TENET テネットのレビュー・感想・評価
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①乗れんぞノーラン(通常) ②やっぱノーランすげぇ(IMAX) ③気が済んだずら。
《10/9 大混乱の感想文整理》
初回(通常)鑑賞後。
まず、色んなカラクリが呑み込めず、理解できず、見落としだらけ。ストーリーの理解度は30%、多分。逆行のルールも思い込みと勘違い。始末に負えないのは、「深読み」してしまったこと。結果、今一つ乗れませんでしたが、せっかくのノーラン作品。パンフと解説サイトに頼らず、自力での謎解きを決意。
二回目鑑賞後(IMAX)。
ストーリーは理解できた、完璧に。と、思い込んでしまう。実は、まだたくさんの勘違いあり。エントロピーの教科書引っ張り出して、解説サイトと動画で復習。これで、逆に混乱してしまいました。物理の解釈について、言葉では飲み込めた気分になるけれど肝落ちしてないから、画面で起きていた事と、脳内に出来上がった理解が一致してくれないジレンマw
ニールの決意に胸を撃ち抜かれて感動はしたけれど、混乱だらけの頭の中をすっきりさせるために三回目の鑑賞を決意。と言うか、もともとその予定。
三回目鑑賞後(IMAX)。
二回目鑑賞後、混乱だらけになったので、三回目鑑賞でチェックするポイントを決めました。三回目は、映画を見ていると言うよりも、チェックポイントの検証をした、みたいなもん。
結果、6つの勘違い発覚。ベトナムとスタルスクには時間差無し。ビルは全壊していない。マックスとニールは別人の可能性が高い。最後のナレーションはニールで「世界を変える可能性がある爆弾」とはアルゴリズム。セネター少年が殺害したのは知らない誰か。キャット殺害阻止はパラドクスそのもので説明可能。理由は割愛。
スッキリすると、過去作に比べると結構つまらない。主人公とニールの別れの場面に全ての「萌え」が集約されてる映画でした。
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以下、一部解説サイトの説明に対するオブジェクションや、勘違いしてしまった個所についての修正記録。
◆ニールとマックスは別人
①ニール≠マックスの方がクール (好みの問題w)
ニールと主人公の最後のやり取り。
「俺にとっては、これが美しい友情の終わりだ」
「俺にとっては始まったばかりだ」
この後、ニールの身に起きることを知っている主人公はニールに問いかけます。
「違うやり方で、結果を変えられないのか?」
「起こった事は、起こった事だ。それは、世界の仕組みの中の運命って奴だが。何もしないことの言い訳にはならない」
ニールは立ち去ろうとするアイヴスを呼び止めます。
「待ってくれ。カギを開ける役が要るだろう?」
「お前は、カギを開ける名人だったな」
「教えてくれ。君の雇い主は誰だ」
「君だ。君にとっては数年先。俺にとっては数年の過去。」
振り返って主人公に別れを告げるニール。
「過去を作りに行くよ」
ニール=マックスだとしたら。ニールが死を覚悟して作戦に加わる動機づけの中に、「男を救うことは母親と、もしかしたら自分を救う事になる」と言う、やや甘ったるく、また多少の打算も含まれることになります。最後のやり取りは、ニールのクールさや覚悟が別れの切なさを引き立てており、甘さや打算を含まない方が心に刺さります。脚本的には、そちらの方が俺的には好み。
②ニールのお守り
ニールのお守りはベトナムのお守り説。東南アジアの華僑は、四角い穴(地)が空いた丸い古銭(天)を使います。ニールの背中にぶら下がっていたのは、着色表面処理された丸ワッシャーの様なもので、古銭ではありませんでした。スタルスク12の地下で、クレーンに絡まりアルゴリズムを地下の穴に下ろす作業を邪魔していたハーネスの端末に、類似したワッシャーが付いていました。ニールは、後日、主人公に作戦の詳細を聞き、このワッシャー付きの紐をお守りにした、と言う設定ではないでしょうか。
