミス演じるお父さんが想像以上に癖の強い人で驚きましたが、無事に契約まで至れて良かったです。。!
字幕を付けた人の名前が出るのは普通ですが、
「字幕監修 伊達公子」との表記もあり、驚きました。ちゃんとテニス用語とか使い方をプロが確認してくれたんだなぁ、と嬉しかったです。
最後に御本人写真や映像が見れて、良かったです!!父の予言通り、セリーナは。。というくだりとか感動しました。言葉に出すと強い、というのを実感しました。
「オレは○○になる!!」とかは言葉にしてイメージすることが大事だと思いました。。!
信念
軽妙で深い、アカデミー作品賞ノミネートも納得
ビーナスとセリーナの姉妹を世界チャンピオンに育てたお父さん、リチャード・ウィリアムスの実話
予告編に「二人が産まれる前からその為のプランを作ってた」って台詞が流れてて、ある意味虐待を肯定する感じだったら嫌だなーと思って観たら、その真逆も真逆だった
一握りのスター選手を輩出する育成システムって、裏を返せば、親の期待を背負った子供たちを食い物にして成り立ってるところあるから、才能一本勝負で突き進んだ親と子はその夢が破れたときに取り返しのつかない状態に陥りかねない
お父さんそこ憂慮してて、姉妹に良いコーチをつけることには妥協しないけど、既存のキャリアパスにのせることには断固反対する
でも世の中一般は、そんな出来上がってるシステムをまず是として捉えるから、そこからはみ出しちゃってるお父さんをエキセントリックな人として見ちゃう
原題は『King Richard』
多分アメリカの人は昔、このお父さんが面白おかしくテレビで取り上げられるのを見てたんだと思う、でもその家庭には、これだけの思慮と愛情があったんだ、ってことへの驚きと畏れの結果がアカデミー賞6部門ノミネートなんだろう
そこ肌感覚ないことを差し引いたって充分素晴らしい
映画より史実が凄いので映画では物足りない
この映画は、テニス選手ビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズの父でありコーチであるリチャード・ウィリアムズの人生の一部を映画化したもので、テニス選手姉妹の話ではないということ。
姉妹の素直さとファイターには驚かされるが、
あの詐欺師のような親父だけを見ていると好きにはなれない。
とってもいい映画なんだけど姉妹の素晴らしさに、
どうにも胡散臭い親父がある。
そう、それは彼の出処なんだ。
人種差別のど真ん中で育ったことがこの物語の全てなんだ。
そんな中から出てきたのがドリームプランなんだから、テニス優秀選手育成プランではないということ。
そしてそんな歪んだプランをサポートするのか信仰に篤い妻なのだ。
アメリカの星一徹の話ではないところにこの映画の厚みがあるが、
現在進行形で彼女達はさらに凄いのだから恐れ入ります。
訳題が悪いが、父の偉大さを感じられる。
原題はKing Richard。
這い上がっていくストーリーなので見ていて爽快で良い映画でした。
ただ、姉妹のか活躍がスゴすぎて盛り上がりが無く、映画としてはちょっと物足りなかったかな。
映画のタイトル通り、父親の考えたプラン通りに?話は進んでいくんだけど、無理やり付けた訳題のせいで父親の大切さ的なところが少し弱くなってしまっていた印象。
ウィリアムズ姉妹の活躍はまぁまぁ知ってはいたし、コーチとの問題もニュースで知ってはいたが、ワンマンな父親の存在は知らなかった。
父親と娘、家族で意見の食い違いがあっても、根底には父親への信頼があり、一緒に成長していく物語で、終盤の父親として1人の娘を旅立たせる様なシーンは泣けた。
父親の娘に対する愛情や、父親としての偉大さみたいなところは映画からひしひしと感じたし、自分自身の子供時代を思い出させた。
ほんと、口うるさい父親でも、大人になってみると言っている事の正しさに気づいていったのを思い出した。
成功した娘の父親と家族の物語
良かった
勝つことがゴールではない
やはりスポーツ物のラストは、こうじゃないとね。ほんと熱くなって泣いてしまった。
でも、自分の中で一番盛り上がったのは、姉妹の母であり、リチャードの妻であるオラシーンの強烈な一撃。独善的でビーナスの全てをコントロールしようとするリチャードに堪忍袋の緒が切れてしまうんだけど、あまりの剣幕にリチャードは逃げようとする。オラシーンは、逃げることを許さずリチャードに追撃を放つ。その追撃が、あまりにも芯をくっていたので、とにかくスッとした。リチャードもリチャードで、あれだけ立派なこと言っていたのに、そんな事実があったなんて。
