コリーニ事件のレビュー・感想・評価
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骨太。
一般的に、歴史は風化するという。視覚的なイメージで言えば、75年前に75センチあったY軸の高さが、年月とともに右肩下がりのロングテールな放物線を描きゼロに限りなく近づくように。しかしそれは主観の問題だ。本作品の被疑者の場合、真反対である。おそらくその怨念は時の流れと共にじわじわボコボコと発酵し、真っ当な訴えが悪法に阻まれることでマグマのように煮えたぎり、止める肉親を失うと原発事故のように臨界点を超えた。
歴史を風化させないためには、否、意図的に風化させられつつある歴史を再プリントしてアルバムに貼り直すためには、類い稀なモチベーションと正義感を持ち合わせたプロフェッショナルの力が不可欠だ。そういう意味では本作品内の弁護士がドイツ社会においてトルコ移民の血を引くマイノリティーであることは象徴的だ。もちろん、わが国もハイブリッド社会であってほしいと思う。
あまりにも哀しい社会派サスペンス
味わい深い
サスペンスでも法廷劇でもない
やたら評価の高いドイツ映画。
冒頭におこる殺人事件の弁護を担当する新人弁護士。しかし、被害者は小さい頃にお世話になった人物であり……。
ドイツの法律の抜け穴だとか、法廷劇のドラマとあるので、ドラマチックな逆転劇を期待したが全くそんなものではない。
ラストの判決シーンもかなりの肩透かしだし。
言い方は悪いが、ドイツのドレーアー法とやらに考えさせるメッセージを向けた作品。
濃厚ミステリー。
ドイツの有名な大富豪が頭に3発銃を打ち込まれ、さらに頭を踏みつけられて死亡。犯人はすぐに逮捕されたけどなぜ殺したのかを巡るミステリー。
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その動機は見て欲しいんだけど、ドイツの法律について知識がないとちょい分かりずらいからここに覚書として書いておく。
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ドイツの刑法は謀殺罪と故殺罪にわかれてて、謀殺罪が凶悪犯罪、古刹罪が日本でいう情状酌量がつくような犯罪。日本は情状酌量とかで段階的に罪を軽くできたり重くしたりできるんだけど、ドイツは完全に二つに分かれてるらしい(合ってるかな?)。
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これに関係したある新しく制定された法律がこの事件の鍵になる。これを見ると、憲法改正とかのニュースにちゃんと興味を持たないといかんなと、またケツを叩かれたような気分になったね。
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被害者が事件を担当する弁護士の主人公の祖父代わりのような人で、それとどう折り合いをつけて事件と向き合うかを、もうちょっと詳しく描いて欲しかった。一応貰った車をエンストさせるっていうところがあったけど、ぼーっと見てたからあんまりピンと来なかった(笑).
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ドイツはいつまでもWW IIの悪夢に向き合う。日本はどうだ。
ドイツは国家と国民が存する限り、永遠にナチスの十字架に向き合うのだと思う。
日本は一部の関係者に責任を押し付け、「終戦」で早々に幕引きを図った。
このような映画は日本に生まれないのか。
もし判決がでたらどうなっていたか。
原作を読みたくなった
コリーニの人生を思うと涙があふれる
良い映画だった。コリーニの苦しく孤独な一生がフランコ・ネロの渋い演技で迫ってくる。法廷劇としてはいまいちだが、後半の調査の展開は「どうなるんだ」という面白さがたっぷりあって退屈しない。ピザ屋の店員のおかげもあって映画全体としては重さと軽さのバランスが取れていて、見終わったとき悲しみだけに打ちのめされないのがよかった。それにしても常に「正義」と向き合おうとするドイツの姿勢に比べて日本は…
胸にズンときた
良い人と思っていた人の過去に触れる。
ある人には父であり、恩人である。
コリーニ氏に殺される直前、ハンス・マイヤーは、罪を悔いていたのではないか?
