モンスター・ロード
劇場公開日:2020年2月1日
解説
2019年4月に他界した鬼才アニメーション作家ブルース・ビックフォードのドキュメンタリー。絶え間ないメタモルフォーゼを繰り返すクレイアニメーション「ベイビー・スネイクス」や、フランク・ザッパとのコラボレーションでも知られ、シアトル郊外でアニメーションを作ることを通じて真理を記録しようとしたビックフォード。2004年に製作された本作は、ビックフォード本人にフォーカスを当て、戦後アメリカの闇にとらわれ、何度も葬り去られそうになりながらも、いつしか常人にはとどかない不可視の真理に触れたかのようなビックフォードの源泉に迫った。ビックフォードの追悼上映企画「ブルース・ビックフォードと(の)アメリカ、そして宇宙」(20年2月1日~、東京・渋谷シアター・イメージフォーラムほか)で劇場公開。
2004年製作/80分/アメリカ
原題:Monster Road
配給:ニューディアー
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2020年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
2019年にこの世を去ったアニメーション作家、ブルース・ビックフォードの生前に撮られたドキュメンタリー。彼の創作活動の源になるものはなんなのかに迫るとともに、アルツハイマーの父の姿も映し出されている。無限に変化してゆくクレイアニメーションが随所に挿入され、ビックフォードが半生を語る。掴みどころのない人物であるのは、彼の作風にも通じる部分だが、家庭や戦争体験が色濃く影を落としていること、暴力を描くことへの深い思索を感じさせる。
ビックフォード本人が過去を語る声にあわせて、彼のアニメーションが映し出される。アニメーションによって彼の語りに説得力が生まれている。ドキュメンタリーにおけるインタビューパートの作り方としてアニメーションを使うのは面白いと思った。実写で再現パートをやるよりもアニメーションの方が心理的なリアリティを生み出せるという点で、アニメーションとドキュメンタリーの相性が良いんじゃないかと考えさせられた作品だった。
伝説のクレイアニメーター、ブルース・ビックフォード&父ジョージを取材したドキュメンタリー作品。一見、単なる奇人変人にも思えるが、戦争体験の影響が強い&作品にファニーと残酷性とが同居しているブルース氏は水木しげる先生と重なる部分があるなあ、と個人的に思いました。