「心から子供の幸せを願う父親(それをサポートする母親)の実話」ドリームプラン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
心から子供の幸せを願う父親(それをサポートする母親)の実話
今も現役で活躍する黒人プロテニスプレイヤー。
ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹のサクセスストーリー。
姉妹を育てた父親にフォーカスした映画です。
リチャードの「ドリームプラン」は、なんと
ビーナス&セリーナ姉妹の生まれる以前に書かれていたのです。
テレビニュースでテニス大会の「優勝賞金4万ドル」を見て、
世界一のテニスプレイヤーを育てると決意。
「世界王者にする78ページの計画書」(ドリームプラン)を作り、
そのプラン通りに娘2人を超一流のテニスプレイヤーに
育てたのだから凄い。
実話の重みをビシバシと感じました。
ただしリチャードはテニス以前に子供たちの「人間形成」に、
より重きを置いているのです。
ビーナスが12歳で頭角を表しても、ジュニア戦に参加させず、
3年間も実戦から遠ざける。
「お金より大事なこと」をリチャードは分かっている。
頑固すぎて娘の心を傷つけた時は母親のオラシーンが、
リチャードを叱りつけてガッツリとサポートする(ここが大きい)
テニスはズブの素人のリチャードの娘たち5人(ビーナスは4女、セリーナは5女)
の教育は徹底しています。
親の務めの第一は、
危険から守る(警官に殺されたり、ドラッグをやったり、男に騙されたり)
黒人は危険と隣り合わせで生きていることを、常に教える。
コーチはあくまでもリチャードのメガネにかなった人物
学業優先・・・勉強でオールAを取らなければテニスはやらせない
世界デビュー・・・本当に身体と心の準備が整ってから、
そして家族の結束・・・家族の愛はプレッシャーに打ち勝ち、
試合でのモチベーションを保つ支えです。
強い絆で結ばれた家族。
それが強さの秘訣。
リチャードは素人でありながら、凄い知見の持ち主でした。
姉妹にオープンスタンスを貫かせたのもその一つです。
彼は素人ながら、ビーナスの能力と素材を見抜いていた。
姉妹の出現によりテニス界は《パワーゴルフ=スピードゴルフ》
の時代に突入する。
185センチの高身長のビーナスのサーブは最高速度183・4Km/h。
セリーナは175センチですが、こちらもサーブは最高速度181・8Km/h。
ビーナス&セリーナ姉妹からパワーゴルフは始まったし、
リチャードのオープンスタンスは理にかなっていたのです。
リチャードの子育ての方針。
これが正しかったのは、ビーナスが42歳、セリーナが41歳の現在も
現役でプレーしている。
そして黒人少女たちの「希望の星」であり続けている。
夢を実現する事より、夢を継続し続けることの方が困難だから、
彼女たちは素晴らしいお手本です。
そしてセリーナは結婚・出産。
(そのおかげで4大大会の託児所がより充実したそうです)
(ただし2018年全米オープンでセリーナが大坂なおみに負けたときの
(態度は、模範的とは言えないですね)
本当に「嘘」のような・・ホントの話しでした。
いやぁ、本当に!
お父さんはそこまで理性的な感じもしなかったんですが、相当な我慢強さを指導した賜物ですね。もちろん才能もすごかったんでしょうが、やっぱり指導者の大切さを学べました。
学業も頑張らせた、というのも大切でしたね。人の話を聞く素直さ、記憶力、論理力、読解力、応用力、勤勉性…、なんだかんだ勉強って将来大成するために必要なことが色々学べるんですよね。
ま、こういうのがわかるのは、大人になってからなんですけどw