「満を持して忠実な作品がいよいよ」DUNE デューン 砂の惑星 豆腐小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
満を持して忠実な作品がいよいよ
DUNEである!SFサーガの金字塔である!デビッドリンチのDUNEから約37年たち、満を持してのリメイクである。無条件に五体倒地で迎えるしかないじゃないかw
リメイクにありがちなコレじゃない感は皆無で、むしろ原作に近い重厚で濃密な仕上がりになった佳作として賛美したい。そもそもこの話は中世ヨーロッパの地政学を下敷きにし、壮大なスペースサーガとして創られた大河作品なだけに、今作はその雰囲気やティストを非常に良く醸し出している。映像全体の色調もブルーアンバーとも言うべきトーンで統一され、レト・アトレイデス家の星の中世イングランドのような色彩と対比を成すDUNE/アラキスの砂漠の色彩が美しい。
主人公ポール役はティモシー・シャラメ。そのエキゾチックで甘い顔立ちで、トレーラーを見た時には線が細くね?と言った印象を持ったが、それは見誤りだった。何よりストーリーが進むにつれ、成長してゆく様を見事に演じきり好感が持てた。細かい設定もほぼ破綻なく作られており目の肥えたハードSFファンも満足すると思う。
まぁデビッドリンチ版を初めて観てハマった僕としては、あのフリーキーでキンキーな雰囲気と仕上がりは嫌いじゃない(むしろ大好物w)スティングのセクシャリティもだれにも治せない宇宙一のデキモノも最高じゃないか!ww
…でもあの尺でストーリーを無理くり収めたから所々背景をナレーションで説明しなければならなず陳腐になったのは残念だった。今ならデルトロ辺りに撮って欲しいかなと思ってたのだが(決してシャマランではない!)
横道にそれたが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の誠実な作りは、この話にはハマったと思う。まぁ映画「メッセージ」を観てたので、なんとなく期待はしていましたが。
ここでひとつ鑑賞のアドバイス。僕は残念ながら今回は上映回の関係で鑑賞出来なかったが、観るならばぜひIMAX上映で観た方が良いと思う。いや、むしろIMAXで観るべき流麗な映画だと言っておきたい。僕もIMAXでもう一度観直したいと思っている。
さぁこれからいよいよパート2である!刮目して待ちたい。
> 目の肥えたハードSFファンも満足すると思う
ですよね。俺って、宇宙西部劇「スターウォーズ」好きでして、本作や「メッセージ」は、「うわ、重厚だな」って、つい言っちゃうタイプです。そんな俺でも、パート2は観たい。そして、このレビュー読んだら、いっそう思いは強くなりました。絶対に観たいです。
豆腐小僧さん、はじめまして。もーさんです。フォロー有難うございます。『メッセージ(ARRIVAL)』が凄く好きなので『DUNE(Ⅰ)』もとても期待していたのですが“映像美は凄いけれども気勢の上がらない話だな”とレヴューに書いてしまいました。その後に原作を読んで“気勢が上がらないのもしようがない。陰謀にはまって負けてしまった部分の映画化だもの。これから逆襲していくⅡ、Ⅲ(監督は三部作にするつもりのようですね)が楽しみ”と期待しています。有難うございました。よろしくお願いします☺