その人を許せなかった自分をコリーニ氏は許せなかったのかもしれない。
正義、罪、償い、世代や時代を超えて大事なものがある。
舞台はドイツ。 弁護士になって3ヶ月の新米弁護士ライネン。 そ...
舞台はドイツ。
弁護士になって3ヶ月の新米弁護士ライネン。
その彼が弁護することになる、ある殺人事件の容疑者コリー二。その事件で殺されたのは、、
全国で20館ほどの上映なんですが、
もっと上映館を増やして欲しいなと思わせてくれる見応え十分な内容で120分があっという間に感じられた作品でした。
フェルディナント・フォン・シーラッハという方の小説が原作。
普段、小説をあまり読まないので知らなかったんですが(活字を読むと眠くなる😪)シーラッハさん、現役の弁護士だそうです。
弁護士と容疑者、そして、法廷。
法廷での、弁護士と検察、相手方弁護士との弁論対決というあたりはよく目にする展開で法廷サスペンスだと思ってましたが、そこに悲しくいつまでも癒えること無い史実が絡み、主人公の宿命をあぶりだしてゆく良質な人間ドラマでもありました。
重厚感もあるんですが、弁護士ライネンが助けを求める人物たちとの関わりがだんだん「チーム・ライネン」になっていくプロットがワクワクさも醸し出していて、作品の背景にある重さとのバランスが取れていて観ていても堅苦しくないんですよね。
それでいて大きく脱線もさせず、
幾重にも重なっていた真実への扉が開かれて行くところにどんどんと引き込まれる。
そしてストーリーの主軸ではないけれど、弁護士ライネンの母がトルコ人であることもこの作品というかドイツの問題を現している気がしました。
法廷内も、日本の法廷とは一味違っていて被告人(容疑者)は地下から現れ、法廷内のガラス部屋に収監されるんですよね。(実際の法廷を模しているはず、、)
日本の法廷内との違いも面白かった。
そして、事件の鍵となるあるものが出てきたときちょっとニヤリとしちゃいました。
「ルパン三世」でお馴染みのアレだったのでw
もしお近くで上映されていたら、鑑賞予定リストに加えていただき、この事件の深層にあるものは何なのか是非とも確かめていただきたいです。
知られざる過去、知られざる法
新作ならなんでも飛びついてる感じで鑑賞
弁護士作家のベストセラー小説の映画化との事
感想としては
やや詰め込みすぎな割に地味なんですが
全体的には丁寧な作りで見応えがありました
あるホテルの一室で会社社長マイヤーが射殺され
犯人ファブリツィオ・コリーニ(フランコ・ネロ)
は逃げもせずすぐ逮捕
国選弁護人に新人のトルコ人弁護士カスパー(エリアス・エンバリク)
が初仕事でコリーニの弁護を担当することになります
その後カスパーは被害者が自らの幼少期の親代わり
今の弁護士の自分を成り立たせてくれた恩人であることを知ります
…いやそんな恩人ならすぐ気が付こうよ…
と思ってしまうほどこのカスパーという弁護士は
なんか抜けてます
カスパーは動機を探りますがコリーニは全く何も喋らず
このままでは終身刑になると説明しても変わらず
会社を引き継いだ旧知の仲の孫のヨハナは会社を引き継ぐ
にあたり早々に裁判を終わらせる方向で
弁護士としての師匠マッティンガーが裁判を担当し話が進みかけますが
犯行に使われた凶器がそう簡単に入手できない拳銃「ワルサーP38」
である事を疑問を感じたカスパーはコリーニの出生等を探ると
イタリアのモンテカティーニという村出身であるとわかり
恩師マイヤーがナチ親衛隊出身でパルチザンのテロの報復に
ランダムに選び出したモンテカティーニの村人20人を虐殺
その中にコリーニの父がいたことを突き止めます
つまりコリーニの犯行は復讐だったわけです
この事実にヨハナは恩師の過去を暴くカスパーを非難し
マッティンガーを通じて取引を持ちかけますがカスパーは
正義を貫くためたとえ恩師に不利になろうがコリーニの
弁護をやり切る決意をします
しかし裁判が始まるとコリーニが1968年にマイヤーを
告発しますがマイヤーの戦争犯罪を時効とし取り下げる判断が
既に下されたことをマッティンガーが明かし
その件を全然知らなかったカスパーは驚きます
…っていうかそういう履歴って資料に書いてなかったの?
