「多少わかりにくい点はあるが、今週迷ったら推せる作品の一つ(本文参照)。」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
多少わかりにくい点はあるが、今週迷ったら推せる作品の一つ(本文参照)。
今年66本目(合計131本目)。 ※まだ書いていないのが大量にあるので実質的には70本目くらい。ぼちぼち書いていきます。
今日見た作品の2つめ。こちらは少し難しいかな…と思いました。
映画館の予告編などで「音を立てたら即死」なんてよく言っていたので「映画のルール」というのはまぁ、何度か映画館に行っていれば予告編は嫌でも見ますので、理解できるかと思います。ストーリーも、音を立てないように相手と戦うという、ある意味ストーリーがないといえるので(意味がわからない、という類型はおよそ存在しない)、あとは中身勝負ということになるかと思います。
さて、音を立ててはいけないというルールの中では、色々なコミュニケーション手段が考えられます。例えば、スマホをナイトモードにしたままメッセージをやり取りするなんていうのも一つの手ですね。ほかにもあります。その「ほかにある手段」で、やや混乱を招く状態が生じえて、多少は減点要素になるのかな…と思います(後述、ややネタバレ?)。
また、この映画のタイトル自体、原作名は「A Quiet Place Part 2」であり、裏を言えば「Part1」があることになりますが(これは、ここのサイトにも紹介はある)、普通にチケットを買う分には気が付かず、Part1の設定を知っていれば理解できるのか、あるいは理解できないのかという点が謎な部分がいくつかあり(ストーリーの前振り的な部分はほとんどなく、開始5分からストーリーは始まる)、ややわかりにくいのではないか…と思えました。
採点は下記を考慮して、4.4を4.5まで切り上げています。
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(減点0.3) 上記に書いたように「音を立てないようにコミュニケーションを取る手段」はいくつかありますが、その一つが、ズバリ「手話」です。そして、この手話(アメリカ手話(ASL=アメリカ手話、の模様)が一つのポイントになります。
ただ、登場人物の中で聴覚障がいの方がいるようには思えず(目立ってそれを描写ないし、示唆する内容は出てこない。もしかして、Part1を見ていると理解できる?)、かといって、いわゆる「公立学校」でそこまで複雑なことを教えるとも思えず、一方で「適当な手話」では「ある程度は理解できてもコミュニケーションは無理」であり(いわゆる暗号状態)、この部分の説明がないか少ない(Part1には出てくる?)ため、正直、ストーリーの内容が追いにくい部分は多少あります(突然、手話を習得した事情が謎であるなど。Part1を見ていれば理解できるのかどうかも謎だし、突如「Part2」って序盤のタイトルに出ても、じゃPart1って何ですか?って話になるのは当然)。
(減点0.3) そのような事情である上に、ここで用いられている手話は、アメリカ手話(ASL = American sign language )であるはずです。一方、日本では、明治時代以降に手話が導入されて日本手話(JSL。中間手話など含む)が発達し、歴史上の事情で、日本の影響を受けた韓国や台湾 も、かなりの互換性があるとされる)が発達し、この2つ(アメリカ手話と日本手話)には、元の国語の語法が違うことから、そもそも互換性がないものです。
この観点でいうと、一定数、聴覚に障がいをお持ちの方が見ることも想定できるので、今度は「字幕と手話で言っていることが違う」という指摘も可能であり、しかも、登場人物が突如流暢な手話表現をどこで身に着けたかが謎で(Part1を見ていればわかるの?)、余計に混乱します。
こうした点は、多少補足説明が必要ではないか…(今では、いわゆるバリアフリー上映も増えているので)と思えました。
※ この事情のため、手話表現の部分は、手話の表現ごとに区切って英語訳され、それが日本語訳されるという形になっていますが、逐語訳のために英文法的におかしい状態になっており(文末に前置詞が来る文は英文法としてはアウト扱い)、英語を理解する人も混乱するという悪循環になっています。
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