「重厚と芳醇」ジェントルメン Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚と芳醇
ギャング王ミッキーの副官のレイモンドが、脅しをかけられている探偵と話すシーンで、和牛肉をじっくり焼いて食べていた。この分厚い肉こそが、この作品の出来映えシンボライズしていると感じた。
血が滴るほどの厚みを愉しんだ。
重厚 才覚と腕っ節で財を成したギャング王は、容赦なくチャイナマフィアや悪徳富豪のマシューを痛ぶって屠る。あるいは恐怖で支配する。しかも悠然とだ。気を抜いたら撃たれるんじゃないかとハラハラが続くが、仕掛けは充分だし、優れものの副官はいるし、慌てる必要はない。
芳醇 ミッキーの妻への愛は極めて一途で、素敵としか言いようがない。足を引き千切ってでも、妻を救うために奔走する。頭を撃ち砕かれたチャイナマフィアの血が、妻の頬にこぼれるのは、このシネマでも白眉のシーンに見えた。
もう一つ重厚 殺戮のパワーよりも策謀や胆力で勝負が決まるギャングストーリーだが、何処かに悪同士の強いラインがあると、それはそれで展開をゆっくり愉しめる。つまり、中心人物のギャング王と副官の絆が頼もしい。次回作でもきっと、裏切らない。
チンピラグループのトドラーズとコーチを、牛肉の香辛料に例えるのは容易いけれど、多分、それ以上。ひょいと現れた彼らによって、展開の予測がしずらくなった。最後までこのインストラクターは、ギャング王を裏切ると思っていたが、外れました。
こちらこそ今年もよろしくお願い致します。
はい、バレちゃいました(笑)
薄々そうじゃ無いかなぁと思っていました。
この映画5点評価ですね。
ガイ・リッチー監督の理屈っぽさ炸裂していましたね。