「トリッキーでスタイリッシュ、ガイ・リッチーの本領発揮」ジェントルメン kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
トリッキーでスタイリッシュ、ガイ・リッチーの本領発揮
すっかり悪党面になったヒュー・グラントが、大麻ビジネスで裏の財をなすマシュー・マコノヒー親分の側近であるチャーリー・ハナムに向かって、彼らの悪事を映画の脚本に見立てて語ることで物語は進む。
だが、この進行が最初は辛かった。
主要キャラクターが次々に紹介されるのだが、名前も関係性も覚えられない。
台詞にスラングやダジャレが混ざっているからか日本語字幕の漢字にカタカナのルビがふられたり、画面に文字が表示されるから字幕がそこに乗っかったりして、全くついていけず早々にストーリーを追うことを諦めかけてしまった。
ところが、コリン・ファレルがファストフード店で不良少年たちを蹴散らすあたりからか、格闘技チーマーたちが大麻栽培所を襲撃するあたりからか、エピソードに派手なアクションが織り込まれ始めるとどんどん画面に引き込まれていった。
ナントカ卿の娘救出劇、中国マフィアからの買収交渉劇など、単品でも面白いエピソードが積み上がっていき、グラントとハナムの会話も面白味を増していく。
そして、点と点が線で結ばれるや、見事な逆転劇が待っている。
終わってみれば、実に巧みで、面白い映画を観た感覚で劇場を出られた。
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