「熱情だけは信じる。」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 Nakashinさんの映画レビュー(感想・評価)
熱情だけは信じる。
1969年の全共闘学生約1000人と三島由紀夫の討論会を軸に、当時のにおいを伝えるドキュメンタリー。
三島由紀夫の肉声を聞いたのは初めてで、ちょっと高めな声。理路整然と文学的な教養を交えて切り込む言論には引き込まれる。
学生の言論にも耳をかたむけ打ち負かそうすることなくユーモアを交えていなしていく言葉のやりとり。自説の論理を行動で体現することにヒリヒリしたものを感じる。
あれから50年、あの熱情は中和されたかのようにふわっとした空気が包むが、熱情自体が現代に消え去ったわけではないと思う。拡散中和されているだけで、みえない部分できっと人は熱情をもっているはず、そう思う。
三島由紀夫が「熱情だけは信じる」と言っていたが、僕はあの言葉がすがりつける唯一のものだったとして、それは現代でもあると信じる。
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