「彷徨い隠れるおんな達」モロッコ、彼女たちの朝 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
彷徨い隠れるおんな達
カメラが圧倒的に美しく、まるで絵画を観ているみたいでした。あるカットがフェルメールの“牛乳を注ぐ女”に似ていたのですが、何と言うんですかね。月並みですが、女性の撮り方が神々しいです。
モロッコ社会で蔑まれる存在であるサミアが、カサブランカの街を彷徨い、助けを求めてかろうじて応じてくれたのがアブラです。夫を亡くしたアブラもまたモロッコの街に隠れる様に暮らしていました。世代の違うふたりは、教え教えられ助け助けられ、次第に友情が芽生えていきます。
でも、シングルマザーはモロッコでは生活保護や母子手当て等の社会保障はきっとないですよね?モロッコはイスラム圏ですが旧宗主国はフランスです。社会制度にフランスの影響はなかったのかな。日本に住んでいても常日頃思いますが、社会が出産や育児の偉大さを安く見積もりすぎているのは、出産をしない男性が意思決定するポジションにいるからなんですかね。前向きに考えると少しずつ良くはなっていますが。
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