コリーニ事件のレビュー・感想・評価
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面白い
アマプラで適当に選んでみたけど面白かった。
主人公は何故トルコ人にしたのか?
コリーニを親のように慕う立ち位置のキャラに
何故したんだろう?
と言う小さな引っかかりが、
事件の真相が分かった時あぁなるほどなと思えて
スッキリしました。
コリーニ事件の判決を出そうとする中で、
もう一つの事件の解決にも繋がると言うクライマックス
はゾクッと来ました。
トラボルタに似てるこの目力強い老人は誰なんだろ?
と思っていたら、名優フランコ・ネロ!
名前は知ってたけど、この人かと、
おじいちゃんになっても雰囲気があるのだなと
見入ってしまいました。
しかし、復讐は誰も救わない。
そして親には会える時に会っておけ。
これがこの映画化から教わった教訓です。
”戦犯”という言葉の重さ
暴力は誰の心身にも宿っているのだろう。
ドイツと言う国はやはり大人なのだろう。これ程時が流れ去ってもあの戦争について語り伝える力を持ち続けている。時の流れが全て忘れさせてくれるなど論外なのだ。それほどに過酷な時代を乗り越えようとしている。暴力を人間の中に存在することを否定せずにこの映画は作られた気がする。
死者は復讐を望みはしない。と心で分かっていても身体は言うことを聞かない。殺さずにはいられない。それほどまでに人は人を憎んだりできる生き物なのだ。法廷で権威に溺れ、しがみついた人間の正体を暴いたとしても、被告人の心は晴れないだろう・・・・再生する気力は殺人を犯した瞬間に失せてしまっていただろうに・・・・どんな戦争にだって勝者などいないのだ。
人を殺す。その理由を世間が知ったところでどうなるわけでもないのだ。
哀しみと言う感情は、人それぞれに異なるからだ。
しかし、いつか消え去る時が来るはずなのだ。
故殺、謀殺
奥深し!
一言「奥が深いわあ!」
弁護士になって3ヶ月の新人・カスパーの国選担当案件。
それは自分の恩人を殺害した被疑者・コリーニの弁護。
その恩人は、勲章ももらっている大企業の社長。
現場で逮捕されているので、カスパーのできることといえば、減刑くらい。
がしかし。何を聞いてもコリーニは、一言も口を聞かない。
唯一「弁護士さんに、迷惑はかけたくないんだ」って。
原告の「被告訴訟代理人」には、カスパーの恩師もいて。
敗訴は違いない。
でも、どうしてコリーニは何も喋らないのだろう?。
それがわかるのが後半以降。
そうコリー二には「墓場まで持って行きたい辛い事件」があった。
子供の頃第2次世界大戦=ナチス。ここが話の鍵。
ここからコリーニの印象も、寡黙な老人からガラッと変化。
オセロの石を、証拠を積むことでパタパタとひっくり返す様が。
みてて力が入りました。
事件そのものが実話ではないようですが
エンドロールでは、戦犯の処遇の事実をしっかり伝えてました。
見応えのある、そして新しいアプローチの1作でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「法廷と海は決して侮れませんよ」
法廷ミステリーに収まらない秀作
実業家を惨殺した老人を弁護することになった国選弁護人の奮闘を描く物語。
想像以上の秀作でした。
黙秘を続ける犯人、「謎の動機」がサスペンスの面白さを掻き立てます。そして、意外性のある壮大な動機には驚きを隠せませんでした。
法廷シーンは勿論、動機に絡む回想シーンも緊迫感があり迫力十分。
ストーリー展開のテンポも良く、物語に引き込まれた2時間でした。
少し残念だったのは、「恩人が被害者」の設定が余り効果的でなかったこと。もう一つ踏み込めば、「恩人の仇」を薄給の国選弁護人がなぜ必死に弁護しようとしたのか・・・ここの描写が甘かったように思います。
凶器の判明が一つの転機なのでしょうが、メリハリが不十分のように感じました。例えば、弁護人を引き受けたことへの煩悶、後悔、辞退する具体的な行動、犯人に怒りをぶつけるシーン、無気力な弁護・・・等々、そんなシーンの後に凶器が判明し、子供の頃の記憶が蘇り・・・なら転調が明らかで物語も映えるように思えました。
評価は4.5。4にしようかとも思ったのですが、自国の黒歴史をしっかりと描いたその姿勢に0.5点だけプラスです。
大企業の社長がホテルのスイートで殺害された。 被告人は無抵抗の被害...
