ブリング・ミー・ホーム 尋ね人のレビュー・感想・評価
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#72 ひたすら暗い
久々に見たイ・ヨンエは全編ニコリともしない。
一体どうやったらこんなに暗い映画が作れるんだろう?
韓国の閉鎖的な村社会がいかにもありそうでひたすらムカつく。
ミンスは結局ユンスじゃなかったってこと?
ジホの両親は探さなくていいの?
見終わってもなおかつ疑問がいっぱいの映画。
人間とは
韓国映画のひとつの形式、ずっと酷い目に遭い続けるやつ。
とにかく酷い話だし救いがない。クズばかり登場する。弟とかもさ…
だがそこが良い。ビタイチ共感できない連中ばかりだが、人間とはそういうものなのでは?と思える…
ほんの少しの光がこれほどの救いと思えるとは…
瓜にツメ有り、爪にツメ無し
7歳の息子が行方不明になり6年後、当時の自身の心境を後悔しながら息子を捜し続ける母親の話。
それぞれ息子を捜す女医と教師である旦那の夫婦という始まりから、息子の目撃情報を頼りに、私利私欲まみれのマンソン釣り場ファミリーの輩と、せめぎ合っていく母親というストーリー。
早々にユンスがミンス!?っていう流れになるけれど、そこまでやるかと言うほど酷いクソ警察にクソファミリー。そしてなめナメ腐ったいたずら小学生。更には韓国には未だに奴隷制度でも有るんでしょうか?という胸クソ展開。
韓国映画ってこういう煽りは本当上手いよね。
悲しく哀しく憤りを感じる結構キツい展開も待っていて、複雑な心境のクライマックスからのオチは、もしかしたら最高のツッコミどころじゃないですか?
「良かったーと」はならないだろうに。
それをフォローする様なエピローグで少しだけ救われたけれど、個人的にはドップリBADの方が好みだったかな。
ディストピア的世界を象徴する一家に立ち向かう母親
主人公の母親を立て続けに襲う不幸や不条理な展開。もしあの着信を彼女自身が受けていれば…もし彼女が最後まであの場にいたら…そんな「たられば」状態の連鎖に加えて、私利私欲に走る醜い人間描写まで盛り込んでおり、まるでディストピア映画を観ている感覚に。
ホント韓国って、観る者をダウナーな気分にさせる映画を作るのが上手い。
何よりもあの家族の存在感たるや。まさに『悪魔のいけにえ』のソーヤー一家に通じる不気味さ。
そんな魑魅魍魎な一家に立ち向かう母親の姿は、もう一つの“母なる証明”だ。
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