劇場公開日 2022年4月1日

「マルチバース恐ろし」モービウス Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0マルチバース恐ろし

2022年4月10日
Androidアプリから投稿

MCUもマルチバース化に伴い次のステージが見えてきた様だ。ディズニー側がFOXを買収したのも驚きだったが、今現在は「スパイダーマン包囲網」が熱い。ソニー×マーベルの第一弾、「ヴェノム」が大ヒットしたこともあり、更に勢いが加速した模様だ。最近のヒーロー映画は複雑で、このマルチバースが絡むと知らない人はついて行けない、いわゆる「ツウ」向けの大風呂敷作品になっている。そして、本編も2時間半が当たり前の物語、ディズニーの超大作となっているのである。
ところが、本作は104分と手頃な本編であり、内容も分かりやすい物である。殺害シーン等を上手く隠してレーディング対策もバッチリ(?)であり、生粋のディズニーヒーローとは路線を変えているのが明確だ。

身体的ハンデを負う主人公が、強大な力を授かると同時に失ってしまった友情や名誉。これに立ち向かいながらも苦しむ描写等、短いながらもよく分配されて描かれている。割合的にそれらのシーンと直接的にストーリーに関係する部分(要となる部分)の尺が丁度良く盛り込まれている。流石色々な方面から指示があったであろう作品は完成度が違う。だが、長尺に慣れてしまったのだろうか、あっさりと描かれている様に思えてしまう。第一弾であれば125分程の本編でもう少し詳しくモービウスとそれを取り巻く人間模様を観てみたかったと思う。続編が出来るのもほぼ間違いないだろうが、マルチバースとどういう風に絡めて来るのだろうか。

Mina