③年齢
ニールは物理のマスターを終了しており、軍事訓練も受けています(プリヤ軍の主要メンバーとは旧知の仲)。推定10歳のマックスが「数年」で、ってのは無理があるし、数年先の未だあどけないマックス少年を、主人公がスカウトするってのも、ちょっと違和感があります。
◆鍵を開けるのが得意技
オペラハウスまで時間逆行したニールは、どうやって順行時間に戻るのか。あの時点では、二箇所の回転ドアはセイターの管理下にあるから。ってのが疑問でしたが。順行のまま過去に行けるのかとも考えだんですが。オスロの回転ドアに入り込んだんですね、ロック解除して。それがアイヴスのセリフに繋がる。スタルスク12の扉だけでなく、過去に錠前を破った実績があるから「得意」なのだと解釈。
◆オスロの空港に戻った理由
順行時間のキャットは、逆行時間のセイターに「ウラン弾」を撃ち込まれます(回収される)。原子核崩壊する「ウラン弾」から放出された中性子は、キャットの体組織を徐々に崩壊させて行き、崩壊していくキャットの体組織から放出される中性子は、キャットの体組織を更に崩壊させて行きます。
つまり、ウラン弾を体外に取り出しても、一旦始まってしまったキャットの体組織の崩壊は止められません。
そこで、時間を逆行する事を考えます。一度起きたことは取り消せない=一旦始まったキャットの体組織崩壊はキャンセルできませんが、「極小レベル=中性子」レベルのエントロピーが減少し崩壊が止まる可能性がある。そこで、逆行時間で数日でも過ごせば、命が助かるかも知れない。けれど、数日も前は回転ドアはセネターの支配下にありました。
よって、あの場で即座に逆行時間に入り、オスロの空港で順行時間に戻るしかない。
◆冒頭のスパイ・パート
会社に「出だしからして判らない」と言う人がいてですね。スパイものの文法に沿っての解釈は、ミリヲタの得意分野なので、以下推測込みの解説です。
登場勢力は5者+1で6者。
①主人公(CIA)
②主人公達を案内するCIA協力組織(裏仕事の何でも屋)
③テロリスト
④ウクライナ&ロシアの特殊部隊
⑤CIAの諜報部員(VIP席)
⑥最終的に主人公を「回収する」国際的組織
前提条件
ウクライナ政権は親ロシア。テロリストは反ロシア。
⑥に操られるCIAが③に「正体を偽って」指示を出しオペラハウス占拠のテロ実行。
④はテロ制圧に向かうが、③を極悪組織として国際的に印象付けるために、制圧と同時に、観客ごとオペラハウス観客席の爆破を企てる(テロリストが自爆したことにする)。
①は⑤に回収したウランを渡して逃がした後、④が仕掛けた爆弾を回収しようとする。
①は④に正体を怪しまれ危ない場面を迎えるが、逆行弾を撃つニールに助けられる。
①は②の裏切りに遭い拷問を受ける。CIAが対ロシアに送り込んだ諜報部員の情報を渡せ、等と推測。
②は正体を偽っている⑥の指示を受けて、全てを実行している。
自決カプセルは偽物で致死量の毒薬は入っていない。
⑥はCIAに対して影響力を持ち得る立場。②に対しては正体を告げていない。金だけの関係。
②は偽装工作・破壊工作等の裏仕事を引き受ける、東側諸国出身者の民間軍事団体。最初はCIAの手引をしながら、直後裏切る。
ここでガバガバなのは、オペラハウスの出入り口を固めていないテロリスト。また、制圧側が観客の命をなんとも思っていないのであれば、「テロリストを制圧して観客を助ける」のではなく、「テロリストをオペラハウスに閉じ込める」作戦を取れば良い。催眠ガスではなく神経ガスや榴弾、機関銃の使用など。ロシアなら「やりかねない」と思ったりしますが。
