「サバイバル・クリーチャー・ホラー」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
サバイバル・クリーチャー・ホラー
アメリカでは大ヒットしたパート1。日本では、B級ホラー的な扱いで、最初はそれほど多くの映画館では上映されなかった1作目。しかし、怖くても、痛くても、声も音も出せないという斬新なホラー設定が、ジワリジワリと評判が広がり、本作は、上映会場数の多さを見ても、かなり注目を集めていると言える。
本作は、1作目では描かれていなかった「なぜ、クリーチャーに支配された世界になってしまったのか」という疑問を、『DAY-1』に遡った出来事を、導入部分で描くことで回収している。つまりパート1を観ていなくても、ストーリーに、入り込める展開になっている。
内容としては、サスペンスからサバイバルな要素が強まり、サバイバル・ホラーとしての面白みが増した。そして、サバイバル・ホラーの金字塔『ウォーキング・デッド』を思い起こすシーンがたくさんあった。廃工場のサバイバル基地、生き残りの合図のラジオ放送、クリーチャーを警戒しながら線路跡を歩くシーン、そして、「また、そんな余分なことするから、周りの人まで恐怖に巻き込んでしまう…」、というような、『ウォークキング・デッド・アルアル』のシーンが多く盛り込まれていたと感じたのは、私だけかな…?
1作目では、なかなか見えないクリーチャーの怖さがあったが、本作は初っ端から正体を現し、次から次へと現れるクリーチャーとアボット家族との対決を中心に展開。特に後半で、
・ラジオ発信していると思われる島を探しに出かけた娘・リーガン、
・マーカスの傷のための薬を探しに出かけた母・エヴリン、
・乳飲み子を守るために廃工場に残った息子・マーカス、
の3場面が交互に映し出され、いつ現れるともしれないクリーチャーへの恐怖と息遣いが、観る者を引き込んでいく。
やはりこの作品の、恐怖は、『クワイエット』にある。様々な場面で、いかにも音や声が出てしまいそうな伏線がたくさん散りばめられている。観ていても、ドリンクを飲み込むとき、ついつい音をたてないように、静かに呑み込んでしまった(笑)
既に、パート3も制作に取り掛かっているとかで、本作も、パート3に続く形にエンドロールとなったため、やや消化不良でもあった。次作も監督と主演は、夫婦共同作業となるのでしょうが、パート3もぜひ期待したい。