グッド・ワイフのレビュー・感想・評価
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【”懐かしき想い出。そして一度味わった密の味は忘れられない。””失われた80年代”にメキシコを襲った経済危機の中、マウントを取り合うアッパークラスの主婦たちの姿をシニカルに描いた作品。】
■1982年、メキシコシティの高級地区ラスロマスの豪邸で暮らすソフィア(イルセ・サラス)は満ち足りた生活を送っていた。
そんなある日、ソフィアは不倫の末、裕福な実業家の妻の座を手にしたアナ・パウラ
(パウリナ・ガイタン)と遭遇する。ソフィアは彼女を見下していたが、アナが暮らす豪邸は、周りが羨むほどだった。
そんな中、メキシコを不況が襲い、ソフィアも苦しい経済状況に直面していく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り、メキシコは貧富の差がトンでもなく激しい国であるが、メキシコシティの高級地区ラスロマスは知らなかったな。
確かに、一度だけ仕事で行ったメキシコシティの高層ビル街は東京丸の内のようであったものである。
・今作では、その富裕な暮らし、”密の味”を経済危機によりカードが使えなくなり、小切手は不渡りで使えない中、同じくセレブな主婦の間で見栄を張り続けるソフィアの姿を実にシニカルに描いている。
<そんな中、ソフィア夫婦は高級レストランで”アナ・パウラ夫婦”と食事をするが、お金がないためにデザートを頼まない。
すると、当時の大統領であったロペスが、レストランに入って来るのである。
その姿を見て、セレブの人達は卑しい犬の鳴き声を大統領に浴びせかけるのである。
今作は、メキシコを襲った経済危機の中、マウントを取り合うアッパークラスの主婦たちの姿をシニカルに描いた作品なのである。>
誰よりも前を走ろうとして人生を忘れ・・
映画「グッド・ワイフ」
(アレハンドラ・マルケス・アベヤ監督)から。
「2019年メキシコ・アカデミー賞で主演女優賞など
4部門を受賞した社会派ドラマ」の解説に期待したが、
視聴者の私たちに何を伝えたかったのか、わからなかった。
また、セレブ妻たちのタバコのシーンが多くて、
なぜか観ている私も、煙たくなったことを記しておきたい。
さて、この映画を思い出すために、
フリオ・イグレシアスの歌う歌詞をメモにした。
♪「先を急ぐばかりの人生だった。
一瞬一瞬を生きることを忘れていた。
誰よりも前を走ろうとして人生を忘れ、
ささやかな幸せを忘れていた」かな・・と。
しかしこの内容が、どうして邦題「グッド・ワイフ」なのか、
私の違和感が尽きることはなかった。
さらに、主人公の女性が、母親に言われたセリフ、
「顔を上げ背筋を伸ばして立ちなさい。
あなたは『ソフィア・デ・ガライ』なんだから」の字幕が
どうしても気になって調べてみたら、
「ソフィア・デ・ガライ」は「特別な人間」という意味らしい。
字幕で「あなたは『特別な人間』なんだから」とあれば、
意味が通じたのになぁ、と驚くばかりであった。
最後にロペスに吠えるシーンは面白かったし、メキシコの状況はわかった...
最後にロペスに吠えるシーンは面白かったし、メキシコの状況はわかったけど、凡庸なメロドラマ。二人の女性のセンスの差はよくわかり、面白かった。
グッド・ワイフ
金持ちの見栄の張り合い、私的にはなんの魅力もありません。吐き気すら覚えました。
メキシコ映画なのに、セレブ様メキシコ人とは子供を遊ばせないで。
このセリフには萎えました。
心が。
あんたら金持ちが、そういう格差のない社会にするように貢献しろや。的な。
自慢や見栄はたくさんだなあ。
でも女性から見たら憧れ 一度はこういう暮らしがしてみたいのだろうなあ。
メキシコ版、昼ドラ
ドロドロなバトルを舌なめずりしながら観たいっ!と、期待値が高かっただけにそこまでの盛り上がりが無く残念💦
セレブじゃないから(苦笑)感情移入も共感も出来ないし・・
終幕に経済破綻の元凶である元大統領に犬の泣き声罵声を浴びせる主人公を見て・・
哀れだなぁ~💦と鼻で笑ってしまった
一般人の私でした
1980年代のメキシコシティの高級住宅街に住むソフィアとセレブ奥様...
