「最上の映像化」るろうに剣心 最終章 The Beginning クソチキンゴミ眼鏡さんの映画レビュー(感想・評価)
最上の映像化
単行本でたった3冊分の物語を2時間以上もの時間で描いたということで、非常に丁寧に描いていたと思う。
作品はとにかく有村架純の独壇場。
驚いたのが「巴が剣心に心を開いていく流れ」が原作以上に丁寧に表現されていたこと。
漫画という媒体である以上は人間表現には当然限界があるのだけど、漫画で表現しきれなかった巴が映画で表現されており、正直度肝を抜かれた。
まさか20年以上の期間を経て「るろうに剣心」という作品で、こんなに新鮮味を感じるとは……
アクションが少ないことで不満を持つ人もいるかもしれないが、そもそも原作でも剣心が戦っているシーンはそんなに多くなく、巴や桂達との会話メインで進んでいるのが過去編なので、そこも原作に忠実だったと思う。
むしろ沖田との一騎打ちなどサービスシーンが付け足されていたが、ストーリー的にはなんの意味もなく、村上虹郎の見せ場を作りたかったのかなと邪推してしまう。
ただ、初見の人向けに原作改変はどうしても必要なものだし、この作品においては最低限に抑えられていたのではないか。
唯一気になったのは、いつまで巴の亡骸を身近なところにおいてるんだということ。まぁこれは、もう漫画原作だからと思って見るしかないか。
時間をたっぷり使っていたこともあり、全シリーズ通じて最も満足した作品だった。むしろ、これを見た後だと京都編は2作あっても雑だなぁと思ってしまうレベル。
最後にして最高の映画で締めくくってくれて、原作ファンとしても本当に感謝しています。