21世紀の資本のレビュー・感想・評価
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まさに「学ぶ映画」!
ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
歴史と政治とそして経済。3つ一緒に教わったような感じ笑。でも経済書を読むよりはわかりやすいし面白かった!私のような経済に疎い(または金儲けに縁のない)人でも見る価値あると思います。
モノポリーのゲーム中の「勝っているとき」、「負けているとき」の心理がなるほど~って思いました。
わかりやすい資本主義の欠点
前半は資本主義がどういう歴史を辿ってきたかのお勉強。
知っていることが多いので、眠くなる。
俄然面白くなってきたのが、つまりは資本主義が腐ったターニングポイントから。
レーガン・サッチャー・中曽根時代以降。
富の集中と、富裕層と貧困層の拡大・分断、独裁的経済支配者の出現、選挙を金で買う腐敗の蔓延。
今に至る地獄への一本道なハイウェイを、実写・アニメを踏まえてビジュアル化。
アメリカをはじめとした資本主義社会は、グローバル化の税逃れを潰して、富裕層から累進的に税金を取らねばならないのに失敗していることをズバリ指摘。
日本の詳細は直接描かれていませんが、小泉政権以降今の安倍政権に至るまで、1990年代に日本がアメリカ式経済を取り入れてしまったことによって、「今まで間違ってましたと言えません」「だって俺たち政治屋富裕層に便利な仕組みだもん」とばかりに、改善する気が一切ないまま来ちゃったことが丸わかり。
長いものに巻かれたほうが楽とばかりに、思考停止して唯々諾々とお上に従っていると、自分が低収入な奴隷層に落ち込んでいて、一生搾取されるだけになると理解できるはず。
右や左の思想とは一切関係なく、純粋に経済・資本というものの、本質的恐ろしさを学べると思います。
これ、高校生や大学生には、授業で見せた方が良いなぁ。
今の日本を考えると…
余計不安が募るばかり。富の再分配は今後数年、日本では有り得ないと思う。日本の現状は1%の富の独占者たちに対して、「No ! 」を突き付ける人たちは20〜30%くらいではないか。大半の国民は何も分からず、ひたすら無関心でしかない。投票率の低さを見れば、暗澹たる惨状だ。貧しさを嘆く者は確かに多いが、投票に行く者は多くはない。その多くはない人たちの中でも、与党やその補完勢力でしかない野党に1票を投じて、元も子も無くしてしまっているのが現実。日本においては、もはや夢も希望もない。破滅の道を転げ落ちて行くばかり…
全体的なクオリティは…
18世紀の産業革命以降の経済史としてのドキュメンタリーの価値はあるかと。時代ごとの映像も豊富。ただ今の世界の分断や所得格差に対して明快な回答を描けているかというと「??」です。エコノミストの悲観的な意見が続き、全体的にちょっと退屈な内容でした。NHKBSの「欲望の資本主義」シリーズのほうが面白かったかも。
コロナショックの影響か満席。映像も音楽も序盤から工夫されている。言...
コロナショックの影響か満席。映像も音楽も序盤から工夫されている。言説はとても理解しやすい。公開されたタイミングもドンピシャなのではないか。映画に携わった人間の知性を感じる。
ブラックスワン - 可能なことから
作中のインタビューで登場するイアン・ブレマーは、世界的リスク・コンサルティング会社ユーラシア・グループの代表だ。
世界的投資会社ブラック・ストーンの副会長バイロン・ウィーンと並んで年頭のリスクやサプライズ予想が世界的に注目されている。
しかし、2020年のリスクやサプライズ予想に、新型コロナウイルス肺炎のパンデミックは予見されていなかった。
そして、先進国の経済だけではなく、世界の社会システムが、新型肺炎によって揺さぶられる事態となっている。
このように、従来の確率論や経験・知識で予見が困難で、いざ起こった時の悪影響が甚大なものを俗称でブラックスワンと呼んでいる。
白だけと考えられていた白鳥に、黒色のものが見つかったことによる、動物学者の受けた衝撃に因んだ呼称だ。
この映画「21世紀の資本」は新型肺炎のパンデミックの前に製作されたものだが、ブラック・スワンばりの、いや、もしかしたらそれ以上の破壊的な状況をトマ・ピケティやイアン・ブレマーが予見や懸念しつつも、彼らは同時に回避する方法も提唱している。
怖いのは、懸念はあっても大丈夫だと思い込んでる人々だ。
その顕著な例が、リーマンショックを代表とする金融危機だった。
大丈夫の裏には、甘いリスク管理や多くのインチキが隠されていたのだ。
そして、映画の前半で語られる18世から続く革命については、格差の拡大と固定化に加えて、実は17世紀に始まった太陽活動の低下による地球の寒冷化が、アイスランド、インドネシア、フィリピン、そして、日本の浅間山などの火山の大噴火で長引き、世界中で発生した不作、疫病のパンデミックも大きな要因になっていたのは間違いない。
