「おもしろい構成!だけど掴みづらい。」ジェントルメン きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろい構成!だけど掴みづらい。
期待していたほどハマれませんでした…。久々の映画館での鑑賞だったのでちょっと浮かれてハードルを上げてしまったかも。
まず印象的だったのは、物語の大半がゴシップの記者の回想や想像の映像だということ。これが本作最大の特徴ですね。人物が多く、複雑な話をまとめるにはいい手法だと思いますが、ちょっと掴みづらさを感じました。
鑑賞前にイメージしていた内容とはちょっと違いました。悪人たちが金をめぐって騙し合う話ではあるのですが、話のほとんどが回想であることから、リアルタイム感が少なめ。そのせいかノリきれませんでした。
セリフは好きなところもありましたが、暗喩が鼻につきました笑。汚いセリフも多めですね。
登場人物が多くて関係性を追うのが大変。前半はそういった人物紹介が続くので、展開としては退屈に思うかもしれません。
冒頭で先出ししていた場面に追いついてからは展開が動いておもしろく感じました。
ヒューグラントとマシューマコノヒーは良い演技していたと思います。表情や話し方、振る舞いから、役の人となりを感じました。ヒューグラント、食えないけど憎めない感じの役でおもしろい。好きでした。
マシューマコノヒーはクールながら、強者オーラが素晴らしい。貫禄あります。
チャーリーハナム演じるレイは潔癖っぽい描写が好きでした。タバコの場面とか。ボスの右腕としてあれこれ奔走したり根回しする苦労人っぽさも良かった。頭も切れて、敵に回すと怖い人ですね。
役回りとしてはコーチがいいとこ持っていきましたね。生徒もあわせて、ボクサー強すぎか?という活躍っぷり。カタギなのに彼らが一番凄くないですか?農場襲って勝っちゃうし。車の後部から銃乱射はフレッチャーが話を盛った可能性もありますが。MV的なヒップホップシーンも好きでした。ダサ格好いい曲。エンドロールで全編聴けて嬉しかったです。
群像劇かつ登場人物がほぼ悪人なので誰の視点で見たらいいのか掴みづらく、感情移入はし辛いかなと思います。キャラも皆あまり立っていないので…。レイとコーチあたりが応援はしやすいかと。個人的にはフレッチャーの一人勝ちが見たかったですが笑。私は感情移入できる作品が好みなので、そこも合わなかったです。
終盤だいぶ展開が早いです。畳み掛けてきます。個人的にはもう少し引っ張って、誰が勝つんだ…?を考える間がもっとあった方が良かったかも。
理解した状態でもう一度見たら、もう少しおもしろさを感じられそうです。
そして終盤目につく『コードネーム U.N.C.L.E.』のポスター。続編待ってます。