劇場公開日 2022年4月1日

「「ソニー×マーベル」による「スパイダーマン」シリーズにつながる新たなキャラクターの誕生と葛藤を描いたダーク・アクション映画。」モービウス 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「ソニー×マーベル」による「スパイダーマン」シリーズにつながる新たなキャラクターの誕生と葛藤を描いたダーク・アクション映画。

2022年4月1日
PCから投稿

「モービウス」は、「コウモリ」の血清を投与するという危険な治療法から生まれたため、コウモリつながりも含めて「バットマン」と似ている面を感じます。
ただ、「モービウス」は「バットマン」とは違い、人間から異形なものへと変身するので「ダークさ」はこちらの方があるのかもしれません。
本作はジャレッド・レト扮する天才医師マイケル・モービウスが、幼い頃から血液の難病を患い、同じ病に苦しみ続けている兄弟のような親友マイロのため、自身を実験台に使って禁断の治療法を試すことになります。
結果的に、超高速飛行能力などの超人的な能力が備わる一方で、コウモリと同様に人の血を欲するようになり、「命を救う医師」が、「命を奪う吸血鬼」になってしまう葛藤が「モービウス」というキャラクターの造形を深くしていました。
さらには、危険すぎる治療法のため親友マイロのことを考え、使うことができず対立などが生まれます。
コウモリの特殊能力である超音波の反響を利用する「バットレーダー」で瞬時に周囲の状況を感知する際の映像表現や、超高速で移動する超人的なスピードで飛行能力を発揮するシーンなどでは「マトリックス」のようなアクションシーンが見られたりと見応えはあります。
ただ脚本が上手く機能していないのか全体的に断片的に思え、どこか盛り上がりに欠ける印象を持ちました。
このところのハリウッド映画では2時間半~3時間くらいが標準になりつつある中で104分という上映時間は魅力的でもありました。
とはいえ、あと16分を使い2時間で深い物語を見られた方が個人的には良かったです。
いずれにしても、ラストも含め今後が楽しみになる作品でした。

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細野真宏