「シン・バットマン リターンズ🦇 その伏線本当に回収するんだろうなっ!?」モービウス たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
シン・バットマン リターンズ🦇 その伏線本当に回収するんだろうなっ!?
“親愛なる隣人“スパイダーマンの世界を拡張するダークヒーロー映画「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」の第3作。
血液系の難病に苦しむ天才医師マイケル・モービウスは、治療法を見つけ出すため非合法の実験を試みる。それはコウモリと人間のキメラ細胞を自身に打ち込むという極めて危険なものだった…。
実験によりヴァンパイアと化した元天才医師、マイケル・モービウスを演じるのは『ファイト・クラブ』や「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」の、オスカー俳優ジャレッド・レト。レトは制作総指揮も務める。
モービウスを追うFBI捜査官、サイモン・ストラウドを演じるのは『ワイルド・スピード』シリーズや『トランスフォーマー』シリーズのタイリース・ギブソン。
また、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」に属する『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)より、マイケル・キートンが演じるエイドリアン・トゥームス/バルチャーが登場している。
批評的にも興行的にも惨敗。ネットミーム化してしまい、雑コラやフェイクニュースなどが横行する事態になってしまった悲運の1作。イジりも度が過ぎるとただのイジメである。
世間の評価ほど酷い映画だとは思わない。
「バットマン:アーカム」シリーズ(2009-)や「Marvel's Spider-Man」シリーズ(2018-)といったビデオゲームを参考にしていると思われるモービウスのアクションは高速移動とスローモーションによる緩急が良いフレーバーになっているし、風や音波といった空気の振動をカラフルかつドラッギーなエフェクトで表現するというのも面白い。一部CGにチープさを感じるところもあったが、基本的に映像面にはとても満足している。
ゴールデンラズベリー賞で最低主演男優賞を獲得してしまったジャレッド・レトの演技も、そんなに酷いものではない。確かに少々力みすぎている感はあるが、年齢不詳な彼の見た目はヴァンパイア役にはピッタリ。ヴァンパイア化前と後でガラッと雰囲気が変わるところなんかは見事で、流石オスカー俳優だと唸らされた。
天才故の傲慢さと倫理観の欠如、そして同じ難病を抱える親友マイロとの約束を守るために禁断の術に手を出してしまうモービウス。健康体になった事への喜びと怪物と化してしまった事への苦悩の間での葛藤、そして訪れるマイロとの決定的な決裂…。
導入部分は面白く、なかなかに興味をそそられるのだが、中盤以降は完全に物語が停滞してしまう。同じくヴァンパイアと化してしまったマイロとの対決を先延ばしにするため、わざと同じところで足踏みしているとしか思えない鈍重で薄っぺらなストーリーの退屈さは擁護の仕様がない。
かと思いきや、終盤では恩人と恋人が立て続けに殺されるというあまりにも唐突な展開。いやもう…映画下手かっ!💦
せっかくタイリース・ギブソンを起用しているのに全くFBIチームには見せ場が無いし、ロマンスの組み立て方もぎこちない。キスシーンへの導入部分なんてヘナチョコ過ぎて失笑もの。いくらアメコミ映画だからって、もう少し脚本に力を入れて貰わないと観てるこっちが困る。
ポストクレジットではまさかのマイケル・キートンが登場。すわ、バットマンがついにマーベルに参戦かっ!?次は「バットマンvsマンバット」かっ!?と思ったのに残念ながらバルチャーの方でした。
バルチャー参戦やマルティーヌのヴァンパイア化など、ポストクレジットでめちゃくちゃ伏線を張りまくっているのだが、果たしてこれらが回収される日は来るのか…?
というか、次回作への伏線を張る前に目の前にあるこの作品にもっと力を入れるべきではないですかねぇ…。
ご無沙汰してます。
アクシデント(初歩的な私のミス)で、新規登録しております。
以前のアカウントとの、連携は出来ないので、失礼がありましたら
お詫びします。
宜しくお願いします。