1980年代のメキシコシティの高級住宅街に住むソフィアとセレブ奥様たちのお話し。
肩パットバリバリのファッションと、手を叩くような音楽が煽ってくるようでそこは楽しかった。
当時のメキシコ経済の浮き沈みに左右され、政治とは無縁なソフィアがあんな風になったのは、ある意味恐ろしさもありましたが。
メキシコの富裕層の主婦たちの戦いを描く、って触れ込みでしたけど、まぁ戦いというほどでは無くて、もっとどろどろにバチバチやっちゃった展開の内容だったらもっと面白かったかも
主人公に感情移入できないから"ふーん"でした。
セレブの妻が時代の波の中でどう変わって行くのか見てみたかったのだが、なるほどねー、そういう生き方しか出来ないんだろうな~と思った。
主人公ソフィアは資産家の生まれで、やはり資産家との結婚を勧められてすんなりとそれに従ったらしい。そして美貌とセンスの良さでセレブ妻たちの中の女王的存在だった。彼女が考えることはその女王の地位を維持して行くことだけ。
テレビが政治や経済の大打撃を放送していても聞き流し、関心がない。しかしクレジットカードが使えない、小切手が不渡りになって少し不安になるが、夫がイラついていてもただ見ているだけ。この期に及んでも、使用人の運転手が口答えしたと夫に訴える。ちょっと地面から数センチ浮き上がったホントのセレブだったんだなと思った。
その彼女が新興勢力の成り上がりの夫婦に女王の地位を奪われそうになる。それでも必死に赤いドレスに肩パットを入れて女王の地位を維持しようと出掛けるが、惨めにその地位は雨とともに流れ落ちて行く。
そして、その後の成り上がり夫婦の子供のパーティーでそれをはっきりと実感する。
そこからどうするかと思っていたら、彼女はなりふり構わずセレブ界にしがみつく態度に豹変した。彼女の超然とした振る舞いを愛した夫はそんな俗物になってゆく彼女を唖然とした顔で見ている、そこで映画は終わる。
まあこれも時代の一面を切り取った描写。近頃BBCのドキュメンタリーを見た。そこに描かれていたメキシコ国境の麻薬カルテルの酷い状況と貧しい人々はこういう時代の流れの結果なんだなーと改めて思った。
予想外に上品で淡々とした映画
珍しいメキシコ映画ということで楽しみに行ってきました。
感想は? ちょっと物足りないかなぁ。
メキシコは憧れの国だし、女性が主人公だし、80年代ファッションも見ものだということで期待していたですが、途中、少々眠気が襲ってきてしまいました。
メキシコの昼ドラマを見たことがあって('Rubi'といいます)、貧しくて美しい主人公ルビーが、美貌を活かし周りを利用ながらお金持ちの男性と結婚し、上流階級へ成り上がるという展開がそれはそれはドロドロして面白かったので、そういったものを期待していたのですが、こちらは淡々とした上品な映画でした。
お金持ちから貧乏人への生活の落差が描かれるのかと思いきやそうひどくもなかったし、セレブ妻たちのマウンティングもそれほどえげつないものでもなかったし(日本人のセレブというほどでもない人でももっと嫌味ったらしい人はいます)、主人公のセレブ妻は夫に楯突くでもなくおとなしく受け入れているし、ラテン系の情熱的なドラマ展開を期待していたら、意外と静かな映画でした。
まぁ、そういうものを期待することがステレオタイプなのかもしれませんね。
でも、メキシコらしさがあまり出ていなかったと思うので、もう少し振りきれてほしかったなというのが正直なところです。
この主人公いけすかない〜
もっとボロクソな目に遭うかと思ったけどそこまでじゃなくてガッカリ。高級レストランの食事はやめないのね、使用人に給料も払えないくせに。子どもみたいな口喧嘩した相手とも仲良くお食事したり、コイツラの仲間ぜったい入りたくない!結局仕事もしたことないニーニャちゃんたちが好き勝手やってるのがセレブの世界なのね。人形の家のノラが何にも気づかずお人形のまま人生を終わる何とも後味の悪い映画でした。面白かったけどね。
貧乏が静かに迫ってくる...
