劇場公開日 2021年6月18日

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「ちょっとゲーム的な展開ではあるけど、最後まで緊迫感を途切れさせない演出がみごとな一作。」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ちょっとゲーム的な展開ではあるけど、最後まで緊迫感を途切れさせない演出がみごとな一作。

2021年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作を未見のままの観客による感想です。世界設定が理解できない箇所もありましたが、場面毎に周到に用意されたサスペンス要素があるため、あっという間に観終わりました。

音を立てると襲いかかってくるクリーチャーがどのように現れたのか、冒頭でイントロダクション的に見せてくれますが、すぐに約700日後の世界に放り込まれるため、結局主人公達がどのような状況に置かれているのか、文字通り手探りで理解する必要があります。確かに前作を知らなくても物語に入り込めるのですが、人物関係などに余計な疑問に気を取られないよう、やはり前作を観ておいた方が良いかも。

見せ場の段取りと演出が素晴らしいと思う反面、場面毎に達成しなければならない目標が明確に設定されており、かつ多くの登場人物が基本的にその目標達成の「手段」として用意されているかのように見えるあたり、映画というよりもよくできたサバイバル・ホラーゲームのプレイ映像を観ているみたいだな、と思うこともありました。このあたりはサスペンスに集中できるので良かったという見方と、もっと物語を深めて欲しかったという見方、観客によって評価が分かれそうですね。

小さな音一つにも心がざわめく設定と演出は見事。作品の性格上、BGMも控えめではあるんだけど、やっぱりクライマックスとなるシーンで音楽が流れてしまうので、音を立てることへの恐怖が少し薄れてしまっています。ここは無音の方がより緊迫感が増したのでは。

クリーチャーは不気味で良い感じなんだけど、「ここが弱点ですよー!」って自らアピールする親切さが笑えます。倒し方は『マーズ・アタック!』(1996)そのまんま!

yui