劇場公開日 2021年1月22日

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「原作をこよなく愛する者です、怒り再燃」さんかく窓の外側は夜 rimami8さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0原作をこよなく愛する者です、怒り再燃

2021年7月24日
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鑑賞方法:映画館

原作をこよなく愛する者です。
公開初日、仕事終わりに駆け込みました。
今更ですが東京オリンピックの開会式見て
この映画観た時の感覚が重なったので
(血管の紐のせいかも)
鑑賞直後に書いてそのまま投稿してなかった
レビューを投稿します

脚本に原作愛を感じない

脚本家は元々自分の世界観の強い人で、映画化にあたり興味の無い原作を無理矢理読まされたのではないでしょうか。

ピックアップするところがおかしい。
断片的にするならするで
原作はあれだけ登場人物の沢山の秀逸な台詞が軸となり進んで行く名作で
絶対にピックアップするでしょうという各場面の核になるセリフをすっ飛ばして、安直ホラーな映像で観客を引き込もうとするからB級オカルトになってしまった。

そもそも冷川の能力は「祓える」ではなく「壊す」!
三角の能力は「視える」ではなく「直す」!
言い方を客寄せの為に、祓える視えるでパンフに載せるくらいは仕方ないけど話が進むうちにそこを説明していかなくてどうするのか。
三角の性格を変えたのも良くない。ラスボスの先生を父親にできなかったからなのか、取ってつけた子どもの頃のエピソードつけたせいで局面でハァハァ言って逃げるヤサ男になってしまった。
志尊淳なら、原作のままの、何を置いても壊すのは俺はやりたくない!冷川さんのやり方も違う方法があるだろう!という演技も出来たはずだ。原作キーパーソンの1人母親を名優和久井映見にしたなら、「君の周りは空気が綺麗」な説明くらいあの廃屋に使った要らんオカルト時間削ってでも出来なかったのか。

父親じゃなく貯金箱をラスボスにしたなら、貯金箱の出来る過程を入れなくてどうするのか。先生とエリカが作ってヤクザ君が「コワッ」と言うアレだ。エリカの10秒説明じゃ初見で貯金箱の恐ろしさは分からない。逆に「死ね死ね紐」←やっちゃった。。とか要らんからそれだけで良いのだ。あと半澤さんちゃんと連れて下見に行ったならツバを吐かせて冷川と三角は入れ替わる!志尊淳の冷川も観たかった。事務所に戻って半澤さんはちゃんとクタクタになっていたがそれは何故だと思ってるのか。

心霊バディという仕事を説明するなら
一巻最初の仕事と2つ目の仕事要素はマストだし「見えるものを見ない方が怖い」と「そぉれ!」はやって、あくまで最初の主導権は冷川である説明もマスト。
池の事件の一瞬だけで心霊バディを説明しようとしたとこが、見た目怖がらせインパクト重視映画の証拠。三角「もう、あそこの仕事やめたんで…」て、そもそもいつやってた???

ヒウラエリカの登場は高校の顔ポッカリ事件からめて欲しいし、北川景子を殺した後、銀行の残高を確かめに行かないって何だ。それをやらないで原作に無かったモブ刑事達の連続事件ボード話し合い入れるのは何だ。エリカ説明に「コイツこれ聞こえてないんだよウケるよね」これ入れないのは何故だ。何より冴子を呪わせた時のセリフが違うだろ違うだろー!あそこで「信じてるもの、見つけた」じゃ半澤さんの能力と呪いの関係性から変わってくる。何故原作通り「信じたね」とひとこと言わせなかった?!半澤はヒウラエリカの呪いを冴子愛であの一瞬だけ信じちゃったから効いたのではないのか。

そもそも半澤さんにその前に「信じるよ 俺が唯一信じる人だ」の台詞回しのタイミングもおかしい。あそこで半澤さんが信じてるのは冴子なのに(半澤さんは呪いを信じないという確認の伏線)、セリフ間に変に挟んだ間と場面転換のおかげで冷川を信じたみたいになってて、逆にヒウラエリカの呪いを一瞬信じた場面では信じてるものは奥さんになっちゃってた。
「聞こえてるの?聞こえてるのに?」も何故すっ飛ばした??半澤さんがエリカの黒い声が聞こえるけど効かないように見えなかった。

繰り返しますが、脚本家は映画化にあたり興味の無い原作を無理矢理読まされたのではないでしょうか。

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rimami8