「結局、現状不満打破もがき」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 ytoshikさんの映画レビュー(感想・評価)
結局、現状不満打破もがき
作品に関しては、NHKスペシャルの域を出ずかな。面白かったけど。
蓋を開けてみれば、属国化したアメリカさんの言う通り権力に、我慢ならんという幻想で共通という。
観念か行動かの二元論とか、そういう短絡化した世界で現状不満打破をもがく精神性は未熟。出口を自ら人工的に作り出して飲み込むより、そりゃ他無いよね。
大正的知識人なるものが、知見、専門、身分化した権威など、虚構で力を行使は認めんとする気持ちは分かるけど、オレは行動で責任持ってるというのも、やはりイマイチで、知識や言語記号に依存してるのは、大差ないですよ。
丁々発止の議論は面白かったけど、結局はああやって「スタイル」に飲み込まれた者同士の自分探し。それは三島も楽しかったと思いますよ。
一方は革命で逆転、一方は行動という名の暴力を自他に向ける形しか見つけられなかった。
皮肉にも立場とかプライドがなければ共闘すら可能かもと思わせる、対話、議論、理解が、ここにあった。
そこをきちんと切り取ったという意味で、この作品は十分な価値があると思う。しかしまぁ、おじいさん方はそのまんまというか、変わらない事で。イデオロギーも保守革新?も右左も現存して、大きな枠組みは今も変わらず。そりゃ日本も成熟せず、精神文化も発達しないよね。
学生は、まず何かに染まらないように!不安だけどね。スタイルより自己思考の反証を身につけないと、流行りに流されて何も残らないよ。
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