劇場公開日 2020年3月27日

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「姪達を無視しない、アクセル全開の甘辛夢映画」青の生徒会 参る! season1 花咲く男子たちのかげに ほっとけ。ぼっとさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0姪達を無視しない、アクセル全開の甘辛夢映画

2020年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

自分たちの時代(団塊jr)で言う「スケバン刑事」のような、中高生か胸を熱くする実写って、今何が有るんだろうという話になった。
友人曰く深夜アニメがその役割ではないかというが、いくら少子化とはいえ、実写で中高生が夢を見られないというのは、不幸である。
もしかして、こんな夢物語か自分の近くにあるかもと思える事が、現実で夢を実現する力に繋がるのではないか、逆にこんな馬鹿げた事は現実には有り得ないとちゃんと認識出来る力にもなる筈だ。それはアニメでなく実写に出来る事だと思っている。

そんな時、姪にせがまれて同伴したのがこの映画だ。
冒頭から大映ドラマのような熱さに引き込まれ、必殺のような市井の生徒達の苦しみや悲しみに共感。そして並行して進められる生徒会の活躍、その面々の個性的な事そしてそれをまとめる先生の圧倒的な存在感。
確かにこれだけの濃い要素が詰め込まれている為に、キャラや設定の説明が多くなっている事は否めない。しかしそれぞれの魅力的な人間性や普遍的な諸問題を描いている為、飽きさせる事は全くない。常にアクセル全開で気付いたらラストシーンだ。朗らかな気持ちと続編で生徒会の1人に焦点を当てた大活躍と生い立ちや心の内の掘り下げを見たいと思った。
(凰稀かなめと結木滉星が演じた関係性は、太陽にほえろの初期のボスとマカロニ、ジーパンとのエピソードを感じさせるもの)

実家に戻り、姉にそういった青春時代のドラマとの類似性を話し懐かしんだが、当然姪は知らんぷりでシネコンでゲットしたパンフとチラシに目をやっている。そこに親父(団塊)がやってきて、「これ健さんの映画みたいなのか?」と一言、チラシにあった花札シーンに異様な興味を示し、若い頃見たやくざ映画の話をとうとうとし出した。
姪はとうとうリビングを出てしまったが、これは世代を超えて楽しめる要素を持つ映画なのかもしれないとバカげた事まで一瞬思ってしまった(笑)

戦隊モノが中高生でも楽しめる内容になっていて、その出演者切っ掛けで姪がこの作品に惹かれたのも分かるが、少子化でターゲットを広げる軸が低年齢層向け作品で良いかのか、こういった中高生向けを軸に低年齢層に広げた作品が今の時代必要だと思う。

Twitter等で見掛ける夢見がちな若者、路上にたむろし全てを諦めたような若者。八艘飛びのような夢は馬鹿げているが、小さな夢は実現していけると思える、こういった若者に向けた作品がTVにないなら、映画に頑張って貰いたいと思った。

まぁ単純に、頭を空っぽにして楽しめる映画ですけどね
(既に頭に固定観念が詰まってたら別ですが…)

ほっとけ。ぼっと