DUNE デューン 砂の惑星のレビュー・感想・評価
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SF好きに向けたSFなのだ
中学生の頃にSF好きの友達に借りた本が、全然話が進まなくて、結局本の9割近くが背景設定や歴史、登場人物の関係性の話だった。
私が読み終わって「全然、話が進まないじゃん!」というと、友人は「SFは本に書いてある設定とかを読んで、空想して楽しむんだよ」と言っていた。
DUNEを表するなら正にコレ!
つまりはこれはそういう類のSF好きに向けたSFなのだ。
普通の人には「これからスゴイSFが始まるよ~!」って感じの映画。
そしてスターウォーズみたいにエピソード2「DUNE 砂漠の救世主」とか作られていくのかな?
圧倒的な物質感に神聖さを宿す、ビルヌーブ監督の美学が光る一作。
これまで幾度も映画化の企画が持ち上がっては頓挫してきたこの作品を、ドゥニ・ビルヌーブ監督がついに作品化。ホドロフスキーも挫折し、リンチも火だるまになったのに、『ブレードランナー』に続いてよくこんな袋叩きになりかねない企画を引き受けたなー、と、監督の蛮勇にまず感謝。
シャラメの起用効果は絶大で、ほとんど砂漠しか登場しない本作は、『アラビアのロレンス』や『マッドマックス』のように埃まみれのビジュアルになりそうなところ、いかなる状況でも目元麗しい彼の表情が清涼感を与えています。
また彼の存在感は、圧倒的な物量感と無機質さに神性を見出しているかのようなビルヌーブ監督の映像と極めて高いレベルで同調しています。煎じ詰めれば本作の筋立ては、辺境の地の資源争いという結構泥臭い話なんですが、シャラメの容姿、抑えた演技によって、作品に貴種流離譚の要素を融合させることに成功しています。
とはいえ、さすがのビルヌーブ監督も膨大な原作の要素を扱いきれなかったのか、主人公を始めとした登場人物の行動の理由、目の前で起きている状況が把握しづらいところも多々あります(端的に、この人誰?と疑問に思う場面も…)。
それでも極力説明的な台詞を排して、映像を通じて語ろうとする監督の姿勢と勇気は素晴らしいです。一つひとつの映像の表現、アングルに趣向が凝らされていて、退屈を感じる場面はほぼありませんでした。
本作は続編込みで一つの作品となっており、もちろん現時点で総合的な評価はできませんが、ひとまず次作への牽引力が十二分に備わった作品であると言えます。
スクエア判のパンフレットは高級感があるだけでなく、人物関係やキーワードの説明、解説が充実していて、「原作未読だけど面白かった、でも分からないことが多かった」という方にはほとんど購入必須と言っていいほど豊富な内容となっています。それでいて値段はそこまで高くない!
敵キャラの方がワクワクした
敵キャラがみんなスキンヘッドでデイブ・バウティスタも良い。大親分のステラン・スカルスガルドが首や肩にも肉が付いている太った造形で楽しかった。殺されかけたときには、生き残ってほしいと思った。浮遊能力があるのも、可愛い。太ってるおじいさんがプカプカ浮いているのは楽しい。油か薬か泥が画面いっぱいのシーンで浮かんできてくれたのは、期待に応えてくれた。毒吹き掛けられて、裏の壁に浮かんでいるのも可愛い。ティモシー・シャラメ一族の方が見た目としてつまらない。見た目からして、負けてる。こんなつまらない連中が中心なのは観ていてきつかった。それに砂の民族にハビエル・バルデムが居て、それも良い。敵キャラの方が顔面力があり、楽しい。
地獄の黙示録のように白人酋長ロマンになってしまうような気がして、そこは嫌な気がする。アジア人は独自の医療を持つ不思議な人種であるというのは不愉快ではないがステレオタイプ過ぎるような。人種区分もステレオタイプだ。未来がとんでもない悲劇になると分かっていながら未来に進むメッセージと比べて大した覚悟を感じられない進みかただ。
微妙な感じ
155分もかけたプロローグ
まず前評判のとおり、映像と音響は素晴らしかった。
IMAXで観たこともあり、最新技術を堪能した満足感はあります。
宇宙船や衣装のデザインも最高に格好良かった。
ただストーリーは…決してつまらなくはないんだけど。
映画って、物語が次々紐解かれていく感覚が楽しいと個人的には思っているんだけど、その部分が少し足りなく感じた。耳慣れない専門用語が多い割に、はっとするような展開がなく、終始重苦しい雰囲気の155分。(せめてほっと一息つけるようなシーンやキャラクターがいれば違ったのかも。)
端的に言えば、すっきりしなかったってことなのかなあ。
パート1だからってのもあるだろうけど、3部作とかでもおもしろいと感じる映画はあるんですよね。
序章なら序章なりの起承転結が、もう少しはっきりしている方が好きかなあと感じました。
想像力を刺激される
これは未曾有の映像体験だあ!
