「「サスペンス・ホラー」から「サバイバル・ホラー」に移行し進化した、作られるべくして作られた名作ホラー映画。」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
「サスペンス・ホラー」から「サバイバル・ホラー」に移行し進化した、作られるべくして作られた名作ホラー映画。
まず前作の「クワイエット・プレイス」は、単なるサスペンス・ホラー映画ではなく、「音を立てられない場所」というようなタイトルが象徴する、かなり面白い設定でした。
その斬新さが受けアメリカ等では大ヒットを記録しましたが、日本では今一つ浸透せずに終わっています。
その理由は、私の目線だと、確かに面白い設定なのですが、やや「不思議すぎる世界観」で、プッシュできるほどまではハマれなかったというのがありました。
そんな状態のまま続編となる本作を、期待と、少しの不安も感じながら見てみました。
結果は、気持ち良いくらいに前作を超えてくれていました!
本作は「DAY 1」から描かれているのが特徴で、この時系列によって「何が起こっていたのか?」を知ることができました。
「不思議すぎる世界観」はそのままなのですが、ようやく「登場人物らと状況を共有することができた」のです。
思えば、1作目の「クワイエット・プレイス」は、サスペンス・ホラーとしての面白さを感じながらも、全てが唐突すぎるところに、入り込みにくい面があったのかもしれません。
本作は、明らかに1作目からパワーアップしています。
大きく「2つの動き」があるのですが、その2つの場所での「怖さ」を上手くシンクロさせる演出が光っていて、「サバイバル・ホラー」といった色合いが強くなっているのです。
この2作目を見ると、エミリー・ブラントらはどうなってしまうのか、が気になってしまいます。
すでに3作目の製作も決定したので、今度はどんな真相が待っているのか楽しみに待ちたいと思います。
1作目があったからこそ、深みを増した本作。
全ての真相や実態が分かると、1作目や2作目の評価も上がりそうな予感がする、1度は見ておきたいSF的な要素のあるホラー映画です。