カスパーは真面目で正義感に熱いですがなんか抜けてます
まそれはいいとして
そこでカスパーは当時の資料を調べ直すと1968年に施行された
「ドレーアー法」というナチスの「直接手を下さなかった」
虐殺等の「幇助」に関する罪が15年で時効になるという法が
存在することを知りその法案策定にマッティンガーも関与していた事を知ります
当事この法案に関してはあまり議会に関心を持たれず可決されていたようです
これによりコリーニの告発が取り下げられていたのでした
父を殺されたコリーニは姉もいましたが今回の犯行の
2ヶ月前にその姉は亡くなっており実力による復讐を決意したわけです
カスパーはマッティンガーに法の正義としてナチスの戦争犯罪を
法が守るのかと迫るとマッティンガーは降参しそれを否定しました
かくしてコリーニの行動の真相は明かされ求刑も情状酌量が認められる
ものになると思われますが…結末はあまりに悲劇的なものでした
調べるとドイツではこの小説がきっかけか
ナチスの戦争犯罪について再審議する動きがあり
90歳にもなる元ナチス出身者が場合によっては裁かれる
といった事が起こったほど影響があったようです
この作中でもヨハナが
あなたは祖父のおかげで弁護士になれたし
親衛隊にいたのも過去の話じゃないというセリフがありました
確かにそうなのですが弁護士という仕事はそれでも法の正義を
尊ぶ仕事であるという事をカスパーは実践したわけです
カスパーにとってはマイヤーとの過去は忘れないでしょうし
コリーニにとっては忘れることは絶対に出来ない過去だったし
その過去はカスパーもヨハナも知らない過去だった
このへんのすれ違いが印象的な作品でした
おすすめしたいです
あし~もとに~からみ~つく~♪
2001年のベルリンを舞台に、弁護士歴3ヵ月の主人公が、そうとは知らず自身の父親代わりの様な存在の恩人の殺害事件の犯人の弁護を引き受けて巻き起こる話。
綺麗な仕事で恨みを買う様子もなく、人柄も良い会社社長だった被害者と、事件について何も語らず弁護士に対しても沈黙を貫くイタリア人の被告人。
というところから、主人公の被害者とその家族との関係や過去をみせていく流れ。
事件については中々動きがみえない中で、極身近な立場であったが故に気付けたことを切っ掛けに話が動き始めるところとかは、結構ベタだし都合良いなー、なんて思っていたけれど、散りばめられていた、様々な裏付けが中々秀逸で、違和感だったものがどんどん消えて納得させられる。
ドイツの法律など微塵も知らない自分には、結論への流れが衝撃的で唸らされたし、結末も落とし所が好みでとても良かった。
法律って恐い、国家はもっと恐い
法律って恐いねぇ、法律って決して弱者に寄り添ってくれるもんじゃないから・・
強者が上手く立ち回るために存在する側面も多分にあるし・・
今、日本の国会で何気なく法案が、ぽんぽんと成立してますが、きちんと監視機能が効いてるのかどうかも少し気になります。
最後にコリーニさんは本当に自ら命を絶ったのでしょうか?
収監されている被告人が簡単に命を絶てるほどお粗末な拘置所ってどんななんですかね?
国家や司法に不利な判決を出さない為の陰謀じゃないかとも思いましたが・・・
考えすぎでしょうか?
やはりナチス絡みですか。
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