「スタイリッシュで、小気味よいテンポで、鮮やかなフィニッシュ」ジェントルメン bionさんの映画レビュー(感想・評価)
スタイリッシュで、小気味よいテンポで、鮮やかなフィニッシュ
うーんこの感じ、たまんない。初期のガイ・リッチーが戻ってきた。スタイリッシュで、小気味よいテンポで、鮮やかなフィニッシュ。『アラジン』みたいな大作で才能を発揮するのもいいけど、しばらくこの路線でいって欲しいな。
見るからに胡散臭くて金次第で裏切りそうな探偵のフレッチャーが登場。フレッチャーは、組織が世間に知られては困る重要なネタを掴んでいて、ボスの右腕であるレイに2000万ユーロで買い取るように要求する。
フレッチャーが掴んだ事実を話し出すと、過去に起きた出来事がシーンとして差し込まれる。ここからが面白いところで、再現シーンは、フレッチャーが勝手に想像したり、盛った内容も含まれているから、見ているこっちは混乱させられる。さすがガイ・リッチー、単なる狂言回しではない。喋る内容が嘘かほんとかわからないから、伏線回収のカタルシスが最高に高まる。
見どころはいっぱいありすぎて、書き切れないが、ボス役のマシュー・マコノヒーは最高にクールだよね。セリフも仕草もハードボイルドそのもの。マシューやドライ・アイへの決め台詞は、ゾクゾクしすぎて昇天しちゃいそう。昇天するって言えば、編集長へのお仕置きも面白すぎて、こっちもたまんない。
虚実が入り乱れた伏線があちこちに張られていて、テンポも速いから終幕まであっという間。こんな面白い作品が見れて、すごく幸せ。