劇場公開日 2020年6月12日

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「シブくてコクのある、ドイツじゃないと作れない法廷サスペンス」コリーニ事件 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5シブくてコクのある、ドイツじゃないと作れない法廷サスペンス

2020年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

難しい

とかくシブい内容になりがちな法廷サスペンスものだが、本作もご多分に漏れず。被告人役のフランコ・ネロがそれにさらに輪をかけてシブい。
誰にもほじくり返されたくない過去はあるが、かといって看過するわけにはいかない。負の汚点に真正面に向き合う内容の映画は、ドイツじゃないと作れないし、もっと言うと日本では作れない。
意図せず負の汚点に向き合わざるを得なくなった某人物に、「君は君だから」と声をかける主人公。実はその言葉は、同じく負の汚点を背負った原作者の心情でもある。

『ラストエンペラー』や『ローン・レンジャー』、『LION/ライオン~25年目のただいま~』を思わせるラスト演出は、あざといと言ってしまえばそれまでだが、ある人物が過去の悲しみからようやく解き放たれた心情を思うと、絶対外せない。

regency