そもそもCIAは⑥を信用しない。オペラハウスから①を回収するのが⑥と言うのは①を見捨てることもいとわないと言う作戦。作戦を実行してしまったら、証拠を残さないために回収は重要であるため、見捨てる作戦を立てることは無い。逆に言うと、この作戦が「主人公のテスト」だと思えば、「見捨てる事もありえる作戦」は納得が行く。
◆エントロピー減少とマクスウェルの悪魔では、この映画の「逆行」は説明できない
パンフでも解説サイトでも、エントロピー減少による逆行を説明する図として、陸上トラックのコーナーを周回して行く様なイラストが使われています。原理として「マクスウェルの悪魔」に言及しているものもあります。仮に、エントロピー減少を時間逆行の原理として解釈するなら、「直線で進んできた時間を、その軸上に戻る」ことになり、時間軸からそれて逆方向に戻ることの説明にはならないのではないでしょうか。
インターステラーでは「5次元世界」が登場しました。時間を軸にし、その軸上を自由に移動できるにしても、クープは「軸上から眺める世界」に入り込むことは出来ませんでした。その世界には、すでに自部自身が存在するから。これが、マクスウェルの悪魔が否定され、インターステラーの中では、ブランドが「過去に戻ることは出来ない」と発言した背景にあります。
回転ドアは、更に原子レベルで複製をつくり時間の逆行も可能にしてしまうと言う、超技術。現時点の、物理の仮説では、ちょっと説明は無理だよねぇ、って思います。
映画の中では、女性科学者に「多分、原子核(だった?)の逆放射」と発言させていますが、ここは、ぼやぁっと誤魔化せ、って事で。
謎ではなく混乱
何度も見ないと意味不明だが、
面白いけどストーリーや時間軸が難解
よく睡眠をとってから見に行こう
中盤で話についていけなくなってしまい…
(週末の疲れも手伝い眠気が)
ネタバレ見てからもう一回見ます
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10/7toho日本橋にて2回目鑑賞
解説読んでから行ったが、やはり難しかったw
今作の見せ場である逆走ハイウェイでのプルトニウム241の争奪戦、ラストのスタルスク12での10分間の挟撃作戦、これらが「分かりにくい」のは映画としてどうなんだろうと疑問。
誰が見ても分かるような『ネタバレからのジャーン驚いたでしょう⁉︎』をノーラン師匠に求めるのは違うのだろか。
観客がノーランのセンスについていかなければいけないのでしょうか。
これだけ複雑な話なので、大事な場面はしっかり映す、ダサくてもスローにする、分かりにくさを補うセリフを喋らせる、など演出が必要なのではないでしょうかね。
と思ってしまい、2回見てもすっきりせず。
そしてバックトゥーザヒューチャーはやっぱり名作だと再認識しました。
時系列を整理しながら観る映画
参った、この映画に嵌まった、面白い
上から読んでも下から読んでも
コロナ禍での上映が相応しい映画。メインビジュアルでワシントンがマスクをしているし、仕上げの段階(少なくともプロモーション)でコロナパンデミックを相当意識していると思われ…途中息苦しくて思わず自分がマスクしてて良かったと思ってしまうシーンもあり。圧倒的な力技のSFスパイアクション超大作なのだが、ハリウッドのルールを逸脱しておりとてつもなく難解なのだ。前半の007的スパイ映画セクションは無駄のないカット割りでスタイリッシュにテンポよく進むが、問題は時間を遡ってしまう後半。事前に攻略本を精読してから観ないとまず理解できないであろう。恐らく理解しているのは監督のみ。150分は少し長いので15分短くして説明的シーンを5分増やせばもっともっと良くなると思われ…「ダンケルク」の1週間・1日・1時間の無茶苦茶スパン同時進行といい、相変わらずのノーラン天皇のわがままゴリ押し感満載で観客に対してすごく不親切なのである。「2度3度見て楽しもう」とおっしゃる方もいるようだが、1度で観終わって「面白かった」と席を立たせるのが本来の映画ではなかろうか?
