「おかえり。ガイリッチー」ジェントルメン にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
おかえり。ガイリッチー
ロックストック&トゥースモーキングバレルズが公開された時、
めちゃめちゃシビレたのを鮮明に覚えてます。
次のスナッチではさらにグレードアップし、
「ガイリッチー」を確立した感じでした。
その後、ハイスピード編集や短いカットの連続、
音楽と映像の融合など、
”ガイリッチーの偽物”がホントに数多く出現しました。
しかし、そのほとんどが似て非なるものでしかなく、
”ガイリッチー節”は長い年月を経て、
逆に古くてかっこ悪くなってしまいました。
さらに残念なのは、ガイリッチー本人が
本家ガイリッチー節を封印され
あのころのスタイリッシュな映像が影を潜めたことです。
そして、時を経て「ジェントルメン」。
冒頭のジュークボックスのレコード、ビールサーバー、
ピクルドエッグのクローズアップからのBGMスタート!
あのころ程スタイリッシュじゃないにせよ、
オフビートの効いた”ガイリッチー節”が帰ってきたと
思わせるには十分なオープニングでした。
まさに「ジェントルメン」。
ロックストック・・・の頃の、ガキに見せるスタイリッシュじゃねーぞ。
紳士のスタイルとはこういうもんさ。
というあいさつ代わりの一発。
内容は当時と変わらず、
脚本のための脚本。
映像のための映像。
で、つまらない人にはつまらない仕上がり。
そしてガイリッチーファンにはたまらない演出。
そればかりか、農場を襲撃した”トドラーズ”のPVは
まさにあの頃のガイリッチー編集そのもの!
というサービス精神!
話の筋から一番遠いコリンファレルが
実は一番いい役!というスナッチにおける
ブラッドピットの立ち位置!
はぁ。お腹いっぱい。
大満足です。
なので、ガイリッチーさん。
もう、”ガイリッチー節”の映画。
撮らなくて大丈夫ですよ。
ありがとうございました。