「必要に子供を守る父親の王様リチャードと強運な家族の物語」ドリームプラン コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
必要に子供を守る父親の王様リチャードと強運な家族の物語
内容は、実話が元で世界のトップテニスプレイヤー🎾を育てた家族の話。父親リチャード自身の幼少期の人種差別的な経験から家族を執拗に守り、愛娘を一流の人間としてのテニスプレイヤーに育てる計画を辛抱強く妄信的に実行に移す事の出来た家族のサクセスストーリー。印象に残った台詞は『お前の踏み出そうとする一歩は、とてつもなく厳しい。その一歩は全ての黒人女性の代表となるからだ!』ヴィーナスの久しぶりのテニス公式試合を前に、父親が愛娘に涙ながらに語りかける場面。14歳という年齢に教育の熟成と子離れ出来ない溺愛ぶりが伺えて一流のプレイヤーと言うよりも一流の人間になる様にプランを実行する時を惜しむ場面は、色んな妄想が頭をよぎり同じ様な気持ちは伝わりました。好きな場面は、ビジネスライク的なテニス施設で、白人が無理やりお金をちらつかせ契約を取ろうとする場面で『白いフードを脱いだ方がいい』と吐き捨てる場面は、やはりアメリカ🇺🇸人種差別問題は深く根強く消し難いんだなと感じます。日本では太平洋戦争の傷跡がよく描かれてますが、アメリカでは南北戦争からずっと人造国家としての人種差別が描かれてます。時代的な背景もかなりあると思いますが、美しい広大な自然は広くもある大地に消すに消せない人間らしさをこの作品で感じました。ラストの実際の映像との対比は非常によく出来ていて、アカデミー賞に選ばれる程の演技にビックリです。今では授賞式にビンタした事が印象的ですが、、、この映画は長尺を感じさせないテンポの良い作品で見た後に元気が出てくる試合の臨場感もあり、低いボール目線での撮影は素晴らしく楽しい映画です。又、アメリカン・ドリームの違った形を垣間見る様で、興味深い作品でした。