劇場公開日 2020年9月18日

「伏線回収が気持ちいい」TENET テネット といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5伏線回収が気持ちいい

2020年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私個人の「映画ベスト5」を挙げるとしたら、必ず入るであろう2001年公開、クリストファー・ノーラン監督・脚本の「メメント」。あの映画も「時間が逆行する話」でしたよね。複雑に入り組んだ時系列でありながら、ストーリー自体は結構単純で分かりやすい。「時系列操作でここまで奥深く・面白くなるなんて」と、映画の可能性を感じられる作品です。

今作「TENET」も、「監督脚本クリストファー・ノーラン」「時間の逆行がテーマ」ということで、「絶対にこれは面白い作品になるぞ」というある種の確信を持っていたため、公開初日に早速鑑賞いたしました。

結論。めっっっちゃ面白い。
時系列が入り乱れてごちゃごちゃになるかと思いきや、意外とシステムが単純な時間逆行。「メメント」ほど時系列があっちこっち変化することはないので、私は何となくですが理解できました。試写会などで事前に鑑賞していた某レビュアーさんが「難しい物理用語が出てきて分かりづらい」とおっしゃっていましたがそんなことはなく、物理知識皆無の生物選択の私でも問題なく観る事ができました。「エントロピー」だの難しい用語は出てきますが、「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」みたいなもんで、「へーそうなんだ」くらいで聞き流しておけばいいと思います。

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軍人である主人公(ジョン・デビット・ワシントン)がある日課せられた任務は、「第三次世界大戦を止める」こと。未来の大戦を防ぐためにまず行なったのは、闇に流通している「未来から来た時間を逆行する弾丸」の出所を突き止めることだった。弾丸の出所を探るうちに、武器商人のセイター(ケネス・ブラナー)が時間逆行に関する物品の流通に関与していることを突き止める。セイターから酷いモラハラを受ける妻のキャット(エリザベス・デビッキ)を利用してセイターに近づくことに成功するが、時間逆行を操るセイターが「未来から」主人公たちの策略を阻止しにくるのだった。
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主人公の周りで起こる不思議な時間逆行。銃口から弾倉に戻っていく弾丸や重力を無視したように起き上がる兵士、高速道路を猛スピードで逆走する車など、映像だけ見せられるだけでも驚きますし、何だかカッコいいです。そして物語が進むにつれてどんどん解き明かされていく謎と伏線回収。こういう時間が巻き戻る系の映画の醍醐味である「伏線回収」が本当に見事な作品です。中盤までに感じていたモヤモヤした謎が後半で一気に解消する、非常にスッキリする映画です。伏線回収系の作品が好きな人はドップリとハマれるんじゃないでしょうか。私もそのタイプの人間なので、私好みに合った作品だったと思います。

しかしながら、こういう時間操作を題材にした作品にありがちな「時系列があっちにいったりこっちにいったりして理解が追いつかない」という難解さに加えて、作中での登場人物の行動については説明不足な部分が多いため、「今これ何やってんの?」って感じてしまう部分があるのも事実。

きっちり理解して楽しむためには、まずはちゃんと予告編を観た上で、できればYoutubeなどに上がっている解説動画を見てから鑑賞することをオススメします。もちろん、伏線回収が魅力的な作品ですのでネタバレ無しの動画を観てください。私のオススメ動画は映画系youtuber茶一郎さんの「TENETテネットは本当に難しいのか」です。ワーナーブラザーズ公式の案件動画ですので、作品の面白さを損なうようなネタバレはありませんし、軽妙な語りが耳心地の良い、サクッと観れる動画です。下にURLを載せておきます。問題あればURLは削除します。

【ネタバレなし】TENET テネットは本当に難しいのか【予習・科学的知識が必要?】
https://www.youtube.com/watch?v=jEQ-9j3ji3o

私個人的には、今年の映画ベスト3に入るくらいの傑作だったと思っています。
正直完全にストーリーを理解できてはいませんが、だからこそ考察要素が多いし、もう一度観たいと思わせる魅力があります。二回目観たら、一回目とは違った感動が味わえると思います。
面白かったです!!!オススメです!!!

といぼ:レビューが長い人