悪の偶像のレビュー・感想・評価
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プロットが良くできている。
最初から暗く、韓国映画らしい嫌な匂い(貶している訳ではない)が画面の向こうから伝わってくる作品。プロットがよく出来ていて、登場人物がどんどん増えていく。注意して観ていないと人物の関係を追えなくなってくるかも?島国の日本でも不法滞在者は問題になっているが、韓国は陸続きなので日本とはレベルが違うのだろう、最近の韓国映画では必ずと言って良いほど不法滞在者の話が出てくる。今回は北朝鮮からではなく中国から。主人公の1人の議員の姉の口を借りて中国からの不法移民に対する不満を述べさせているが、相当な社会問題になっているようだ。長さを感じさせないスリリングな作品だった。原題のIdolとは勿論議員の事を指すのだろうが、タイトルとして相応しいかどうか疑問。
詰め込み過ぎの中途半端
息子のひき逃げを隠蔽した後の知事候補の父親と被害者の父親の関係がどうにもわからない。いくら息子の嫁を助けるための裏取引とはいえ、選挙の後援会に入って応援するのは理解不能💦
その嫁が凶悪で、それで1本映画が撮れそうだけど、姉に過去に火傷を負わせた経緯とか、結局殺してしまった理由とかの説明がもう少しあってもよかった。
嫁が監禁されて逃げた後に警官を人質にとって耳をかじってた?のはなんで???とこれが1番の謎!
最後に殺した男との関係もよくわからないし、結局お腹の子供の父親は誰なんだ??????
ソル
ギョング。ある時期から、韓国映画における中国人の扱いが露骨に悪役に仕立て上げられてて気になる。
それまで、北が担ってきた役柄が、中国人に与えられるように。手がつけられないバーバリアンのイメージ。
実際に韓国で社会問題化しているんだろうが、皆大抵、中国東北部出身で、今回はより具体的にハルピンじゃなくなてエンペン。なんだろう、アメリカ/メキシコに置き換えた時のフアレスとか、そんな扱いなのか。皆、狼の毛皮着て、トンカチで殴ってくるみたいなイメージを背負わされている。なんとも微妙だけれど、日本映画の敵は大抵日本人、もちろん初期の三池崇史はもう少し広いアジアを描いたりしてたけど、だって事を考えると、韓国映画は当たり前にだいぶ先に進んでてすばらしい。
ハン・ソッキュvsソル・ギョング
と見せかけて。
いきなりのあのモノローグでうへえとなるが、違和感を放置しておいたら、あの回収にオオッと唸らされる。
ただもう少し整理して組み立ててあれば、もっと驚いたかもしれない。とはいえこのくらいの説明しなささはよい。最後えげつなく映すかと思ったが。
ソル・ギョングを覚えた。
【”様々な怪物。そして、偶像に魅入られる群衆心理” 複雑なストーリー展開に翻弄されるが、クライム・スリラーとして見応えがある作品。】
ー 轢き逃げ事件をきっかけに、被害者の父と、加害者の父の立場が、中国からの不法入国者を絡ませつつ、二転三転する先の読めないストーリーに翻弄される・・。ー
■様々な怪物
・何といっても、知的障碍者の夫ブナムをひき逃げされた妻、不法入国者のリョナ(チョン・ウヒ)であろう・・。自分第一で、不法入国を隠蔽するためには、手段を選ばない。
同じ、不法入国した女性が先に結婚したという理由で、顔に火傷を負わせるし、不法入国を斡旋する男や、自分の出身地を罵倒した、ミュンフェの母親に対して行った事。そして、ミュンフェの妻とミュンフェ自身に対して”ガス栓を開いて”行った事。
・ブナムをひき逃げした息子を庇う、次期知事選で有力視される市議ミョンフェ(ハン・ソッキ)。
穏やかな顔をしながら、知事選を勝ち抜くために、手段も、殺人も厭わない。
今作では、様々な”悪の偶像”が描かれるが、ミュンフェは分かりやすい”悪の偶像”として描かれる。ラスト、リョナの行為により、火傷を負った彼の演説に聞き入る観衆の姿・・。途中から彼の言葉は、韓国語ではなくなるが、観衆は彼の演説の後、万雷の拍手を送る・・。
怖い、怖い・・、秀逸な群集心理を描いたシーンである。
・ブナムの父、ユ・ジョンシク(ソル・ギョング)。
知的障害の息子をひき殺されながらも、ミュンフェの市議選の活動に協力する・・。
ミュンフェの”悪の偶像”に魅入られた男であろう。
彼の、虚無的なモノローグ
”俺は悪い病に罹った・・。気が付かなかったのは症状がなかったから・・”
は印象的であるし、彼が、イ・スンシン将軍像の頭部を爆破した理由も分かる。
<ストーリー展開の先が読めないのは問題ないが、登場人物間の相関関係や、登場人物の多さが無駄に感じる事や、同じく無駄なシーンが多い部分が、少し残念だった作品。
逆に、今作の一番の怪物、リョナがなぜあのような人物になったのかを、もう少しきちんと描いてくれると良かったかな、とも思った作品。
だが、市議ミョンフェを演じたハン・ソッキの何があっても穏やかな表情を崩さないところや、愚かしき父、ユ・ジョンシクを演じたソル・ギョングの演技は、流石であった・・。>
結局よく分からなかった
ずっと分かろう分かろうと見たが、結局よく分からなかった。
テーマは分かるし好きだが、物語を捏ね過ぎてね?