デューンと言えば、84年のデビッド・リンチの映画が思い浮かぶ。
原作の小説は既読だったので、すごく楽しみに見た覚えがある。
リンチのグロい趣味は発揮されてはいたが、スティングとカイル・マクラクラン(ポウル)の一騎打ちと、最後のショボイ特撮が何ともチープだったのが残念だった。
さて、今回のDUNEはと言うと・・・素晴らしいの一言。ほとんど息もつかせぬシーンの連続で2時間半の長尺時間はあっという間だった。これによりスターウォーズに始まるスペースオペラのVFXの系譜はついにここまで来たと感じたよ。どこからがCGでセットでロケでVFXなのか、もはや議論さえ必要が無いとも思った。そこにはDUNEがあった。
宇宙叙事詩である原作は、こりゃまた長尺なので、どの辺で切るのか、終わるのか、続くのか、リンチ作もあって大事な問題だった。結局、DUNEの目標はハルコンネンと皇帝への復讐に伴う、ポウルあるいはレト二世の皇帝就任、更にはアラキスの解放ということになろうかと思うけど、今回は、矢野徹大先生の早川版で言うところの第3巻半ばくらい。ここから、ポウルとジェシカは儀式によって大量のスパイスを摂取して覚醒し、ムアデイブ、教母となって、ジハードに向かっていくわけだけど、その後の砂漠の救世主に入るのかなあ?皇帝と戦わないで終わらないだろうな。
さて、映画の出来は、空想を現実にしてみせる手腕は、もう日本の映画には不可能なレベルだと思う。何より、俳優陣が素晴らしい。日本の映画もドラマもキャストの固定化が著しく、この前別の映画で見た俳優が、ある時は医者、ある時は刑事、ある時はお父さん、ある時は彼氏なんて感じで出ている。ハリウッドの俳優は自然でリアルな演技ができる人がいくらでもいる。スタートレックもそうだった。今回の映画で前に見た事があるのはレベッカ・ファーガソンとボーダーラインのジョシュ・ブローリンくらいかな。
本当に隙のない映画で、見応えがあった。パート2の期待は否が応でも高まる!
IMAXは絶対と言ってもいいからお忘れなく。
きっとアカデミー賞にも絡んでくる。映画館で見ておかないと損だよ。後悔するよ。初見をテレビで見ようと思っている人は、それだけはやめた方がいいと強く強く言いたい。
音と描写、衣装もとてもすばらしい◎
演出 ★★★★★
音楽 ★★★★★
ストーリー ★★★★☆
予告を観て、下調べせずに鑑賞しました。
原作が小説で、過去にデヴィット・リンチが制作してたことは観た後に知りましたが、原作を知らなくても楽しめます!
世界観や描写に合った"音"がとても素晴らしくドキドキしました。無音でさえ音として捉えられます。
謎が多く進みますが、徐々に解けていけるようちゃんと説明的な描写を組み込んでくれてます。
長いとも思えますが、テンポよく進むのはこの映画では不向きな気がしますので、ちょうど良いテンポだったのではないでしょうか。続きが気になります。
まあ、宣伝予告が下手で映画の良さが全く出せてないので、SFが好きな方は是非見てください!そしてIMAXで観ることを強くお勧めします!
