「うーん、今週の本命枠には来ると思うのだけど…。」耳をすませば yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
うーん、今週の本命枠には来ると思うのだけど…。
今年304本目(合計579本目/今月(2022年10月度)18本目)。
原作というかジブリ作品は知らないほうです。ただ、映画内で参照される「翼をください」は名曲でよく知られているので知っているというレベルです。
映画としてみると、現在と過去(中学生時代)の行き来は激しいものの、そのどちらの話をしているのかは明確なので、「時間ずらし描写」はあるとしてもその混乱は少ないところです。
エンディングの終わらせ方に関しては私も違和感を持ったものの(本命はネタバレ回避、作家の件は結局、新しい作品を書き終わったようだけど、その後どうなったの?)、この部分は余韻を持たせたかった(各自で考えてね)という点にしたかったのだろう、と思います。
もとの「翼をください」が有名な曲であるので映画のストーリーには入っていきやすいし、映画内で触れられている楽器(チェロ)の話も初歩的なお話なので(音楽一般にある程度詳しいならノーヒントでも、なくても「チェロ」を検索して把握しているだけでも全然違います)、そんなに高いハードルは求められないところです。
今週の本命枠といったところでしょう。
気になった点は下記2点です。
---------------------------------
(減点0.3/日本の法律に対する配慮不足)
・ ラスト直前、自転車の二人乗りのシーンがありますが、これは法に触れる行為です。個別の細かい行政法規とはいえ「自転車の二人乗りがダメ」というのは常識扱いな気がします。
ただ、例えば「さかなのこ」であればエンディングロールで「公道ではヘルメットをしましょう」などちゃんとフォローがあったのにこの映画はそれがなく(エンディングロールを最後までみて確認しています)、まぁ常識扱いなのだろうとは思いますが、真似をする方もいかねないので、ちゃんとこういう「身近にある法律の問題」に関しては明確にフォローしてほしかったです。
(減点0.2/イタリアでの女性とのやり取り)
・ 主人公(この映画で主人公を誰にとるかは微妙ですが、作家を目指す女性の方と考えるのが普通)がイタリアにいって、イタリアにいた女性と口論するシーン。ここは英語です。
ただ、この主人公の方って映画内では編集部につとめているなど、一定の国語力はあることはわかりますが、英語力については触れられていません。ただ、イタリアにいる女性と口論するシーンの、イタリア人のセリフはかなり早口で、字幕はかなり意訳されています。性格に聞き取って理解するには一定の知識がいります(語彙的にほぼ準1以上必要)。
一方で、通訳しているシーンとしていないシーンがあることから、この部分に「通訳が挟まっていない」ことの解釈から「理解ができたのか?」とも思えますが、あれを通訳なしで理解するのは結構きついです(事実上準1かそれに匹敵するTOEICのスコア等がないと無理で、その程度の英語力があれば、英語をいかした仕事も視野に見えます)。要は、「多少少しできる程度の英語力程度」ではなかろうかと思え、その前提であの英語によるやり取りを理解できるというのは、ちょっと変かな…というところです(この映画に、明確に主人公が英文学科卒などといった設定が存在しないため)。