「色々な側面から観られる何度も観たくなる映画」さんかく窓の外側は夜 techikoさんの映画レビュー(感想・評価)
色々な側面から観られる何度も観たくなる映画
怖がりの私はホラーと聞いて最後までちゃんと観られるか心配だったけど、映画が始まり観ていく中で音楽と映像と演出がグロいはずのシーンもまるで絵画を見てる様に感じた。
何なら『霊をこう表現するのか』とマジマジと観察してしまうくらいに。
霊がただ怖く無い様に演出されているんでは無く、霊になって彷徨うしか無かった背景が物哀しさとして感じ取れるから除霊される時には同情さえも感じてしまう不思議な感情になった。
冒頭からそんな事を感じつつ内容に吸い込まれそうになると、ここで音楽とタイトルというまるで今から始まるのはドラマだったっけ?
と一瞬我にかえる…暇もなく!
次の瞬間から物凄い勢いで物語が展開されていく。
原作コミックを読んでいると展開が早過ぎると感じるかもしれないが、音楽や綺麗な映像がそれを嫌な感じにしない。
そして原作には無いシーンが所々に入っている事で早過ぎる展開に自然とついて行けるのが凄い。
そしてこの映画の一番面白いと思うのは、1回しか観ないのは勿体無い‼︎と感じる事。
1回より2回、2回より3回。と何回も観る毎に視えてくるものがある。
そしてあそこに音楽とタイトルを持ってくる意味。
怖いと思っていた霊を、あの少しの時間で人間と何ら変わらない。自分もそうなりえるかもしれないくらい身近な事だと背景をみせる。
そして、いくつも散りばめられた本編への伏せん。
まるで吸い込まれるのはまだ早いと言われているようなタイミングで…最高っ‼︎
そして本編の中で伏せんを回収しつつ、自分の平凡に感じていた日常が、本当に平凡なのか?
自分の見ているものは、見たいものだけなのでは⁇と色々考えるきっかけをもらった。
そう。
私が観たのは自分の日常を改めて見直したいと深く考えさせられるそんな映画だった。