「希望」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
希望
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画面に集中してしまう。
全編通して緊張感が重くのしかかる作品だった。
1日目があったのもよくて、473日目との差に愕然としてしまう。
“音を出せない"という世界観。無音に近い空間で雄弁に語りかけてくるのは出演者の眼差しだった。
今作は、なす術がなかった人類の反撃の糸口が語られる。
ハウリングや泳げないクリーチャーなど、絶望しかなかった世界に希望がもたらされる。
いつの時代も世界を切り拓くのは子供なのかとも思える。彼女の無謀な挑戦が大人によって潰えていたのなら、この結末はなかったであろう。
時折差し込まれる少女の視点。無音の状態は今作でも絶大な威力を発揮してて、自分の心拍数が聞こえてくるようだった。
サバイバルに終始する主人公達との対比が巧妙で、離島で生活する人々に安堵し、文明がもたらす恩恵を再確認するようでもあった。
灯がともり、団欒があり、温かいスープが振る舞われる。コレが人が育む幸せというものなのだろうと、ホッコリする。
ラストになり、クリーチャーと対峙する姉弟の目が強くて、アレが未来を掴み取る決意なんだろうなぁと思う。
終わってみれば絶望が蔓延する世界をこじ開ける希望は必ず残されていると思える作品だった。
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