「強くなる練習だよ」←最低のセリフ
原作未読だったがこれは読まなければとすぐさま読了した。劇場で観ておくべきだった。
最初は主人公ライネンの物語なのかと思った。恩人を殺した犯人を弁護しなければならない葛藤がメインなのかなと。うんにゃ、そんな生やさしいものではなかった。
クライマックスで現代の裁判シーンと回想の殺害シーンと回想の○○シーンを切り替えつつダブらせる編集はとても効果的で、凄惨な場面だが画面に釘付けになってしまった。
映画版はライネンとコリーニの人物設定や起こる出来事等かなり改変されているのだが、観客の感情により訴えかけるような感じになっていて、悪くいうとウケ狙いもチラつく(ラストシーンはさすがにやり過ぎ)が、独自に仕込んだ伏線や人物で感情移入しやすくなっている。
演者では特にコリーニ役のフランコ・ネロは好演だった。強面の見かけであれは…ズルい。原作は全体的にもっとフラットだが(エモさ控え目)、映画ではあっさり流していた部分が詳しく描写されていたりと、また違った印象だった。
中盤のコリーニのセリフ「永遠にいるわけじゃない」に不意打ちくらってしまい、苦笑いである。
重厚なミステリーに堪能させられた…
すごくおもしろかった。派手さはないが、一つずつ謎が明らかになってゆく過程が興味深かった。カスパーは、最初は全くどう取りかかればいいのかさえわからない状況から、あるものをきっかけにして、その謎への扉をこじ開けてゆく。そこには、被害者が自分の恩人だったことも絡んでくる。そして、謎を解き明かしたと思ったら、また壁にぶち当たる。先が読めない展開。どういう結果になるのだろうと思った。最後はドイツらしい帰結だと思った。アメリカ映画とは違う。でも、私は最後まで観て、ファブリツィオの気持ちが少しわかってきたような気がする。彼は最初は絶望していたのだ。でも、カスパーのがんばりに最後は納得し、思いを遂げた気持ちになったのではないだろうか。背景にすごく大きな問題を孕んでおり、重い内容ではあるが、ミステリーとしてもうまくまとまっていたと思う。
イタリア戦線
根が深い社会派サスペンス
国家を揺るがした世界的ベストセラー小説を映画化した社会派サスペンス。殺人事件の裏側には第二次大戦まで遡る因縁が待っていた。これは単純ではなく、かなり根が深い社会派サスペンスでラストカットは心に刺さりました。
2020-184
新米弁護士のヘッポコぶりも良かった
ぐいぐいと引き込まれます
【”その法の制定過程に瑕疵はないか?” 戦後ドイツが抱える深刻な問題に踏み込んだ意義ある法廷ミステリー。フランコ・ネロの渋すぎる姿と”眼”で演技する姿に魅入られた作品でもある。】
ー殺人を起こしたコリーニが口にするセリフ”欲しいのは正義だけだ・・”が重く響く作品。ー
■今作品に重みがあるのは、
1.新任弁護士カスパーが弁護を担当することになったコリーニ(フランコ・ネロ:渋すぎるし、凄すぎる・・。哀しみを湛えたあの眼がセリフなしでコリーニの哀しみを表現している。)に殺された”被害者”ハンス・マイヤーが且つて、自分を育ててくれた”祖父のような”存在の大企業の社長であり、彼の幼年時の想い出が効果的に劇中に挟み込まれていることで、現在の且つて恋人だったヨハンナ・マイヤーを含めた登場人物に厚みが出る事であろう。
2.そして、その心優しきハンス・マイヤーが第二次世界大戦中に行った所業をカスパーや且つて自らの元を去った父、ピザ屋の店員の”知性ある女性”達の協力の末、明らかにしていく過程。
二転三転する法廷劇・・。
■白眉のシーン
・1968年にドイツで制定された「ドレーアー法」(一部では機能したが、相対的に見れば稀代の悪法。ナチに関わった多くの知識層を救った事で有名。)の制定過程を、コリーニ事件の検察側に立つ、この悪法制定に携わったカスパーの且つての恩師リヒャルト・マッテンガー教授に詰問する場面であろう。
ー若き、法曹界で働くカスパーの苦悩と、自らのリーガルマインドとの葛藤・・。-
<学生時代に叩き込まれた”公平性を保て””疑わしきは被告の利益に・・””三権分立を死守せよ!” ”公権力に屈するな”という数々のを教えを思い出しつつ・・
日本においても、近年、与党の強行採決により、幾つもの悪法が可決されているが、我が国の未来は大丈夫なんだろうな? 現宰相殿・・。>
<2021年5月4日 追記
このレビューを挙げた際の宰相は変わり、現在の宰相は国会答弁でも自ら苦悩する様をつい、口走ってしまったり、先宰相より、人間性が優れている感があった。(個人的意見)
只、最近はイロイロな海千山千の輩から指導されているようで、人間性が薄れている答弁が気にかかる。
トップの政治家は、民の苦しみや悩みを自らのモノとして認識しつつ、国のあるべき姿を見据え、口先だけでなく行動すべきであり、現在のやや迷走し始めた言動は気にかかる。
是非、就任時に口にされた言葉を周囲に惑わされることなく、実践して頂きたい。
更に言えば、日本の宰相は野党の要求に対し、全てを自らの言葉で対応しすぎている。ドイツを見習えとは言わないが、担当大臣にまずは任せるべきである。
野党も、何でも宰相に答弁を強いる姿勢は改めるべきであると、たまに国会の遣り取りを出張途中で聴いていると思うのである。>
悲しく、切なく…でも力強い
親同然に育ててくれた恩人が殺された事件の
犯人の弁護を託された弁護士が、様々な葛藤を
抱きながら、職務を遂行し、
真実を追求するストーリー。
こういった表現は妥当でないと
思いますが、今まで見てきた戦争の
報道写真や記録や映画より、
戦争の惨さを痛烈に感じました。
元は小説でフィクションかもしれないけれど、
惨さだけではなく、戦後の誤ちにまで踏み込んだ、
この作品に、そして映画化すれば全世界の
人の目に触れる事になり、本来なら隠して
おきたい負をきちんと表現できるドイツという
お国柄に感服しました。
戦争ならばどこにでも起こり得る事で、
単なる個人の一件ではなく、
そこからきちんと向き合い、国家の
誤ちを認め、前進する姿は、
見習うべきとも感じさせられました。
悲し過ぎるストーリーの
悲しい結末でしたが、
不思議と救われた思いを感じました。
戦争だけではなく、生き方さえも
考えさせてくれる秀作だと思います。
鑑賞しようかどうしようか
迷われている方がみえたら、
ぜひ映画館に足を運んでいただきたいと思います。
それぞれの正義
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