<もう二言>
フットブレーキを手で押さえるシーンが納得できん。あれじゃ絶対止まらないでしょ?
現場でフィルムを逆回転させて撮影することにどれほどの意味があるのか?
常識を吹き飛ばす
難しかったのでもう一度観ます
またまた面白い映像表現
またも映画史に革命の1ページを刻む!
ダークナイト、インセプション、インターステラー、ダンケルクは観ています。ノーラン作品はどれも複数回観ていて、好きな監督の一人なので今作も楽しみでした。
感想
正直、今年一の期待作でした。観客を時間操作と未知の映像体験によって独自の世界へ引き込むスタイルが個人的に大好きでした。
今作ですが、
流石ですね!大幅に進化して来てます。次回軸の操作法が今までのような平行線の描き方ではなくまさかの"交差"
これが、話をややこしくする・・・。正直、内容は全然理解出ませんでした。ただ、終盤からの伏線回収は一部理解出来ました。前半はどうにか物語を追ってましたが、中盤から挫折し始めてしまいました。
内容が理解できなくても、楽しいと思わせるノーランはやはり天才ですね!
映像面では、満足です。毎回新しいものを描いてきましたが、今作は逆行の演出。それも、進む画と逆光する画を同時に見せるという神業。とてもカッコ良くて鑑賞しながら震えました!
不満点
相変わらずキャラのバックボーンの描き方が甘い(それどころか無い!)です。ニールとキャットは比較的描けていたと思います。ニール、ラストは切なかったです。
具体例
・なぜ主人公はキャットを救おうとしたのか⁈好きなんでしょうか⁈疑問ですね。元々ノーラン監督は007が大好きな監督で有名なので、この件についてはボンドガールってことなんですかね⁈
・セイターの考えが読めない。何も考えがないのかもしれませんが・・・。
総評
観客に理解させる気はないと思われるセンス尖りまくりの奇作。このご時世だからこそ、今作はぜひ劇場で観ましょう。
アカデミー賞、今回も取りそうですね。
ひとまず、パンフレットを読んでもう一回観ますw
追記
解説やパンフレットを読んで内容が理解出来ました。なんて切ない友情の話なんでしょう!面白い映画ですね。ただ、時間の概念に疑問もあるのでまだ、理解が浅いのでしょう。ひとまず、理解出来たのでまた観ます。今度はもっと楽しめそうです。スルメ映画ですね。
2回目観ました。理解してると、スムーズに情報が入る。落ち着いて観れる!
そして、新たな謎も生まれる。楽しい!
ノーランの凝り性が変な方向へ
見終わっての最初の感想は「わけ分からん」でした。どうしてそんな感想になったのか考えると、製作側が意図的に話を難しく作ろうとしているように思えるのです。
鑑賞後ネットで公開されている考察や解説の動画を見たりしたのですが、そういうのを見ないと内容が理解出来ないような映画ってどうなのでしょうか? 本来は映画の中で観客に分かるように脚本を作るのが普通だと思えるのですが・・・・・・。
聞くところにはノーラン監督は非常にIQの高い人だと聞きます。「自分が分かるから観客にも理解出来る」と考えているのか、「凡人は分かるまで何回でも見ろ」、と思っているのか、どちらにしても観客を置き去りにしています。
映画館で観る映画は一歩通行のメディアで、「良く分からないのでそこを戻してもう一回」という訳にはいきません。あくまでも上映時間中はじっと鑑賞しているしか方法がありません。そのことを踏まえて作品を製作をするのは映画人として当たり前のことだと思ます。
さらに分かり難くしてるのは、必要性の無い場面や登場人物が多いということです。それも重要な場面にされているので、益々意味不明になっています。例えばオープニングのオペラハウスの銃撃戦っているのでしょうか? その後に続く拷問シーンも必要ですか? ジェット機の激突シーンは迫力ある場面を入れたいが為に無理矢理作ったとしか思えません。
