「家族(娘)のついでに世界を救い、父との確執も修復しちゃう男の物語。」トゥモロー・ウォー 林檎さんの映画レビュー(感想・評価)
家族(娘)のついでに世界を救い、父との確執も修復しちゃう男の物語。
面白かったです。
30年後の未来に起こる人類滅亡の危機に立ち向かう男の物語。父との確執の修復、家族のために闘う男を描いています。シナリオ的に場面が盛りだくさんで、現代→未来→現代に戻って根本解決、と飽きのこない展開が良かったです。
あとは火山のところの伏線回収が楽しい。あーそこであの授業風景だったのね笑、と。
ただ分かりづらいところもあって、なぜ2022年の人類が選ばれたのかの説明や徴兵される人達の条件説明が後のシーンでされる部分。まぁちゃんと納得できる理由を説明してくれるからいいけど、説明があとだから見てる瞬間は「なんで?」とハテナが浮かんで少しストレスを感じました。物語に集中出来なかった。余分なシークレットにも思えた部分。
好きなシーン。
・25:25 娘・ミューリに徴兵されたことを告げるシーン。
父・ダンは(日本語訳で言うと)「出張」という言葉を使って直接的な表現を避けたのだが頭の良い娘はすぐにそれが「戦争へ行く」ことだと理解する。このミューリの芝居がめちゃくちゃ良くて、目を逸らしてまた土を掘り返す仕草と言ったらかわいいけど悲しいったらありゃしないです。
・58:35 未来で大人になったミューリと再開するシーン。
ファミリーネームが同じと知るところから始まって、あれ?もしかして?みたいな流れが最高。ただ家を、というか家族を捨てて出ていってしまった父・ダンとの接し方に戸惑う部分もきちんとあって良いです。
ただ残念なのはどうしてダンが家を出ていってしまったのか、微妙に分かりづらいところ。未来での戦闘体験からそうなったのだとは思うけど。何の因果か自分の嫌っている父と同じ事を娘にしてしまった訳だダンは。この心情があまり理解出来なかった。実際に戦争へ行って大変な目にあった兵士の話とか、もう少し私が詳しく知っていたらこの辺りの心情をもっと理解出来るのかもしれないなと思った。
この映画ってパラレルワールドが存在する前提での話だから、毒を持ち帰った時点でまた違う世界が分岐するんだろう。滅亡する世界と助かる世界、どちらも存在して、ただ主人公のダンが生きる世界は地球存続する未来が訪れたよってな感じでエンドです。この分岐する世界の話っておうおうにしてややこしいよね。でもそれがあるから面白いんだけど。