TENET テネットのレビュー・感想・評価
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理解できるか、できないか、それが問題ではない
日本人は、時空を題材にしたアニメや漫画により、タイムトラベルの概念を理解しやすい体質にはなっているのでしょうか。
とはいえ、私は十分に理解をできませんでした。
時間を順行する世界と、逆行する世界のタイムパラドクス?の映画なんだろうというところまでは理解できましたが。
敵の主目的が何なのか。
結構大事なところが良くわからずじまいでした。
発想は面白いと思いますし、映像技術や演技も素晴らしいと思いました。
あまり考えないで見ていると、スッキリしないまま終わる映画って多いですが(ぼーっとしすぎ?)、後になって場面場面が思い出されて、「あれ?そういうことだったのかな?」と考えるような映画は、個人的には良い映画だとカテゴライズしています。
そういう点では、面白かったです。
もう一回観ないとかな。
難解で疲れてしまった。
夢
新境地を開拓した傑作!
タイムワープ、時間遡行を扱った作品は数あれど「逆行」という概念、しかも「逆行」と「順行」が同一時間軸上に共存する映像体験、などという発想は映画史上初のはずです。
予備情報無しで観に行ったので、冒頭のオペラハウス爆破では普通に作品の世界観を掴もうとしていましたが、主人公と一緒に「考えるな。感じろ」で作品中の逆行概念を理解してからはもう大変。
常に順行・逆行の視点で確認しながら、後でチャート化出来るようにと観察&記憶フル回転の鑑賞となりました。
(こんなに疲れた映画鑑賞は初めてかもw)
臨場感満載のボーイング旅客機衝突炎上や逆行カーチェイスがランドマークとなり、時間地図の中で迷子になる事はありませんでしたが、劇場を出たあとは速攻で、主人公、キャット、セイター、ニール、それぞれの目線でのタイムラインイメージ図を描く作業に没頭し、それらを組み合わせて、ようやく全ストーリーが腑に落ちました。
鑑賞中に「なんとなくわかったよーなわからんよーな」気分になるところは人物ごとの複数の主観と客観による順行・逆行が入り混じるという多重構造になっているんですね。
パズルがすべてハマった時には、ノーラン監督の緻密に練り込まれた脚本に脱帽!
また、昨今のCGに頼り過ぎたアクション作品には閉口気味ですので、本物の車、建物、まさかのジャンボジェットまでが破壊され、パーツが飛び散る時の生の迫力には「これぞ!映画!」と拍手喝采したくなります。
ただ、根っからのSF好き以外は置いてきぼりとなる可能性は大きいですよね。作風といい、飛行機爆破といい、
こんな事が許される人は現在ノーラン監督くらいのものじゃないでしょうか?
こんなトンガった作品を撮れるのも「今ならでは」かもしれません。実力と実績とヤンチャっ気が揃い踏みしたからこその傑作だと思います。
今が脂の乗り切った絶妙なタイミングなのかもしれません。
良い作品を観せて貰いました。自分の人生において記憶に残る映画の一本になる事でしょう。
いわゆる007
ショーンコネリーがカツラをかぶって一時的に復帰したネバーセイネバーアゲイン(1983)という007作品がある。
イオンの正規品じゃないが、わたしをふくめ、たいていのロートルは、ジェームズボンドといったらショーンコネリーでしょ──なので、ネバーセイは、ニッチだけど、けっこう愛された007映画だった。と思う。
この映画を見ながら、そのネバーセイネバーアゲインを思い出していた。
敵役はクラウスマリアブラウンダーというオーストリアの俳優。
メフィスト(1981)というアカデミー賞をとったハンガリー映画ですごく有名になった俳優だった。
かれが、ちょうどこの映画のブラナーとデビッキの関係のように、脅迫的に妻(キムベイシンガー)を支配していた。
で、その妻はボンドとデキていた。独占欲やら嫉妬心やらで、怒り倍増しているクラウスマリアブラウンダーが本作のケネスブラナーに重なったのに加え、船上のできごとなのも、あの映画を思わせた。──のだった。
そう思ってみると、むずかしい映画じゃない。
映画上は冷戦から世界を救う話だけれど、観衆にとってみれば、独占欲が超強いDV夫のセイター(ブラナー)からキャット(エリザベスデビッキ)を救い出す話。
007同様情報部のような組織があり、007同様超人的活躍があり、007同様主人公はタフでかっこよくて女にやさしい。
遡行・逆行をすべて武器とみるなら、たんじゅんでさえある話ではなかろうか。
ジョンデヴィッドワシントンのタフガイっぷりが堂に入っていて、エリザベスデビッキはなん頭身あるんすかとおたずねしたくなる超スラリで優雅、ケネスブラナーはふてぶてしさががっつりあらわれ、じょうずだった。
