「これは未曾有の映像体験だあ!」DUNE デューン 砂の惑星 じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
これは未曾有の映像体験だあ!
デューンと言えば、84年のデビッド・リンチの映画が思い浮かぶ。
原作の小説は既読だったので、すごく楽しみに見た覚えがある。
リンチのグロい趣味は発揮されてはいたが、スティングとカイル・マクラクラン(ポウル)の一騎打ちと、最後のショボイ特撮が何ともチープだったのが残念だった。
さて、今回のDUNEはと言うと・・・素晴らしいの一言。ほとんど息もつかせぬシーンの連続で2時間半の長尺時間はあっという間だった。これによりスターウォーズに始まるスペースオペラのVFXの系譜はついにここまで来たと感じたよ。どこからがCGでセットでロケでVFXなのか、もはや議論さえ必要が無いとも思った。そこにはDUNEがあった。
宇宙叙事詩である原作は、こりゃまた長尺なので、どの辺で切るのか、終わるのか、続くのか、リンチ作もあって大事な問題だった。結局、DUNEの目標はハルコンネンと皇帝への復讐に伴う、ポウルあるいはレト二世の皇帝就任、更にはアラキスの解放ということになろうかと思うけど、今回は、矢野徹大先生の早川版で言うところの第3巻半ばくらい。ここから、ポウルとジェシカは儀式によって大量のスパイスを摂取して覚醒し、ムアデイブ、教母となって、ジハードに向かっていくわけだけど、その後の砂漠の救世主に入るのかなあ?皇帝と戦わないで終わらないだろうな。
さて、映画の出来は、空想を現実にしてみせる手腕は、もう日本の映画には不可能なレベルだと思う。何より、俳優陣が素晴らしい。日本の映画もドラマもキャストの固定化が著しく、この前別の映画で見た俳優が、ある時は医者、ある時は刑事、ある時はお父さん、ある時は彼氏なんて感じで出ている。ハリウッドの俳優は自然でリアルな演技ができる人がいくらでもいる。スタートレックもそうだった。今回の映画で前に見た事があるのはレベッカ・ファーガソンとボーダーラインのジョシュ・ブローリンくらいかな。
本当に隙のない映画で、見応えがあった。パート2の期待は否が応でも高まる!
IMAXは絶対と言ってもいいからお忘れなく。
きっとアカデミー賞にも絡んでくる。映画館で見ておかないと損だよ。後悔するよ。初見をテレビで見ようと思っている人は、それだけはやめた方がいいと強く強く言いたい。