「ダメな男があがく映画にやられがち」泣く子はいねぇが kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ダメな男があがく映画にやられがち
クリックして本文を読む
秋田県男鹿市を舞台に、なまはげ行事に参加していた主人公が経験する様々な苦しみを描く物語。
主人公たすくがとにかく情けないし、ダメな男。酔って裸になって町中を走り回るし、東京に逃げちゃうし、戻ってきても犯罪まがいのことやっちゃうし、とにかくシャキッとしてない。たしかに秋田っていう問題もあるかもしれない。雇用のなさや閉塞感みたいなものも影響しているのかも。とにかく、たすくのダメさ(男のダメさ)を受け入れられないとすべての観え方が変わってくる気がする。
元妻に言われる言葉、再婚相手と仲良さげに話してる姿、そして何より会いに行っても娘の顔がわからないこと、こんなことのすべてが心に刺さって苦しかった。
そして、そんなことがあってのラスト。面をかぶって娘の前で叫ぶたすくの姿に心を締め付けられた。あー、こんな悲しい終わり方あるか。大人たちみんなが笑ってる中、娘とたすくだけが泣いているような結末。ものすごく荒削りな印象の映画だったが、心をえぐられてしまった。
とっても個人的な意見(偏見)だが、この映画は満たされている人生を送っている人にはなんら響かない。今までの人生がうまくいってなかったり、辛い思いをしてきた人間が少しでも救われるための映画だ。
コメントする