重厚な映像、音楽のSF映画
作品としても興味あり、監督の「メッセージ」「ブレードランナー2049」もよかったのでぜひ観たい作品でした。
前半でてくる白を基調とした北欧のような山々、森林等の風景や、ところどころのシーンで霧がでてくるのは。監督の前2作品でも思いださせる独特の世界感。
ストーリーは少し複雑で日本人好みではないかもしれない。
SF映画としての映像、美術、衣装、建造物、戦闘機、等は見応えあり。
ハンスジマーの重厚な音楽で作品をさらに盛り上げます。
俳優達もいい演技してます。
今年のアカデミー賞等ではいろいろとノミネートされるでしょう。
約35年前の「デューン」約2時間30分を一つにまとめてストーリー展開が早かったが、
今回は前半だけでした。後半はいつやるのでしょうか?
公開が楽しみ。
コロナが一時的に落ち着いてきて、エンターテイメント作品の洋画がどんどん公開されてうれしいです。
迫力の映像体験
話進まない終わらない、で2年後続編!?
ドルビーにて鑑賞
IMAXかドルビーか迷いましたが、ドルビーの方が黒の再現が美しいとのことで、ドルビー上映館に行きました。音響も含め、500円プラス以上の価値あるものでした。
中世の世界観なので色彩が抑えられており、建物の中はブルーグレーの荘厳な空間、砂の惑星では言うまでもなくどこまでもサンドベージュの世界です。こうした明度、彩度の低い色にドルビーがマッチしているんだと思います。非常に美しかったです。
原作を読んでいないし、リンチの作品も見ていませんが、SFは映像化が非常に難しいと思います。よくぞこれだけ完成度の高い作品に仕上げられたとため息が出ました。キャスティングもベストマッチだと思いますし、セリフも語りすぎず余白があり、無駄がありませんでした。
今年に入って映画館で30本ほど観てますが、私の中では2021年のベスト3に入ります。後編が待ち遠しいです。
オーニソプターにビックリ!
次回作の製作が決定したわけでもないのに、堂々とタイトルに「Part One」を入れてしまうという賭けに出た監督を応援するために、2日間で計4回(IMAX→ノーマル→ドルビー→吹き替え)観ちゃいました。
一般的な評価は「面白い」「つまらない」が入り乱れてますねぇ。「つまらない」派は「前半の話が進まない」と言ってますけど、原作小説やテレビ版より全然話の展開が速いんですよ(でも、リンチ版映画よりは丁寧)。
今回のヴィルヌーヴ版は、原作小説の世界設定をほとんど説明してないけど、「これくらい、かみ砕いて説明する必要ないよね?」な監督の観客を信じる気持ちの表れかもしれないし、原作小説を初めて読んだ人たちと同じ気分になってほしいという監督の狙いなのかもしれない。
原作小説やリンチ版、テレビ版を経験している僕からすると、今回のヴィルヌーヴ版が純粋に「面白い」か「つまらない」かの判断ができません。「あ~そうきたか~」「あ、そうするんだ」の感想はあるけど(なぜリンチ版が当時駄作と評価された原因や理由も想像できる。でも僕はあのイメージは大好き)。
なので、僕はとにかく製作が決定していない「Part Two」で、ストーリーをどうやって決着させるのかが観たい(だから2日間で4回も観るという暴挙に出ました)。
「ここから現代SFが始まった」とも評価されている原作小説は1963年から始まったもので、その影響力は凄まじく、描かれたイメージモチーフはさまざまな作品に出ていて、それらを先に見聞きしている人間からすると、原作小説(そしてヴィルヌーヴ版)にはあまり驚くことがないのかもしれない。
『スター・ウォーズ』シリーズEP4の二つの太陽に僕らは驚いたけど、『デューン』シリーズの二つの月の方が時代的に先。原作小説のイメージモチーフの二次派生を先に経験していた僕らからすると、今回のヴィルヌーヴ版で観たイメージモチーフは「どこかで見た記憶がある」ものになってしまっているのかもしれない…と。
あ、いや、ヴィルヌーヴ版のオーニソプターはビックリしました(そう言えば、『天空の城ラピュタ』のフラップターのイメージはどこから来たのだろう?)。
映像はスゴイが、続編製作は…
ビルヌーブ連勝街道ばく進中
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