これを温暖化に置き換えたらどうだろうか。
ハリケーンや台風、過度な乾燥による山や森林火災は農作物や工業生産にも多大な被害を与えるし、新型肺炎は、労働や物流にも打撃を与える。
また、視点を移すと、米中が貿易で揉めれば揉めるほど、いち早く新型肺炎の危機を脱した中国は、新型肺炎が収まらないアメリカ産の農作物は買いたくないと言い張るかもしれない。
あれほどトランプが熱心に中国に購入をねじ込んだにもかかわらずだ。
武器を使用せずとも、中国の国家資本主義と、アメリカを中心にした自由資本主義は臨戦状態であることは確かだ。これによっても経済は停滞する。
そして、新型肺炎によって突きつけられるコストも甚大だ。
日本は皆保険だが、アメリカは違う。迅速な対策を講じないと何らかの影響が大統領選挙にも及ぶはずだ。
EUにあって緊縮財政を余儀なくされ、極右政党を含む連立政権が率いるイタリアは、中国にすり寄る政策を掲げていたが、あんな小さな国がなのに、新型肺炎の感染者数が中国を上回ってしまって、今後はどうするのだろうか。
EUが安定化基金を利用して、イタリア支援をすると考えられているが、それでもEUより中国と上手くやりたいとは言いづらいだろう。
多くの欧州諸国では、製造業が力を失い、サービス業を国家の主力産業とするところも多い。
その代表は、フランスやイタリアで、観光サービス業の打撃は計り知れない。
観光業への大打撃は、日本も同様だ。
製造業も実際に、それぞれの物作りの現場に影響があるだけではなく、高度に分業化されたシステムは、どこか一国の生産が滞るだけで最終工程が停止状態に陥るリスクを抱えている。
それは、今回の新型肺炎だけではなく、近年のタイの洪水被害でも明らかだったし、日本の地震や台風被害も同様だ。
世界は、今、エッジに立っている。
微妙なバランスが必要とされるエッジだ。
トマ・ピケティが提唱するような新しい社会システムの構築には時間がかかる。
しかし、世界的巨大ITハイテク企業のタックス・ヘイブン課税は比較的容易に出来るのではないか。
仮にアメリカが嫌がっても、今回の新型肺炎で巨額な財政出動を強いられるアメリカにだって動機付けを与えられるはずだ。
実際、イアン・ブレマーやバイロン・ウィーンは、今年、アメリカ国民は巨大IT企業の管理強化や分割により前向きになるのではないかと予想していた。
映画で経済学者が説明するように、世界の資本が、その15%程度しか、事業開発や投資に回されておらず、残りは資本市場のリスク資産の売買の中で、リスク資産の価格吊り上げに利用されているとしたら、利益を税金として徴収し、社会資本の充実に使う方が有益ではないのか。
アメリカで皆保険の導入は困難でも、新型肺炎の感染者の治癒や死亡を防ぐための対策に使うことは可能ではないのか。
それに、今回の新型肺炎は教訓に過ぎないかもしれないのだ。
元々、中国を発生源とする鳥インフルエンザがヒトヒト感染し、パンデミックする事態を想定した対策が必要になると言っていたではないか。
今回トマ・ピケティやイアン・ブレマーが予見し警鐘を鳴らしていた危機が、ブラックスワンによって後押しされた。
これをきっかけに、資本のあり方を考えてみることは無駄ではないはずだ。
僕達には実は、あまり時間がないのかもしれないのだ。
タイトルなし
フランスの経済学者 トマ・ピケティ
日本でもヒットした
2013年出版のベストセラー
700ページを超える「21世紀の資本」
.
この映画は原作本とは異なり
映画「ウォール街」「レ・ミゼラブル」「プライドと偏見」「ザ・シンプソンズ」等も使い
ピケティ本人が出演し
世界各国の歴史を資本の観点から
資本主義についてわかりやすく(?!)
映像と共に映画の中で解説しています
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コロナの影響で世界中の経済が不安定
世界恐慌とか怖い文字も見えてきてる今
原作を読むのは私には無理そうだけど
この映画で
ちょっと経済について学んでみる😁
「経済論文の骨子」の劇場映画かという挑戦に期待!
2/1(土)のTBSラジオの『久米宏 ラジオなんですけど』で紹介されたのを聴いていて「絶対に観たい!」と思いました。この映画を観てからなら分厚い原作を読めそうです。(勿論日本語版です)
この映画が興行的に小さくてもヒットすれば「主張や提言を映画化する」ことが定着するのではないでしょうか? 重要な題材は山積みです。
例えば『21世紀の戦争』『21世紀の国際社会』『21世紀の人生経営』『21世紀の家族』『21世紀の政治』『21世紀の奴隷』『21世紀の宗教団体』•••。
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