「ムスリム圏の女達よ、手をつないで、と思った。」モロッコ、彼女たちの朝 たこ姫さんの映画レビュー(感想・評価)
ムスリム圏の女達よ、手をつないで、と思った。
夫を亡くしたシングルマザーと父のいない子を産もうとする出産間近の女性、両方とも生き難いモロッコで出会ってしまう。シングルマザーの見捨てておけない人間的な優しさと、しっかり自分の足で立ち自分でどうにかしようと挑む妊婦の両方に共感してしまった。
頑なに生きるシングルマザーと(多分)生き方に柔軟な妊婦が共に生活していく中で互いに影響し合っていく。
出産した後は里子に出すと言う、柔軟だけど社会にあらがいきれない妊婦に、頑なで柔軟性がないように見えたシングルマザーが、後悔する別れだけはするなと説得する。最後はハッキリとした結論が描かれないまま終わる。
ムスリム圏ではまだまだ社会の締め付けがきついのだろう。
遠い昔見たムスリム圏の映画には、男が買春はするのに、生活手段がなく売春しか出来ない女を足蹴にする男が描かれていた。この矛盾を何とも思わない男達が信じられない。
先日ネットでアルジャジーラTVを見ていたら、アフガニスタンの放送関係の女性が3人殺害されたニュースを見つけた。
映画のモロッコはまだましな様子だったが、女性達が手をつなぎ少しずつ生きやすい社会を作って欲しいと強く思った。
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