「タランティーノ・チルドレン」ジェントルメン 9さんの映画レビュー(感想・評価)
タランティーノ・チルドレン
ガイ・リッチー監督!
クエンティン・タランティーノが好きだったな。懐かしい。褒め言葉として正当後継的な監督といった認識です。
タランティーノ以前以後で、明確に溢れていった「複数の犯罪者達が騙し合い殺し合い裏切り合いをするオシャレなパズル映画」最近は少なくなってたんで嬉しい。
本作もマリファナ王の引退を機に、強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ誌編集長、ゲイの私立探偵、中国マフィア、露マフィア、下町のチーマー、ジムの伝説のトレーナー、落ちぶれたロック歌手、没落貴族の不良娘、チビッコギャング、などなど一癖も二癖もある面々がリズミカルに群像劇を繰り広げる展開。
ただ、人物が多い分ストーリーが簡単過ぎたかな...
狂言回しに話し手がいるなら、叙述トリックを期待してしまうし。何よりシーンの順番を時間順にしない先代からのお家芸も今回は無し。
もっと一度観ただけじゃわからないくらい、ぐちゃぐちゃが良かったけど少数派だと自覚しています!
大麻の合法化....日本でも他人ごとではないですね。
いい加減、芸能人が問題起こす度の『吸いたいだけの賛成派』と『吸ったことのない反対派』の論争にはうんざりですよ。法律やモラルじゃなくて。解禁した諸外国の経済効果や犯罪率や健康寿命推移のデータ、あと実際 交通ルールがどう変わったかを含めたメリット デメリットの話が聞きたい。多くの花農家が利益に気がついて大麻農園に移行したら、日本は色合いは褪せるのかな。
そう考えると、この手の映画に付き物のトリップ描写が不自然なまでに一切排除されているのも、大麻なんて大して良いものでも悪いものでもないんだよというシニカルなメッセージに読み取れる。420しました。