ハンソキュには珍しく凡打かな。
悪いけど人の名前の性別からして分からんのよね。
猛省を。
二大巨頭
韓国映画/ドラマを支えているのはスピードだと思う。
オンデマンドで、面白そうなドラマをみつける。
1話レンタルが200円だとする。
まあ、いいか、と思って見始める。
2話ばかり見たところで、下へブラウジングしてみる。
なんと、ドラマは150話まである。
視聴をあきらめる。
もしくは3話~149話を飛ばして150話を見る。
この多作は、スピードがなければ、成り立たない。
日本の俳優が、韓国の作品に出たあと、その速さを述懐するのは、無理からぬところがある。
もっとも100話を超えるようなドラマは、韓国人が得意とする恨(はん)と逆転人生をあつかう、ベタでお涙な昼メロであって、1話と150話さえ見ればその道中は頭で補完できる。かもしれない。
おそらく映画も速撮りであろうと思う。
はたして韓国映画が、速撮りなのかどうか、具体的な根拠はないが、ネットフリックスで見た韓国映画──狩りの時間や鋼鉄の雨や麻薬王や人狼、サバハなど、すべて長尺で、かなり混濁した内容を持っていた。濃いうえに、クオリティも高い。かんぜんな凡打はなかった。
コンテンツ大国と化した韓国なれば、その濃さを、あるていどのスピードで捌いても不思議はない。ゾンビ映画、生きているは状況を特化した、かなりスピード感のある仕事だと思った。
悪の偶像も143分ある。
難解なストーリーではないが、人物交叉は複雑で、凝った話である。
こだわりも顕著にある。圧倒された。
人はその人なりの法則をもって映画を見る。
誰某が出ているから見る──が各々あると思う。
個人的に、この映画は韓国映画なら見るとソルギョングなら見る、が重なったうれしい発見だった。
監督をしらべたらハンゴンジュという映画を撮っていた。
じっさいにおこった少女にたいする非道な暴行事件にもとづいた映画で、記憶も強かった。
映画は、ばりばりの韓国ノワールである。
ハンソッキュとソルギョング、巨頭どうしの共演は、個人的な記憶でははじめてだった。
ソッキュは裕福な議員であり、ギョングは底辺感のある庶民だった。
まいど感心するが、なにしろ韓国映画は底辺の人間の描き方がじょうずだ。
わたしも低所得者層なので、あまりひとごとのように底辺底辺言いたくはないのだが、一般庶民よりもひと/ふたまわり教育程度のひくいDQN風味のある人間像が、韓国映画ほどじょうずな映画はない。
パラサイトにもあるが、中産階級の人間が、塩をまきたくなるような、低層のDQN風味。得体のしれない感じ。
わたしは中産階級にのぼりつめたこともある底辺のにんげんなので、その感じがよくわかる。
映画は韓国ノワールのお手本みたいに進む。が、話はけっこう沈殿してくる。カットも凝っているし、力量も熱量もすごいが、筋書きに簡潔化がほしかった気がする。しかし労作だった。
ところで、わたしはながいことハンソッキュの魅力がわからなかった。
ソルギョングならばペパーミントでもオアシスでも、見たらすぐにわかる。魂の俳優だと思う。
だが、ソッキュのばあいシュリを見てもよくわからない。特異な俳優だとは思う。イケメン流行りの韓流において、主役格でありながら、わたしの会社にも町内にも、鏡のなかにもハンソッキュみたいなひとはいる。
だが、ソッキュには親近感があまりない。八月のクリスマスを見てさえ、なんかどっかうさんくさい。非イケメンだから──ではなく、ガンホみたいなダイナミズムがあるわけでもないし、演技にしても、巧さを判断しかねる。
総じてヤな奴が似合うわけで、かんがみるほど不思議なスターダムだった。
それでも悪の偶像を見ると、富者の理知と冷然みたいな雰囲気が、とてもじょうずだ。
