泣く子はいねぇがのレビュー・感想・評価
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ラストシーンが凄い。「そうきたか!」ってね
冒頭からずっと、主人公に説教したくなる感じを覚えながら見ていました。「愛がなんだ」で抱いた感情と同じヤツ。しかし、ずーっと溜まっていたフラストレーションが、最後の最後にぶっ飛びます。「そうか。それがやりたかったのか!」ラストシーンで涙出そうになったよ。佐藤快磨監督のデビュー作、お見事です。新しい才能の登場ですね。
ちなみに、本作はサンセバスチャン映画祭で撮影賞を受賞しています。撮影監督は月永雄太。
ナマハゲ
2024年3月24日
映画 #泣く子はいねぇが (2020年)鑑賞
娘が生まれたのに父親の自覚を持てない #仲野太賀 に妻の #吉岡里帆 は愛想をつかしていた
そんな中、なまはげの全国中継中に酔っ払って全裸で全力疾走してしまう
大人になれない男の青春ストーリー
#余貴美子 さんは、引っ張りだこだな
じれったい
母子家庭とかシンブルマザーが邦画によく登場するようになった昨今、家族と暮らさない父親ってどんな人なのかなという好奇心が満たされるような作品。そしてすぐ満たされるを通り越し、見たくない程になる。
地方の雰囲気を上手く再現している他、俳優陣やカメラワークも抜群に良い。オチも良かった。
特に吉岡里帆さんの存在感に魅せられた。
映像は秋田の景色ばかりで、吉岡里帆さんを見たくてじれったかった。
覆水盆に返らず
ほんの軽い気持ちでした行いが一生の後悔に繋がることはよくあることなのだとおもいます。飲み過ぎも含めて。
実際に起きてから謝ったり反省したりするのではなく、始めからそういう姿勢で大切な人には向き合いたいと改めて感じました。
あの公園はどこですか?
「大人になりきれない、すべての大人たちへ」
まんまとこの言葉に引っかかり観に行きました。
ごく普通の一般家庭に産まれて
そんなに厳しく親に叱られることもなく
真面目な兄がいて
なんの不自由もなく楽しく生きてきた呑気な次男坊が主役。多分。
やることやって子供ができて現実と精神年齢が追いつかない。
今日から父親だとわかっていても慌てず危機感も覚悟もなく
とりあえず出生届けを出して。人に言われてようやく。
で、あの事件。
「若いもんが何考えてんのかわからんよ」
「お前はいいな 好き勝手生きれて」
「凪ちゃんの父親にお前意外でもなれるんだや。仕方ねえけど」
母親、兄、親友、地元のおやっさん、彼女。
周りから散々いろいろ言われて
しかも彼女はもう次の人生をスタートさせようとしているのを知って
ようやく呑気な自分と向き合って情けないのと悔しいのが混ざり合った
多分人生で初めて抱いたであろうこの感情が
心の底から本音の気持ちを絞り出した。
「俺が父親だよっ」
ほんとどうしょうもない時間のかかるやつだけど
その決断と行動力は正解だよ。カッコ悪いけど。
それより、闇サザエの社長?のあと引くセリフとか
その社長の女?が握るおにぎりの場面とか
飲み屋で喧嘩売られた後、キャンディー舐めながら遠くの高層ビルを眺めてた
あの公園の場所とかそっちが気になってしょうがないです。
ひとつの疑問
主人公が海岸の岩場で海に向かってへんな踊りをする(そして双眼鏡で海の方をみる)シーンが何回かありますが、あれが意味が分かりません。見ながらゲラゲラ笑っていました。わたしの推測では、アルバイトの一種だったのだと解釈しています。どなたか、分かる方がいらっしゃいましたら、コメントにて教えてください。気になっていますが、かといってもう一回本作を見直す気もありませんので。
仮面の下の慟哭
親になる覚悟も、大人に覚悟もなかった主人公たすく(仲野太賀さん)の成長の物語。
なにしろラストシーンが素晴らしい。
全てがこのラストに凝縮されている。
多種多様な”慟哭”の表現を観てきたが、こんな表現もあったかと。
このシーンだけでも観られてよかった。
伝統行事「ナマハゲ」についても知ることができた。