またあのヒロインって必要なのでしょうか? あれだけ登場シーンが多いのですから、本来は重要な存在の筈ですが、彼女抜きでも物語的には問題ないと思います。考察を見ると彼女の幼い子供が、主人公の未来の相棒らしいのです。そういう設定なら物語の中できっちりと説明をすべきです。そうすれば彼女の存在感も増します。全く説明が無いので、どうして彼女が必要なのか分からないのです。
物語の核となるアルゴリズムという物も、最後に出て来た物体を見て「何これ?」って思うようなふざけた物です。IQ高いんだから、もっと真面な物を考えられなかったんでしょうか? 大体アルゴリズムと言えば普通の人はプログラムを思い浮かべるのに、どうしてあんな物質になるんでしょうか? 物質の中にプログラムが閉じ込められているとか、もうちょっとマシな設定が出来たと思うのですが・・・・・・。本作はそんな首を傾げる場面ばかりです。
ノーラン監督はデビュー作から時間と云う物に囚われて、それを物語の中に取り入れることに使命感を持っているようです。前作ダンケルクでは陸・海・空で経過時間を変えてしまったことで、観客の頭を混乱させてしまいました。本作はその時間軸変更の集大成になっていて、遂には訳の分からない代物になってしまいました。
彼は凝った作品を作らなければならないのではないか、という強迫観念に囚われているような気がします。このままではM・ナイト・シャマラン監督のように、同じ様な内容の作品しか作れない映画作家になってしまうような気がしてなりません。ノーラン監督は演出家としては一級の物を持っている方ですので、余り気負わず作品を作ってもらいたいと思います。
衝撃的過ぎて呆然、放心 、また茫然です😵
嗚呼もうあっしには衝撃的過ぎて呆然、放心 、また茫然です😵
体内時計が進んだり戻ったり迷走してまだ時針がグルグル回ってます。
クリストファー・ノーラン監督の最新作は一言では伝えられない予想を遥かに上回る傑作でした。
この時間感覚の痺れは38年前、二十歳で出会った天才P・K・ディックの傑作SF小説「火星のタイムスリップ」を読み終えた時の感覚に凄く似ている。あの時は猛烈な知恵熱出して数日間ウンウン寝込んだのでした(笑)今は若造じゃないので大丈夫。そこんところの救いを求めて、久しぶりに買った劇場パンフレットの時間に関する解説を読んでスッキリさせてもらいます😉
すでに立川立飛に先週オープンしたばかりのシネコンの最新鋭IMAXシステムで再観賞したくなってます。朝イチから心底ぶっ飛んだわ😤
ネタバレ注意なのでライトに。
まず驚愕したのはタイムスリップ、タイムトンネルなどの従来のSFにおける時間理論と全く異なる、画期的な時間理論とある発明が採用されていること。
観賞中にまず頭がついていかないかもしれないけど大丈夫です。焦らず目の前で展開される事象を考え込まずに受け入れることで徐々に解消され、ノーラン監督がクライマックスへとあなたを運んでくれるはず。監督を信じて、まず頭と身体の力を抜くことが大切ではないでしょうかね。禅の境地かよ チーン🎶
まあ楽しみ方は人それぞれだから・・・
映画館でお楽しみにあれ❗
【映像の魔術師、時間までをも視覚化する! 脳内フル回転で観る映画でもある。2時間半の長さを全く感じることなく、CN監督の世界に没入できる作品でもある。】
ー 今作品は、クリストファー・ノーラン監督作品の中でも、「メメント」と双璧の難解な作品であると思う。
観客に示される情報は極めて少なく、(主人公と思われる黒人男性は、最後まで名前が出て来ない・・。) 更に”アルゴリズム”という物語のキーになる単語が、通常使う意味とは意図的に、やや違う使われ方をしている点でも、それは示されている。ー
■では、今作品2時間半全く飽きずに大画面に没入出来たのは何故なのか?