直近のBlacKkKlansmanで、コミカルなジョンデヴィッドワシントンを見ているせい──なのかもしれないが、あの役からこの役へ飛んでしまう、ノーランのキャスティングセンス。慧眼だと思う。
来歴を見たらアメフトのプロプレーヤーから役者へ転身したとのこと。どうりで──なっとくのヒーロー像だった。
バックでながれるサウンド/スコアがいつもながら独特だったこと、また個人的に、大型車輌がほとんどひっついて併走しながらプルトニウム奪取する作戦シーンが気に入った。
ところで、少年のころ夢中になった昔のSFでは、時空の往来をあつかうばあい、過去または未来のじぶんに会ってはいけないというジンクスがあった。じぶんに会ってしまうのはタブーであり、混沌への転落をいみしていた。
すなわち過去または未来のじぶんに関わると、未来も過去もメチャメチャになってしまうんだぞ──と往年のSF作家たちは言っていた。と記憶している。
それを犯しているゆえのカオスではなかろうか。編集が、これ編集者も、こんがらがっているんだろうな──としか思えない超絶の多元構造だった。が、意図的でもあったにちがいない。
SFで時空を行き来し、じぶんに会ってしまうと、それはSFから輪廻の話に変容してしまう。探究していくと、最終的には、じぶん自身に行き着く──という話になってしまうわけ。これもそんな話だったと思う。
ノーラン監督がすごく好きってわけじゃないが、トップランナーなのはわかる。
そのことを裏付けているのは、時間や量子力学などの科学的な要素/概念であろう。
それらの本格的な土台があってのクリストファーノーランだと思う。
ただ、映画のおもしろさをつかさどるのは、科学への造詣じゃない。じっさいわたしはネバーセイを思い浮かべたわけだし、ケネスブラナーはたわむれにロシア訛りの英語をしゃべっていたわけじゃない。冷戦ってことばが何度もでてくるし、逆立ちして見ても、これはひとつのスパイ映画だ。
わたし/あなたが、おいしいものを食べていて、何が入っているか当ててみろよと言われたら?映画はそんなことしない。おもしろかったらそれでいい。
万人向けの楽しい映画をつくっているノーラン監督のテネットを小難しく解説している文化人やライターのことを、権威主義者というのだ。
長くてつまらない
エントロピー増大の法則が成り立たなくなった世界
黒幕はノーラン
力を抜いて観るべき
相変わらずノーラン節の、映画というメディアを300%活用しました!って感じの盛りだくさん映画。
逆再生的な画も、映画だからこそ撮れたわけで、思えば映画のためにあるストーリーですね。
映像美もアクションも音楽も、複雑で大スケールの脚本に絡みつくように、全てが豪華で、常にエキサイティング。
頭良い人は色んな辻褄とか気になって忙しかったり疲れたりするのかもしれないけど、私はバカだから全然すぐストーリーを受け入れられて素直に楽しめたよ〜
インセプションもすごく好きだったけど、今回は環境問題への風刺もあって、より話のデカさを煽っててグッときました
こういう映画を、ヌーベルバーグやATGと同じ「映画」って呼ぶの、違和感ありません?それぞれ別の名前で呼んだら?笑
追記
鑑賞後に物理学者の方が解説してくれているネットの記事を読みました。2019年3月には既に、85%の確率でエントロピーが減少したのを確認したチームがあるそうです(わくわく)!物理は赤点ギリギリぐらい苦手だけど、量子力学だけは大好きでトキメキ……
それ故に、最低限の物理用語や法則を調べてから再鑑賞するのを楽しみにしていたのですが、そうするとやはり自分も(あり得るとあり得ないの境界線について)細部に目を凝らしてしまうやつに陥ってしまい(笑)大変疲労しましたので、初見が一番楽しめました!
あと解説はパンピーの記事ではなく物理学者の方の記事が、一択で圧倒的に面白いです。
なんだかわからないけど、ものすげえ映画
理解できる人はいないはず
これに高評価をつけている人がいるとすれば
カッコつけているだけなので、その人の評価はもう見る必要がない。
これは、分かった風であればあるほどカッコいい。
それくらい、カッコイイ映画である。
ルックも一流、撮影も、表現も
そして、なにより難解なストーリーが、理解してマウントをとりたくなる。
しかし、これは理解できない。
映画だけ何回も何回も繰り返し見てMEMOをとり
並べ替えて少しは理解できるかもしれないが
そもそもストーリーに破綻を含んでおり
そもそもそんなこと、暗い映画館でできる訳もなく
映画館にこだわるノーランとはマッチしていない。
難解具合が映画の楽しみを超えてしまっている。
こんなものは、引き伸ばして引き延ばして10話くらいで
配信ドラマにして、難解なモノは先において
シーズン4くらいやれば良いと思う。映画館鑑賞には向いてない。
自宅のプロジェクターで見たので映画館では見てないけど。
混沌
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