まず同名の日本でもリメイクされた、リーガルドラマ『グッド・ワイフ』とは、全くの別ものである。
貧乏からお金持ちになる映画やドラマも多いが、逆視点となるお金持ちから貧乏になるというパターンも存在している。
この手の描き方として多いのは、ドラマシリーズである。『The O.C.』というミーシャ・バートン主演のドラマがあるが、この中で描かれるのは、富裕層たちの家族や生活事情である。その中で夫が事業で不祥事を起こし、贅沢な暮らしができなくなってしまうという危機感が描かれていた。
『デスパレートな妻たち』の中でもエヴァ・ロンゴリア演じる元スーパーモデルのガブリエラなんかが、同じような体験をしていた。
貧乏からお金持ちになるのは、精神的には簡単かもしれないが、逆パターンの場合は精神的にかなりきついものがある。
成り上がりではない場合、長年…親やその親の世代から続く富裕層の家系であるなら特にそうだ。それまでの概念が打ち砕かれてしまい、それに自分で納得させるには時間がかかる。
設定として、主人公ソフィアは富裕層の奥様方の中ではリーダー格のような存在で、新入りには厳しいが実は無知で世間には疎い。お嬢様として育ってきたから自分をステータスの高い人物にみせることばかりで、セレブのゴシップは気になっても、社会問題など気になっていない。
夫の様子がおかしい…ラジコンで遊んでるし、車をぶつけたりしてヤケになっているし、昼まで寝ているし、酒浸りになっているが、夫が大丈夫だと言っているから、それを信じている。
信じているというよりは、ソフィアは他人事のような感覚でいると言ったほうが正しいのかもしれない。
なんだか大変みたいだけど、夫が大丈夫って言っているから、今だけでしょ…みたいな感覚で相変わらずショッピングはするし、会員制のテニスにも通っている。
しかし、そんなソフィアもクレジットカードが拒否されたり、小切手も不渡りになったり、家政婦の給料が支払えてないことで部屋の掃除がされていなかったりすることで、確実に…資金難に陥っていることが身の回りから迫ってくる。
今まであたりまえであった日常が静かに崩れていく様子をひしひしと描いていて、ゾッとする。
ソフィアの夫が資金難に陥った背景には、1982年にメキシコを襲った経済危機があるのだが、その事情があまり描かれておらず、何が世間で起こっているのかがわかり辛いため、社会風刺としては弱い部分があるし、映画評でもそこを指摘している人が多いのだが、そうなっている理由は、ソフィアの視点で物語が展開されているからである。
世間には疎いソフィアだからこそ、メキシコの経済危機だろうが、大統領が何か言ってようが関心がなく、ただ気になっているのは、自分の生活が保たれるかどうかということ。
成り上がりで、一般人のような崩れた言葉使いをしているアナをバカにしてきたが、自分の経済的転落と反比例するように、存在感を増してくることにも耐えられず、無理に張り合おうと奮闘する様子はコメディ的でもある。
80年代のステータス合戦の象徴的アイテムとして、肩パットがたびたび映るが、ソフィアが肩パットを捨てて、前に進もうとする姿は清々しさもあるが、それと同時にアナの夫であるベトと怪しげな視線を交わすという、シニカルで昼メロのような余韻を残す。
ソフィアがプールの水で体を洗い、意地でもパーティに参加しようとするシーンがあるが、それ以上に自分の世界を守るためなら、何でもする女性であるなら… 続編はないと思うが、あるとすれば次はドロドロ不倫劇に違いない。
メキシコ映画ですか?