たとえるなら、世間ずれした悪徳刑事、男尊女卑な感じの亭主、二枚舌の検事か弁護士、博愛を装っていながら実は薄情な企業人──ヤな奴ばっかりだけれど、そこで光るなら、それは確実に魅力だと感じられた。
分かりにくい。
全く予想も出来ない展開と結末だったけど、
僕が見たかった結末ともまた違っていた。
と言うのも、
轢き逃げした息子の父親と被害者の父親が、
真実を巡って、いなくなった被害者の妻を探すと
と言う展開に、
父親同士の駆け引きや衝突があり、
二人の話に周りが絡んで来るのかと思っていたら、
その妻がとんでもない奴で、
そいつに振り回される後半に、
見たかった物と違って来たな…と
全く予想も出来なかったけど、
それが面白いかと言うとそうでもないなと思ってしまった。
話は思ったほど難しくなかったけど、
場面転換?編集が凄い分かりにくかった。
どう言う事?と思ったところが多々あった。
妻がヤバい奴だったら、
早いうちからバッタバッタ人が死んで行く話が良かった
なと思いました。
浮かび上がる悪
殊に映画などで描かれるクリーンな議員には敵や問題が多い。
政敵、身内の裏切り。家族の問題。本作の場合、後者。
次期知事選出馬も期待されるほど人気の市議会議員のミョンフェ。
ある夜帰宅すると、息子がひき逃げ死亡事故を起こした事を知る。
苦渋の決断で明るみになる前に、遺体を現場に遺棄し、息子に自首させ、自身も責任を取って出馬を断念。
これで全て事なき終える筈だった…。
被害者の父、ジュンシク。
やり場のない悲しみと怒りをミョンフェら加害者にぶつける。
そんなジュンシクが思わぬ言葉を発する。
「嫁はどうした!?」
嫁…?
被害者には妻リョナが居たのだ。
事件当日も一緒だったという。
ジュンシクはリョナを捜す。
調べる内に、リョナが妊娠している事を知る。
身を案じ、捜し出して、無事でいてくれたら。
一方のミョンフェにとっては…。
完璧に隠蔽した筈だった。
そこへ突然現れた“目撃者”。
またしても窮地に立たされる。果たしてそれは、息子の身か、自分の政治的立場か。
一刻も早く見つけ出さなくては。
ありがたい事にこういう時、政治家の周りにはその筋の連中が群がってくる。
見つけ出し、そしてその時は…。
加害者の父と被害者の父。
一件のひき逃げ死亡事故が二人の父親の運命を交錯させ、狂わす…。
ハン・ソッキュとソル・ギョングの韓国2大名優のケミストリーも素晴らしい。
個人的には、ジュンシク役のギョングの哀愁漂うやるせなさに一票投じたい。
平凡な一庶民ながら、自分の足でリョナの行方を捜すジュンシク。
クリーンなイメージは何処へやら、何をしてでもリョナを捜すミョンフェ。
先に見つけたのは、ミョンフェ。
再び決断迫られる。
身の保身か、それとも…。
選んだのは、彼の中にはまだ、罪悪感はあった。
ジュンシクもリョナと再会。
ジュンシク自身も事故当日の事を調べ、リョナの証言から不審を募らせ、これは単なる事故じゃなく隠蔽含みの殺人だと確信する。
が、ジュンシクには弱みが。
リョナは不法滞在者。現在収監中で、送還されてしまう。
これを何とか出来るのは“政治的な力”…。
ジュンシクはミョンフェが政治の世界にカムバックする為に一肌脱ぐ手伝いをする事に。
例え不条理な事が起きても、弱者は強者の前に膝を屈するしかないのか…?
加害者の父と被害者の父が対する話と思っていたら、
不条理な格差社会や、ダークで濃密で不穏なサスペンス・ミステリーも盛り付け。
また中盤から、ある人物の存在が非常に大きくクローズアップされてくる。その謎、過去、周囲で起きる不審死…。
ハン・ソッキュとソル・ギョングの二人に圧倒される筈だったのに、その人物の怪演に戦慄させられてしまったほど…!