1.序盤、ものすごいスピードで描かれていく各シーンが、
ーそして、それは一見繋がりがなく、シーンの急な切り替わりに戸惑うことも屡だ。- 後半、再度、別の角度から描かれる事で、”ああ・・、あれは逆行していたシーンだったのか・・”とか、”成程、そこと繋がっていたのか・・”など、まるでなかなか嵌らなかったピースを嵌めていくような感覚を得ることが出来るからであろう。
クリストファー・ノーラン監督との知恵比べを勝手にしている気分になるのである。
2.数少ない情報の中、徐々に物語の骨格が見え始め、時間の順行、逆行の仕組み”回転ドア:アルゴリズム装置”の意味を朧気ながら理解しはじめたところで、物語の時空を超えた壮大さに気付くところもその理由の一つである。
3.そして、何より、時間の順行、逆行を同時に視覚化した砂漠での大規模な戦闘シーンを始めとした、”どのように撮影したのか!”という唯一無二のシーンの数々の迫力が物凄く、ある種、脳内が”無”の状態になりつつも、唯々クリストファー・ノーラン監督が描き出す映像を大画面で見ることができる悦楽感に浸れるところであろう。
<この後、多くの方々によってストーリーについては、様々な解釈がされるであろう。
が、一度目の鑑賞では、余り構えることなく、稀代の天才クリストファー・ノーラン監督が作り出した世界を大スクリーンで観る、僥倖感を味わうことが出来た。
又、自分なりに各シーンや登場人物たちの相関関係や、映画では”敢えて”描かれなった未来について、鑑賞後に考えるという事も楽しい事であろうと思う。
そして、(多分近いうちに)二度目が観たくなり、劇場に足を運び、新たな発見や確認ををするのであろう。
この作品は、難解ではあるが、そういった映画の楽しみが詰まった作品であると思う。
出なければ、二時間半、全く飽きる事無く大画面に没入することはできないであろう。
この作品は、それだけの価値があるとも私は思いました。>
■補足
・"サー"ケネス・ブラナーが演じたセイターと、エリザベス・デビッキ演じた彼の妻であり、絵画の鑑定士でもあるキャットとの関係性が、この作品に与えた深みは貴重であるとも思いました。
<2020年9月13日 IMAXにて鑑賞>
理解できないものに対して不当に低い評価をつけるのは古代人のやること
本作はクリストファー・ノーラン監督作品きっての超難解作だ。これを一度のみの視聴で完全に理解するのは到底不可能だ。しかしそれを理解できないからというだけで、必要のない悪評を撒き散らかすのはおかしい。そもそも難解ではない、極めて単純な部分ですら意図的に、批判したいがために理解しようとしてないように思える。決して文学的な難解さを有した作品ではないため、理解をしようと思えばきちんと理解することは可能だ。それゆえ難解だと思うなら理解する努力くらい示せばいいものを、その努力すら放棄する人間は廃人と未文明人と同じだ。所詮前時代的な価値観でしか物事を判断できない未文明人に何を言っても響くわけもないだろうが、一応ここに記す。そして誠に真っ当な意見を述べた上で批判する人に対しては非常に申し訳ない。
「テネット」は自分の中で時間というものの認識を論理的かつ非現実的に捻じ伏せてくれた作品だ。「メメント」×「インセプション」×ちょっとだけ「インターステラー」×「007」と、男のロマンの詰め合わせ映画といったら分かりやすいだろう。あらすじは省略するが、名もなき男を演じるジョン・デビッド・ワシントン、ヒロインのエリザベス・デビッキにロバート・パティンソンのそれぞれがノーランの意を完全に汲み取って完璧以上の演技をしてくれたことに大いなる感謝を表したい。まごうことなき超難解作で、完全な理解とは程遠い状態で劇場を後にしたが、それからというもの余韻があまりに激しく残るため生活に支障をきたすレベルにまでなってきた。それほどまでに衝撃的な作品なのだ。何度も何度も見て理解できるようになりたい、とここまで強く実感させてくれた映画は初めてだ。生涯ベストにも無論入ってくる。ぜひIMAXで見て欲しい作品。
全969件中、901~920件目を表示