確かにメキシコ映画なのだがどこにでもあるお話
経済状態以外でメキシコらしさが欲しかった
しかしこのセレブ、子供を大事にしている風で無く、奥様連中だけで楽しんでるのかな
最後のシーンは大事だと思うがそれから旦那の苦労が始まる様
なぜ、グッドワイフ?
没落して行く様子を淡々と
私はセレブ没落系が好きなので、良い点を付けます。
女性目線の没落が会話から描かれている。
こういう時は、ビジネス側・男性目線を具体的に入れた方がストーリーが際立つと、最初は思った。
しかし、セレブ奥様視点だけで、変わって行く様子を見ているだけでも面白いと感じました。
会話だけで落ちて行く様子が楽しめる。
港区のタワマンあたりでも起きそうな内容。
豊洲のタワマンで起きていたら、それは全員喜劇。
女性は共感できる人が多いのでは?
古今東西、女のマウンティング合戦は変わらないのだなぁと見てました。
そして、女はどうしても選ばれる性、そしてお姫様になりたいって願望は否めません。
舞台はメキシコですが、日本の特に港区(麻布や青山あたり)(とあるメディアでも港区妻って造語があるぐらいですよね)ではこういった場面はあるあるあるでございます。
時代や舞台が変わってもセレブ妻のやっていることはあまり変わりませんね。
今の時代は多くの女性が結婚後も働いていますが、この時代の多くは専業主婦でした。自分の魅力や才能を生かせる場がないのか、彼女たちは夫や子ども、家、車、ファッション、アクセサリーでしか自分のアイディンティンティを確立させる、承認欲求を満たすことができなかったのではないでしょうか。
諸行無常、時代や人の気持ちは常に変化し続けます。その変化にどう対応できるか。
最後のシーンは良かったです。女は強いなと。そして、お金は大切だけどやっぱりお金ではないんだと再認識した作品です。
ああ、もっと堕として!
脚本、監督とも女性。ならではの描写は、舌を巻く。男には描けない重層的な心理戦は、見る価値が充分ある逸品作品だ。若草物語も女性監督ならではの秀作だったが、こちらの映画の方はテーマも結末も吐きそうなほどエグい。嗜虐的な快感も伴うがwww。
会話劇が楽しめないと…
女性監督であり、予告でうたわれてる通りセレブ主婦達の会話劇が終始描かれているためその辺が楽しめずマッチしないと最後まで退屈な時間に感じてしまった。
お金の価値観やら執着心なんかも女性目線でしつこく描かれているため女性は楽しめそうな作品ではないか。
あいにく僕にはあまりピンと来ることはなかった。
内容もそうだがこの作品のあまりマッチしなかった点は、所々流れる音楽に違和感を抱いてしまった。
しばしば流れるボディパーカッションみたいな音楽はあまりマッチしてるようには思えず集中を欠いてしまった。
ただ普段触れることの少ないメキシコ映画に触れる事ができたのは貴重な時間である。
わたくしはセレブざます。
1982年のメキシコ債務危機を背景にした、高級住宅街で暮らす専業セレブ主婦の話。
ギスギス感と脳天気感を感じる主婦仲間のマウンティングトップの主人公。
「メキシコ人とは遊ばないで!」はなかなか強烈。
ある日の会食で彼女にも感じ取れる、異様なやり取りでの旦那の社長就任に少し不安を覚え、そこから次々と金に纏わるトラブルが起きていく。
没落した主婦仲間の例もあり、何が起きているかは判っているけれど、受け入れられないし、受け入れたくないし、見栄とプライドでなんとか保っているけれど、人の流れが変わっていく様は、なんとも惨めでもの悲しい。
特に子供に言われるセリフはキッツイよね。
作品としてどう締めるのか、更に堕とすのか持ち上げるのか、と色々想像したけれど…中途半端な転がし方で、少し物足りなかったものの、ラストの件はなかなか良かった。
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