たった一件のひき逃げ。
…いや、そうではない。
人が死んでいるのだ。
二人ともう一人の心の中を悪を浮かび上がらせる。
それは産まれ持った元々のものか。
悲しみからの凶行からか。
それすら利用してのし上がるのか。
現実か、成れの果てか、偶像かーーー。
タイトルなし
こちらも会社帰りに鑑賞。これは金曜の疲れきった時ではなく、休みの日にじっくり観るべき作品でした、、
ある事故の裏に潜む闇がまぁ次から次へと展開していき、1+1が2にはならないことが多くてなんとももどかしさを覚える作品。
こういう作品はシンプルに捉えるのがいいのかと思い、父と子の話しなのかとも考えたけれど、それだけではない何かがあって未だに咀嚼出来ていません。
ソル・ギョングもよかったしチョン・ウヒの凄まじさよ
讃美歌と首ぐるりが特に好きでした。
時間が許せばもう一度観たいなぁ
怖い❗️怖い‼️
久しぶりに定価で映画を観た。しかも、隣町まで行って…。正直、つまらなかったらどうしようかと思いながら、観に行った。
元は、ひき逃げ事件の加害者の父と、被害者の父の話…なのだが…。怖かった…。観終わった後、身震いした。最近、観た、どの映画よりも、ある意味、怖かった。こんなにも殺人者だらけの映画も珍しい。まあ、この事件の殺人者はこの人で…、この事件の殺人者はこの人で…と、一つの作品に、いくつもの事件が組まれているから仕方ない。事件を、一つ一つ、紐解きながら観ていた。
最初から、すごいナレーションで始まった。誰のセリフ?と思いながら観ていたけど、まさか、あの場面に繋がるとは思いもしなかった。でも、悪くない。
ソル・ギョング、どこかで観たことあると思ったら、シルミドの人でした。あの時も、なんでこんな無名な人が主演なんだろうと思いながら観ていましたが、私が知らないだけで、有名な方なんでしょうね。当時は、スキージャンプの荻原兄弟に似ていると思って見ていましたが、今回は、お笑いのヒロシにも見えるし、ディーン・フジオカにも見えるし、いろんな顔を持っている人だなと思いました。
遠くまで時間をかけて行き、定価で観た映画でしたが、損はしなかったと思います。
一番悪いやつはソルギョング?
前半は面白かったです。ハンソッキュの息子が殺した(と思われた)障がいの男性が生きていた事を車庫のカメラで発見したあたりはドキドキしました。しかしなぜか話は中国人不法滞在者の女の復讐劇となり、なぜか彼女の姉夫婦が惨殺され、何者か不明のマッサージ客が殺され(黒幕?)話が散らかったまま終了しました。韓国映画らしい精肉店のシーンやホラーかミステリーかわからない雰囲気は好きでしたがもうちょっと納得いくストーリーにして欲しかったです。
正解が分からないのもよい
飲酒運転の若者が起こしたひき逃げ。
加害者の父は将来を嘱望される政治家であり、自分の地位を守るため、誠実に謝罪するふりをしつつ息子の罪を隠ぺいする。
被害者は知能が4歳で止まってしまった20代の男である。息子を失った父親は、息子と一緒にいたはずの嫁を探す。
中国から来た不法移民である嫁が姿を見せ、さらに、嫁を追って中国から来た男が登場すると、物語は暴力的に血なまぐさくなる。
韓国ノワール。容赦なく生々しい。
偶像とは誰のことだろう。見終わってもよく分からない。
息子の罪を隠した議員を指すのか。息子を失った父親のことか。あるいは父親たちを圧倒してしまう嫁か。
自分の読解力のなさは棚にあげて言うが、物語の正解が分からないのもよい。
モヤモヤする
長いわりに引き込まれていたのだけど、最終的に謎が放置されすぎでモヤモヤする。シナリオが雑ではないだろうか。議員が嫁を拉致して恫喝していた意味が分からない。物語の都合上必要で、無理矢理構成したように見える。お父さんを選挙参謀にする必要もないし、その会食に嫁を連れてくる必要もない。嫁のモンスターぶりも取って付けたように感じる。
病み&闇
全体的には消化不良。しかし演技力が全てカバー… というのもみんな病んでいる。病み(闇)演技は素晴らしかったです!
金髪のお父さんは『殺人者の記憶法』の人だし、あの嫁は『コクソン』の怪しげな女だし…そりゃ演技力あるわけです。
人を轢き殺した際の肉が潰れる音、骨が砕ける音はリアルで良かったし、ちょっとだけホラーテイストも良かったです。
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