「新たなダーク・ヒーローは、吸血バットマン」モービウス bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
新たなダーク・ヒーローは、吸血バットマン
最近、マーベルから実写化されるヒーローは、それまでの勧善懲悪な正義の味方という設定から、『デッドプール』や『ヴェノム』の様に、ダークなイメージが強いヒーローを輩出している。そして、またまた、新たなダーク・ヒーロー『モービウス』の誕生である。
『デッドプール』や『ヴェノム』では、血生臭い戦闘シーンも勿論あるのだが、コミカルでウィットに富んだ会話が差し込まれ、思わずクスッと笑えるシーンもあり、軽い感じでストーリーは進んだ。しかし、本作は、最初から最後まで、暗くてシリアスで、サスペンス・スリラーの要素が、重くのしかかってくる作品だ。
また、『モーピウス』は、吸血コウモリからの抽出した血清によって、人間がコウモリの能力を兼ね備え、超人的な力を得ることになる。つまり、コスプレのバットマンでなく、身体そのものが、コウモリの力を有するパッドマンとして、マーベルがDCに挑戦状を突き付けているかのような設定も興味深い。
ストーリーは、幼き頃からの難病を患っていたモービウスが、その治療の為に開発した、コウモリから抽出した血清を自ら投与することから始まる。血清により治癒したが、その代償として、超人的な吸血モンスターと化した悲哀が描かれている。
そもそも、その血清は、同じく難病を患う友人・マイロの治療の為に開発したものであったのだが、マイロは、治癒したモービウスに嫉妬し、副作用の怖さも知らずに、血清を打ってしまう。そして、超人パワーを得たマクロは、これまでの不自由な生活の鬱憤を晴らすかのように、社会への復讐を始め、モービウスと対峙していく運命に…。
主演は、アカデミー助演男優賞にも受賞したジャレット・レト。SFからヒューマンドラマまで、幅広い作品のバイプレーヤのイメージが強かった。最近でも、『GUUCI』での頼りないパオロ役を演じたが、見事な禿げ頭メイクで、最初は、誰かわからなかった。しかし、今回は、迫力ある映像のSFダーク・ヒーローとして、体も鍛え上げ、180度違う役作りに徹していた。
当然、マーベル作品であるから、いつものオマケも驚愕のラストが待っていた。ちょっと小耳に挟んだところによると、『アイアンマン』亡きあと、『スパイダーマン』を中心とした『アベンジャーズ』が復活するような噂も聞いた。もしかしたら、そこに繋がったて行くのかも…と思わせるオマケと共に、新たにもう一人が登場し、意味深なto be continuedであった。