”やらかして”しまったたすくが地元に居場所をなくすのだが、祭りとは本来若者が溜め込んだ鬱積を発露する場でもあったのではないか。
たすくがしてしまったことを肯定はしないが、「ナマハゲ」が文化遺産で観光資源の位置づけになり変質してしまったのかと。
”東京”を体現する古川琴音さんも、透明感を抑えた?吉岡里帆さんもイイです。
でも、やはり仲野太賀さんが素晴らしい。
ラストシーンと仲野太賀さんを観るだけでも満足できる映画でした。
大人になれない大人
2021年2月14日@京都シネマ
公開当初から気になっていたが、出不精が発症し、観に行けず断念していたところ、京都シネマで遅れて上映していたので、飛んで行きました。
京都シネマは関西に残る数少ないミニシアターなのだが、お洒落で人気もあるようです。すごく素敵な場所で、私個人としても好きです。
さて映画の感想ですが、とてもよかったです。
日本人に生まれて良かった、邦画っていいなぁと思う作品でした。
いつまでたっても大人になれない主人公たすくが右往左往しながらもがく姿は、観ているこちら側にも伝わるほど痛々しく、恥ずかしくて見れられないという感じでした。
そこがリアルで、仲野太賀はすごい俳優だなぁと思いました。
また、ことね役の吉岡里帆も良い演技で、今までのドラマでの役の雰囲気と全然違いました。もっとちゃんとした映画に出演しているところを観たいと思いました。
特に、最後のたすくがなまはげとしてなぎに会いに来た際の、ガラス越しでの表情の演技は緊張感がすごく伝わりました。
映画の序盤、たすくはへらへらした誤魔化し笑いをする癖がありましたが、自分の生き方やことねと向き合いにつれて、その癖は無くなっていきます。
こういう誤魔化し笑いする人いるなぁと思いながら見てました。
印象に残っている場面は、たすくが幼稚園の参観を覗くシーンです。
自分の娘(なぎ)がいるかもしれないから見てみようくらいのつもりで行ったら、自分の娘の顔が分からないことを自覚し、ことねと新しい旦那が自分の娘をハンディカムで撮影しているところを目撃し、焦り、情けなくなるというところ。(よくあの場所でアイス売ろうと思ったなと逆に感心しました笑)
仲野太賀はこういう場面で、わざとらしくなくリアルでグサっと来る演技をするなぁと思いました。
最後、どうしても我が娘の顔を見たいと、ナマハゲに扮して、ことねの家に行く場面はグッと来ました。
夏井が映画の序盤で言った、ナマハゲは家族の絆をつなぐ役割があるというセリフが頭をよぎりました。
いつまでたっても大人になれなかったたすくがナマハゲで家族を見つめ直し、けじめをつけて、大人になるのだなと。
余貴美子の妖怪のような演技が好きでした笑
誰のなんの
誰と何のストーリーなのか。でも、こんなものなんだきっと。いろんな自業自得の中で人生は進んでいって、でもそれがあたかも被害者のように演技していつしかそんな気になって行く。それで打ちのめされて、そして立ち上がっていく。
実際、大賀の中途半端加減とか、打ちのめされていくところとかがとても良いからこの話はたすくの話として進んでいく。
でもこれ、ほんとは、ことねの話だしナギの話だし、ギバちゃんの話だし、古川琴音の話なんだろうなぁとも思いつつ。
話としてはもう一つインパクトが欲しかったけど、、
娘を見つけられなかった大賀の顔が本当に良かった
観てて少し辛くなることも(秋田県民です)。
自分の知ってる場所が映るかな、くらいのノリで観に行きました。
全体的にダークで、ちょっと目を背けたくなるような日常とか、まあ秋田だし仕方ないよね、ってな場面がいくつかありましたが・・・伝統行事の在り方など、リアルに直面してる問題がさらけ出されてて、秋田に住む人間としては色々考えさせられる映画でした。
閉鎖的な秋田の文化がうまく表現されてる映画かな、と。
個人的には、ババヘラのおばちゃんが「おめ、酒飲んでねべな」っつーシーンで声出して笑っちゃいました(笑)。
保育園に行ったものの、どれが自分の子供なのか分からない・・・あれが切なかった。
ああいう時の太賀くんの表情は秀逸ですね。ナイスキャスト!