それくらいリチャードにイラッとしたのは事実。ただ、リチャードが生まれ育ったルイジアナ州で白人にリンチなどにあうなど人間の尊厳を傷つけられたことを考えると、リチャードの考え方もわかる。貧困から脱出して、リスペクトされる人間になるためには、教育が大事であり、良い環境に引っ越すためには、お金も必要。偶然にも運動神経のよい子供を授かったなら、それにかけるしかない。
ビーナスが、ジュニア大会で浴びた周りからの冷ややかな目が、とても印象的だった。公然とした黒人差別意識がある中で、成功するのは並大抵のことではないと思う。リチャードが単なる経済的な成功をゴールにしていたのではなく、黒人の地位向上と全世界から尊敬されるスポーツ選手を目指していたことが大きい。
勝負が終わったら勝者も敗者もなくお互いに健闘を称え合って、謙虚でなければならない。いいこと言うよね、パパさん。
アメリカらしいというか何というか…
実話じゃなければ観れないかも
奇跡のオヤジ。ほんと凄い。
原題はKing Richard 、邦題はなぜ人物ではなくプランに寄せたのか?リチャード王では訳分からなくなっちゃうからかな。
若い頃テニスをやっていた自分には、コナーズやマッケンローなどなど、懐かしくて色んなことが胸にズブズブ刺さってきた。
ウィル・スミス演じるリチャードは、何故娘をテニスプレーヤーにしたくなったのだろう。映画の中では優勝賞金の話してたけど、当時のテニスは白人のスポーツ。自分は未経験。にもかかわらず、娘が生まれる前にプランを立てたって?そんな変な旦那のプランに協力する妻。それも奇跡。何よりこの姉妹にたぐまれな才能があったことが最高の奇跡。
プランに関しては具体的に説明がなかったので、リチャードが周囲の一般論者と何故そこまで頑固に闘えたのかは謎だった。だって周囲の人達は皆んな一流なんだよ。普通、言う事聞かないと大失敗になるでしょ。でも結果は大成功。人生の正解って分からないよね。
へぇ〜、ビーナスのデビュー戦、多分、ヨネックスだったんだ〜!なんか嬉しかった。
お姉ちゃんのビーナスが先だから仕方ないけど、セリーナにも、もう少しスポット当てて欲しかったな。
とにかく最初から最後までズブズブきてて、ずっとワクワクハラハラウルウル。ポジティブ思考のオヤジに大感動。
超オススメです。
学び
一歩間違えたらただのロクデナシ
Tジョイ試写会で拝見。
脚本がいい!
父親の撮ったビデオや、マスコミが取材して残っている様々な映像がベースになっているため、リアリティ重視のほぼノンフィクション的な内容なのに、ちゃんとドラマとしての演出もされているという、思わず唸ってしまったくらいクオリティの高い作品に仕上がっていました。
この父親、一歩間違えるとかなりの毒親。
自説を主張するときは、実力行使を伴い、詐欺紛いの強引な交渉をする。
言動はエキセントリックだったし。
ただ、親の教えに「冷静さ、謙虚さ、教育・教養が重要」「人格者たれ」という考えなのがよかった。
子どものうちにジュニアトーナメントで勝つことだけしか興味ない人生だと、大人になる前に燃え尽きて麻薬に手を出したり、怪我をしても立ち直れなかったりということを恐れて、父親が「プレイヤーの前にまず一人の人間として真っ当に、年頃の子どもらしい教育を」をモットーに、プロデビュー前に3年ほど試合禁止をさせるくだりは、それまでのジュニアテニス界の常識を否定した感じがあり、道義的にも納得できました。
ある種、子どものうちから即席栽培で投資先みたいな扱いをすることへのアンチテーゼも含んでいて、意義深い内容。
しかし、この父親(よりも母親が熱心な)キリスト教系新興宗教信者で、信仰を大事にと教え込んでいるのがちと香ばしくて、時々背中がゾワッとしました。
カルト化した日本の教団に、この映画が利用されないといいな、と思いました。
父親が再婚かつ上3人の娘が前妻との間の子で、再婚相手との子が2人のテニスプレイヤーなこと、たくさん婚外子がいて浮気もしているロクデナシであることを隠さず描いているので、それはないか?
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