「お母さんになった娘さん」わたしはダフネ kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
お母さんになった娘さん
大事な家族を亡くした知り合いが以前、「今でも水の底に沈んでいるような感じだ」と話していたのを思い出した。母親の急逝を受け止められずにいた冒頭の、ダフネ主観の車内のカットで。映像は普通なのだが、深海の水圧を感じる音響だった。
しかしダフネ、立ち直りが早かった。メソメソしていられなかった理由は、父をケアしなければならないから。ダフネには職場というもう一つの社会・居場所があることもとても重要だった。
すでに彼女は母親をコピーしたかのようないろんな知恵や言葉や処世術を身につけていた。そして中盤以降、完全に母親が彼女に憑依したかのようだった。年老いた父親は文字通り「タジタジ」。親子というより長年寄り添ったカップルみたいだった。
「この子を残して死ぬのが心配」と思う親心を聡明な「障害児??(どこが?って感じだけど)」は無意識のうちに察する能力があったのかな。
全編、観光地じゃないイタリアののんびりした景色、ダフネのキレのいい生意気な名言を楽しんだ。
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