劇場公開日 2021年5月7日

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「トイレでは靴を脱ぐように」ジェントルメン サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0トイレでは靴を脱ぐように

2021年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

難しい

「クセモノたち」「騙し合い」「マフィア」。こんなにも私が大好きなワードが並んでいる映画が未だかつてありましたでしょうか。予告はマジで面白そう過ぎるし、ポスターの〈ウイスキーに氷の銃〉もオシャレすぎる。
ここまで洋画に期待したのは初めて。
ただ、「騙し合い」という謳い文句に騙されることを最近経験したのでちょっと構えてしまう。プロレビュアーさんの感想や前情報も把握した上で鑑賞。

してやられました。最高すぎます
いやー、これこれこれーっ!!!笑
マジで面白いじゃんこの映画ー!!!

ロンドン暗黒街で1代にして麻薬大国を作り上げたマリファナ王のミッキー(マシュー・マコノヒー)。彼が500億円と言われる麻薬ビジネスを売却するという噂が流れ始め、彼らに一流のワルたちが群がり始める。

役者と音楽が非常に上品。
主演のマシュー・マコノヒーやゲス探偵役のヒュー・グラント、麻薬王の右腕役のチャーリー・ハナムなどのキャラが非常に立っており、素晴らしい演技をしている。音楽もこのロンドン暗黒街にすごく合っている。暴言吐いたり暴力振るったりするのに、それまでもが上品に聞こえる。

しかも胃もたれしそうなくらいボリューミー。
抜けが無い緻密な設計により、散りばめられた伏線が中盤から徐々に回収され始め、ラストには2転3転と話が展開され見事に騙される。裏の裏の裏をかく。やっぱり、騙し合いは最高すぎるぜ!!!

その緻密な設計を理解するにはやはり難しく、一瞬たりとも気を許すことは出来ない。字幕を追いかけ続け、人物設定を把握しながらも、内容を頭に入れていかなければならない。テンポが速く、聴き逃しそうになるが油断禁物。だが「TENET」のような難しさはなく、しかも笑える部分も直直挟まっているので非常に見やすい。

そのためか、おそらく1回目よりも2回目の方が面白いだろうなと感じた。小ネタも多く含んでいるため、内容に集中した1回目と余裕がある2回目とではまた違った面白さが見いだせれるかも。有名映画をディスったりね笑

ただ、爽快感がイマイチ。
「ユージュアル・サスペクツ」や「アイデンティティ」のような衝撃が無く少々物足りない。もっと騙された!と思えるような演出が欲しかった。呆気ない

そして、分かりにくい。
登場人物がどれもこれも同じような顔立ちをしたおっさんなので、見分けが付きにくく分かりにくい。キャラの個性をもっと出して欲しかった。

まぁでも、大満足でした。
初めてガイ・リッチー監督の映画を見たが、すごくハマった。彼の世界観大好きで仕方ないんだが!!

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ワンデーフリーパスポート4本目は今作。
2回目の方が面白いだろうと思っていたので、ワンデーフリーパスポートにて鑑賞することに。

いやー、2回目の方がダントツで面白い!
内容を把握しているので頭を使うことがないし、1回目では気づけなかったことに気づけて2時間かなり楽しめる。

1度理解すればそう難しい話ではなく、だけど緻密な設計には変わりないので2回目でも伏線回収も見応えも完璧で本当に面白い。何故基本2人の会話なのにこんなにも面白いのだろうか。本当にすごいぜ

この映画は上品さに加えて笑えるところが多いのが見どころのひとつ。ユーモアの効いた殺し方だったり、センスのある復讐だったり、とどれも普通だったら緊迫感のあるシーンなのに笑えてくる。

昨夜アラジンが金曜日ロードショーで放送されていたが、今作とアラジンが同じ監督とはとても思えない。なんでなんだろう。この監督は才能がありすぎる。引き込まれすぎちゃう。

という訳でやっぱり面白いジェントルメンでした。
続編待ってます。もうたまりません...!!!

サプライズ