「気分が高揚して眠れない程の「夢」」ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
気分が高揚して眠れない程の「夢」
それが「情熱」ってやつでしょうに。
久しぶりの新作インド映画の様な気がします。個人的にはインドバブルは弾けてたんですが、既に。こう言うベタな情熱物語りは上手いですw
7200万ドルの低予算と、15ヶ月の短期開発で、火星軌道上に探査機を送り込んだチームの物語り。前半が少しくもどかしい気がしないでも無いけれど。
メンバーのモチベーションを引き出す「誕生会」でエンジン着火。40億ルピーの予算確保でロケット発射気分。インドらしく歌も挟んで気分上げ上げ。御天道様に焦らされるけど、結局ミッション成功でメデタシメデタシ。
画期的な航法で地球の重力圏を脱出したマーズ・オービター・ミッション。Mangalyaan(マンガルヤーン)は「火星の乗り物」の意味。日本の火星探査機「のぞみ」の打上げは1998年7月。通信途絶で運用を断念したのが2003年12月。インドのマンガルヤーン打上げは2013年。アジアでは初となる大偉業でした。
それを実現したチームの中心に女性たちの活躍があったんですね。ドリームの二番煎じじゃん!なんて野暮な突っ込みする前に、拍手👏
良かった。結構。
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1/11 追記
ちょっと気になって調べてみました。本当のところ、MOMのチームには女性がいたのか?
ミッション成功当時、チームの主要メンバーとしてニュースで紹介されていたのは11人。女性はRitu Karidhal、ただ一人です。
映画の公開に合わせて、何人かの女性の活躍が"behind the story"的に紹介されています。が。やはり、裏若き新人達、ってんじゃなく、キャリアを積んだベテラン揃いだったと言うのが、事実の様です。
☆Ritu Karidhal
航空宇宙技術者でISROのシニア科学者。副官の立場でオペレーションを指揮。
☆Nandini Harinata
20年に渡り14のミッションに関わったロケット技術者。子供の時に見た"Star Trek" に取り憑かれて科学者の道を志したそうです。
☆Anuradha T.K.
空間通信を専門とし、40年のキャリアを誇る技術者。当時、役員のポジションにあった、とあります。
☆Minal Rohit
システムエンジニア。MOMでは、機器開発を担当。アポロ11号の月面着陸の話を父親から聞かされ続けていたそうですが、それが宇宙に興味を持つきっかけだったそうです。
☆Moumita Dutta
物理学者。衛星の光学システムの開発を担当。
☆Dr Seetha Somasundaram
プログラムの指揮を行ったそうで、数々の実験機器の開発も行っていたとの事。1980年にISROに参加。
映画の中で活躍した女性達には、モデルとなる技術者が実在したって事ですねw