演技は素晴らしいんですが、余さんの秋田弁がほんのちょっとイマイチだったので★一つマイナスです。なんていうか~、仕方ないんですが、どうしてもババヘラのおばちゃん達と比べちゃって(笑)。ババヘラの方々は秋田の方ですか?もうホント、訛りが近所のかあさんでした(笑)。
最後のシーンですが、いきなり座敷の一番奥の子供までまっすぐ進んで「なぎーーーーっ!」って叫んだら、普通「え?」ってなるとこですが、そこが秋田弁の「泣げーーーーーーーっ!」とうまくかぶってて、あ、だから「凪」って名前なんだ?!って勝手に納得した私でした。
製作側も演者も全ての人の良さが立っていた
大人になるとは何か。
親になるとは何か。
誰かと共に生きるとは何か。
残すべき文化の価値とは何か。
過ちから許されるにはどうすれば良いのか。
他者を赦すとはどういうことか。
その瞬間選んだのは、自分のためか、他者のためか。
さまざまな問いかけを得ました。
これを、閉鎖的であろう秋田という土地を、文化や方言も含めた形で映画化しているところが、何とも秀逸だと思いました。
脚本もストーリーも配役も素晴らしいし、一人ひとりの「眼で語る演技」が光っていました。「こうするしかなかった」ラストシーン、感動しました。
製作側も演者も全ての人の良さが浮き立つ、素晴らしい映画でした!
なまはげで始まりなまはげで終わる秋田ご当地
2020年映画館鑑賞135作品目
宮城も岩手も上映期間終了
地元秋田のイオンシネマ大曲では今月24日まで上映する粋な計らい
悪天候で一般道の路面状況が悪いなか東北自動車道を北上し北上JCTから秋田自動車道
数多くのトンネルを抜けてやっと着いたイオンシネマ大曲
男鹿市で伝統芸能なまはげに参加していた若い男後藤たすくは妻から禁じられている酒を飲んでしまい大失敗
地元のテレビ局が取材中に酒癖の悪さで全裸になり生で放送され地元は大騒ぎ
妻とは離婚することになり逃げるように東京に移り住むもそこにも居場所はない
妻の父親の死をきっかけに男鹿市に帰り別れた元妻とよりを戻そうとするも結局は覆水盆に返らず
夏井の反対を押し切りことねの嫁ぎ先になまはげとして訪れたたすくは何度も叫んで強引に家に入ろうとする
鬼のような形相のことねだがたすくを迎え入れる
「泣く子はいねぇが!」
たすくはナマハゲとして娘と再会できるのだった
悪友志波亮介のバイトはサザエやウニの密猟
たすくは志波のお手伝い
志波に対するたすくのジェスチャーが面白い
保育園のお遊戯に行っても自分の娘が誰なのかわからないのが悲しい
ダメな主人公に対し女たちはみなズケズケ言うが悪い気はしなかった
余貴美子はもちろんのこと吉岡里帆も良かった
あと岸井ゆきのだと思ったら別人で古川琴音だった
ダメダメぶりが引っ張る
メインの仲野太賀、吉岡里帆と寛一郎がともにいい味を出しているが、4〜5年かけた秋田出身の佐藤監督らの企画のもと、男鹿の風土によるステージがもたらしたものとうかがわれる。特に激しく波打つ海を借景に情緒漂うシーンは圧巻。
仲野太賀が扮する「たすく」のダメダメぶりが、物語りを終始引っ張る。やっぱり男の主人公は出来が悪い方が感情移入しやすく、太賀には、うだつの上がらなさを演じる巧みさが感じられる。特に男性なら共感できる部分が多いのでは。
たすくの娘を育てる「ことね」を演じる吉岡里帆は福祉ドラマ、東野映画や、どんぎつねとURであーる。の印象しかなかったが、少し古めかしい役をしっとりとこなせるのを確認、収穫であった。今のエンタメ界は彼女を上手く活かしていると言い難く今後の展開を見守りたい。
また、たすくの再生を応援する友人役の寛一郎は『一度も撃ってません』以来だが、たすくと言葉を交わす際の独特の間が面白く、ロケ中での男鹿の温泉のミーティングの効果か。たすくが培った活力のマグマが源泉となり、この作品の核となるラストに向かっていく。
さらに仲野太賀の子供の時から交流のある、秋田のご当地俳優ギバちゃんが花を添えるほか(太賀の父が演じた『チョロ』が懐かしい)、母役の余貴美子のババヘラアイスなど見どころが多い。『春』と題した主題歌も効果的に作品全体をもり立てている。
深みが足りない
自分のことしか考えてないやん!たすくは。
作品のなかで、まったく成長してないやん(怒)
自分が甲斐性なくて会わせてもらえない娘に合うために
神聖な 「ナマハゲ」を利用するんじゃないっ!て思っちゃいました。
だから ひとっつも泣けませんでした。
役者の皆様はとても良かったのですが、
脚本に、深み成分が足りないように感じてしまいました。
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